前説
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昨年のヒット曲って何だろうと考えてみる。
大体の人は「Pretender」と「白日」の名前を挙げるのではないだろうか。
で、この2曲のウリはボーカルのハイトーンさにあると思う。
「白日」は井口のハイトーンボイスが突き抜けているし、「Pretender」は藤原のハイトーンボイスが突き抜けている。
某バンドの楽曲でも、流行りのバンドはみんな声が高いと揶揄している。
自分が好きなバンドに限っても、スピッツ然りユニゾン然り、みんな声が高い。
ってことは、売れてる楽曲ってだいたいハイトーンボイスなのだろうか。
ふと、そんなことを思ったのである。
本編
2018年のヒット曲について
じゃあ2018年のヒット曲はなんだろうと考えると、ぱっと思いつくのがこの歌だ。
出だしの切れ味の鋭さは「白日」と通ずるものがあるけれど、ハイトーンな歌かといえば、そんなことはないと思う。
というか、米津玄師は基本的にハイトーンなボーカルではない。
地声なんてバチクソに低いし、声が低いからこそ良い感じに声のトーハンが張り詰めた感じになっていて、そこがウリなタイプのように思う。
2018年のヒット曲といえば、この歌を挙げる人も多いだろう。
あいみょんも女性アーティストにしては声が低めである。
代表曲である「マリーゴールド」もどちらかといえば、keyが低めの歌だと思う。
つまり、2019年はハイトーンボイスが圧倒的な躍進をとげたのに対して、2018年は必ずしもハイトーンボイス勢が覇権を握っていたわけではないのだ。
米津玄師の圧倒的な躍進と、あいみょんのブレイクは、界隈がハイトーンばかりになる空気に「待った」をかけた重要なアーティスト、というわけである。
と思って、2017年以降の楽曲をさかのぼってみると、意外とこの時期も、ハイトーンボイスが躍進をしていたわけではないことがわかる。
ね?
こうやってみると、わりとハイトーンで魅了するタイプではないアーティストの躍進が目立つでしょ。
特にBUMPを系譜に持っているアーティストは、軒並みハイトーンでゴリ押しというタイプではないことを実感する。
そうなのだ。
こうやってみると、意外とハイトーンじゃないアーティストがゴリゴリにシーンにおいて存在感を示していたことがわかるのだ。
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じゃあ売れる楽曲の共通点とは?
こうなると、じゃあどういう歌がヒット曲になるんだろう、という話になってくる。
結局のところはタイアップとの絡みが重要なのだろうなーとは思う。
タイアップが絡むことで、いわゆる音楽好き以外にも波及した音楽になるからだ。
King Gnuと髭男はこの「界隈以外に音を届けるタイミング」が絶妙だったのだろうし、King Gnuと同じような強みを持っているバンドと比べてもKing Gnuがずば抜けた理由は、結局のところ曲の良さとか声質云々以前に、一般的な音楽好き以外が彼らの存在に気づいたかどうかが重要になるわけで。
とまあ、書いてみたんだけど、だんだん本筋と話がズレてきたので、一旦戻していきたい。
この記事で話したいのは、ハイトーンボイスの躍進率の話である。
で、こうやって色々と振り返ってみて感じたのは、バンド界隈はハイトーンなボーカルがゴリゴリにいるけれど、バンド以外の、たとえば米津と星野源とかあいみょんなどは、ハイトーンをウリにしていないケースが多いな〜という印象だった。
というか。
バンドにおけるハイトーン率が異常に高いのかなーと思ったりするのだ。
だから、バンド好きの自分にとっては、どいつもこいつもハイトーンやんけ、となってしまうのかなーと思うのだ。
でも、ソロアーティストはそうじゃない人たちがわりと多いなーみたいな感じで。
そう考えたとき、なぜバンドはハイトーンが多いのかが気になってくる。
そういうのが流行りだから、っていう話になるのかもしれないけれど、バンドならではの理由もいくつかはあるのかなーなんて思うのだ。
例えば、楽器との音のぶつかり方。
ここkを考えると、ハイトーンなボーカルだと、楽器の音にぶつからず、しっかりと飛ぶのかなーなんて思ったりする。
ギターのトーンとぶつかってしまう音域のボーカルだと、どうしても声が届きにくいし、なんて歌っているのかわかりづらくなってしまうわけだ。
でも、ハイトーンだと楽器の音とぶつからない。
だから、スマートにオーディエンスにボーカルが届くのかなーなんて思うのである。
逆に言えば、ハイトーンじゃないのにボーカルがしっかりと届くということは、それだけボーカルに「強さ」があるからであり、いわゆるハイトーンじゃないボーカルの多くに、声の強さを感じるのは、そういう背景があるからなのかなーなんて思うのである。
まとめ
今年は一体、どういうタイプのヒット曲が生まれるのだろうか。
正直それはまだわからないので、ここでは明言しないでおく。
ただ、今年は色んな意味で新しいアーティストの芽が出しづらい状況であることは間違いない。
企業側も、新しいアーティストをプッシュできる余力があるところは少ない気がする。
けれども、だ。
去年のヌーや髭男のような新しい世代が新しい音楽を切り開くとやっぱりワクワクする。
だから、新しいバンドやアーティストがきっちり躍進してほしい。
そういう希望に溢れた未来になることを、今はただただ祈るばかりである。
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