サカナクションの「モス」の話

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サカナクションが8月23日にMステに出演する。

このブログでは「834.194」のアルバムレビューは行ったものの、アルバムの全体のレビューに力を入れすぎたため、一曲ごとのレビューはだいぶ疎かにしてしまっていた。

関連記事:サカナクション「834.194」の感想とタイトルの意味

当然ながら、各楽曲が素晴らしいからこそ、アルバム全体も名盤なのである。

せっかくMステ出演というタイミングでもあるし、サカナクションの「モス」について触れた記事を書いてみたいなーと思う。

「モス」について

とにかくイントロは山本リンダ感がある。

過去曲的には「アイデンティティ」なんかと通ずる部分もあるこの曲。

個人的なイメージとしては、サカナクション的お祭りソングというような装い。

山本リンダという言葉もあるように、昭和時代の歌謡曲というテイストも色濃く、パーカションのような打楽器が印象的にリズムを刻んでいく。

山口一郎的には、C-C-BとTalking HeadsとKlaxousとBloc Partyを混ぜ合わせたものを作ったとも語っている。

確かに色んなルーツを感じさせる音色と、様々な要素をごちゃ混ぜにしている感じは、伝わってくる。

一郎氏が愛好していた音楽を色々と組み合わせて、それを大衆に届くものに仕立て上げた。

そんな印象の楽曲である。

「忘れられないの」が色んな意味で存在感を放っているので、そこまで話題になることは少ない「モス」であるが、ぶっちゃけこの曲も全然シングルで出しても良いクオリティーだと思うのだ。

アルバムの一曲だとしても、これを軸に据えた表題曲だって全然ありえると思うのだ。

だって、フェスとかでも盛り上がりそうだし。

でも、この歌はあくまでもアルバムのメインではないところに「834.194」というアルバムのクオリティの高さが伺える。

楽曲も印象的だが、さらに印象的なのがMVだと思う。

おそらくこの記事を読んだ人のほとんどの人は、このMVを観たかと思うけれど、まだ観ていない人からすれば、おそらくサムネの時点で不穏なものを感じるかと思う。

そして、その直感は当たっている。

もし万が一まだこの動画を観ていない人がいるなら、ぜひここで再生ボタンを押してほしいと思う。

きっとMVの概念が崩されると思うし、こんなキャッチーな歌で、こういう外し方ができるなんて、サカナクションって色んな意味でクレイジーなバンドなんだなーということが改めてわかるかと思う。

そもそも「忘れられないの」のMVだって、相当にクレイジーだと思うのだ。

でも、「モス」のMVを観たあとだと、「忘れられないの」のMVすら、置きにいっているようにみえてしまう。

それくらいに「モス」のMVの外し方はやばい。

たまにカラオケで曲をいれるとMVが流れるやつがあると思うけれど、もし初見の前で「モス」のMVをカラオケで流してしまったら、きっととんでもない空気になると思う。

職場のカラオケなら切腹モノだと思う。

ノリノリで、マイノリティ〜♩とか言ってる場合じゃなくなると思う。

まとめ

そもそもこの歌を引っさげてMステ出るのは、この歌を収録したCDがリリースされるからだ。

このご時世、アルバムをシングルカットするだけでも異例の出来事なのに、もっと異例なことがある。

なんと、リリースする形態が8cmシングルなのである。

クレイジーすぎる。まじで。

確かに「モス」は山本リンダ感があって昭和の歌唱曲がある。

「忘れられないの」も全体的に昭和の香りがする楽曲ではある。

けれど。

だからって、一般的なサイズではなく、8cmのCDをリリースなんて、マジでクレイジーすぎると思う。

レコードならわかるけれど、8cmを選択するそのセンス、マジでクレイジーだと思う。

で、このCDは限定生産なんだけど、おそらくはソールドすると思うのだ。

サカナクションもクレイジーだが、魚民もクレイジーだなあと思う(褒めています)。

とはいえ、最近のサカナクションはクレイジーなだけじゃなくて面白い。

暗闇ライブ含めて、ここのところのサカナクションが仕掛ける作戦はどれも魅力的なものばかりなのだ。

発表する企画がことごとく、好奇心を喚起させられるのである。

別記事では、山口一郎のセンスはもうダメかもしれないなんて書いてしまったんだけれど、そんなことなかった。

熱い手のひら返しをしてしまうことになるが、やっぱりサカナクションのすごいと思う。

一郎氏をはじめとするメンバーのクリエイティブで刺激的な発想と、その発想を確かな形にする技術力。

これは本当にすごいなあと実感する。

今、こんな記事を書いているけれど、明日のMステだってどんなパフォーマンスをするかまったく予測不可能である。

おそらく僕たちの想像の斜め上をいくようなことをするのだろうと思うと、ワクワクして眠ることができない。

実に楽しみである。

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