前説
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なんというか、バンドがブレイクするフェーズってふたつあると思うんだ。
簡単にいえば「バンド好きの人の中での認知度が上がる」がひとつめのフェーズで、もうひとつが「バンド好き以外の認知度が上がる」だと思う。
後者は、いわゆるお茶間での認知度が上がったときのブレイクだと思うんだけど、ここに到達したとき、そのバンドは真の意味で「ブレイク」したといえるんじゃないかと思う(望む望まないはまた別の話だけども)
で。
わりとそういうレベルのブレイクに大手をかけているのでは?と思うバンドがいるわけだ。
そう。
マカロニえんぴつである。
彼らは、あと、1年半後には、そういうバンドのひとつになっているんじゃないかと思うのだ。
そんなマカロニえんぴつを改めて紹介したいと思う。
マカロニえんぴつの時代が来た
ぶっちゃけると、今のマカロニえんぴつがソールドさせるライブキャパがどの程度のものなのか、きちんと把握していない。
けれど、今のソールドさせるスケール感とは全然別で、一気にバズの波が来るんじゃないかというのが俺の見立てなのだ。
具体的には来年の今頃には、マカロニえんぴつはマジで本気のバズりがくるんじゃないかと思っている。
なぜか?
理由はシンプルで、今年リリースした曲がめちゃくちゃに良いから。
こちらは先日リリースされたミニアルバム「season」に収録された「ヤングアダルト」という歌。
これね、めっちゃ良くないですか????
よく中毒性のある曲のことを“合法ドラック”なんてネーミングすることがあるけど、マカえんの最近の曲はわりとこれに近いものがある。
まあ、ドラッグは褒めすぎとしても、鼓膜用のTENGAくらいの快楽は与えてくれると思う。
いや、でも、TENGAとある意味似ている気もする。
見た目は洗練されていて、オシャレ故のサブカル臭があるんだけど、内実はそれとは全然というか。
なんというか、同性異性関わらず、きちんと刺さってくる音楽を投じてくるというか。
観念的な話はほどほどにして、「ヤングアダルト」の話を具体的にしていこう。
ヤングアダルトの話
まずこの歌、イントロのブリッヂ感のあるギターの音色が良い。
この始まり方が個人的にツボなのである。
で、イントロと同じフレーズのまま、すぐさまボーカルがインする流れも良い。
メロディーに入っても、変にリズムパターンを変えることなく、シンプルなリズムワークで曲を盛り上げるベースとドラムも良いのだ。
バランスをとったサウンドアプローチをすることで、楽曲の中心にある求心力あるメロディーがとにかく映えるのだ。
なにより、ボーカルのはっとりの歌い方が良い。
これにより、メロディーの良さが倍増するとともに、メロディーに載っている歌詞がビシバシと刺さってくる。
そうなのだ。
元々、マカロニえんぴつの歌詞に定評のあるバンドだった。
クリープハイプとかあの辺の文学的な香りを残した歌詞のイズムを踏襲しているというか、切なさ側に寄った感情の切り取りが絶妙に上手くて、フレーズ単位でぐっと胸にくることが多いのだ。
「ヤングアダルト」でも、はっとりのセンスが爆発している。
だって、絶望のことを「ハロー」って言っちゃうセンスが素晴らしいし、徹底的に「この言葉が届く人」に向けて言葉を積み重ねている感が、すごく良い。
つまるところ、今、人生が幸せなやつには最初からこの歌を届けるつもりはなくて、冒頭の歌詞にある<夢を見失った若者たち>に向けて、ただただ歌う感じ。
この潔さが、とても良いと思うのだ。
で。
単に「言葉の使い方が上手いね」だけで終わらせるじゃなくて、そこで表現したい意図がきちん届く歌になっている気がするのだ。
それは決して主役にならずに丁寧に脇を固めるバンドサウンドと、その中心にあるメロディーという構図を徹底しているから。
なにより、グッドなメロディーに載った歌詞を美しくも儚げに表現する、はっとりのボーカルがあるから。
ここに尽きる。
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ヤングアダルトだけではない名曲の数々
個人的に今年からマカロニえんぴつがヤバくなったなーと思ったのは、この「ブルーベリー・ナイツ」をリリースしてからだ。
それまでは良い歌は作るんだけど、今一歩なんだよなーと思ったりしたのだが、この歌は文句なしで推せるというか、シンプルに自分の好みにドンピシャだったのである。
歌詞、メロディー、サウンド、そしてそれを表現するバンドの形、全てが例年のマカえんのそれを大きく塗り替えていた。
無数にいるインディーズバンドの一角を抜け出して、代表曲というか他のバンドの関連動画としてよく表示されるMVの再生数だけが伸びるバンドである時代を抜け出して、マカえんは次なるステージに向かう。
明確なる、バズを生み出す、そんな未知なるステージだ。
まとめ
もっと派手なアレンジの曲をどかって作ってもいいのに、サウンド的にはすごくシンプルな曲をリリースしたところに、今のマカロ二えんぴつの勢いが反映されている気がするのだ。
余計なアレンジをしなくても、そこだけの勝負で、ちゃんと言葉は届く。
そういう自信があるからこその選択である気がするのだ。
だから、今のマカえんを推せる。
なにより、ここで紹介していないだけで、ミニアルバムに収録されている曲がどれも良いのも、推せる理由の大きな要素。
まあ、何が言いたいかというと、今のマカロニえんぴつは間違いなく推せるという、そういう話。
関連記事:マカロニえんぴつ、バンド名以外は推せる説
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