前置き
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よく、このメロディーは売れ線のメロディーだなーとか評するじゃないですか?
あれって結局何やねん、という話です。
この記事では、そんな売れ線のメロディーラインって結局のところ、どういうものやねん!ということを書きたいなーと思います。
本編
サビが大事
ぶっちゃけ、ここ。
ここに尽きる。
サビがキャッチャーで、一度聴いたら簡単に口ずさめるものほど「売れ線のメロディー」と思われる率が高いと思う。
去年だったら、米津玄師の「Lemon」とか、あいみょんの「マリーゴールド」がそれに当たると思うんだけど、この2曲、バッチバチにカラオケで歌われてるじゃないですか?
何がすごいってこの2曲、おそらく普段は能動的に音楽を聴かない人たちでも、バチバチに歌えているところ。
なんでみんな歌えるのよ????
まあ、端的に言えば、あのメロディーラインを耳馴染んでいるからだと思うんですよ。
外でたくさん聴いたから耳馴染んだのか、90年代の売れ線メロディーに染まった既視感のあるラインだったから少ない視聴回数で耳馴染んだのか、どちらなのかは何とも言えませんが、多くの人が歌えていることは確かだと思うんです。
で。
この耳馴染むメロディーって、とりあえずサビだけあれば十分なんですよね。
2番のサビ終わりのDメロに入ると、途端にカラオケで歌えなくなる人とかいますやん。
でも、それは無問題。
サビさえ覚えられるものなら、大衆はそれでオッケーなんです。
だからこそ、サビが強ければ「売れ線のメロディー」になるわけです。
日本の音楽はサビがとても強い重要。しかも、サビの強さ=覚えやすくて口ずさめるもの、という価値判断は大事な指摘となります。
海外との違い
ちなみに、このサビのメロディーのあり方こそが日本の音楽の特徴であり、海外のメロディーラインと日本のメロディーラインの最大の違いともなる。
ストリーミングサービスに登録している人は一度、海外の音楽ランキングに入ってる作品を聴いてもらえたらわかるけれど、日本的なキャッチーなサビを要する音楽はほぼ皆無である。
いわゆるポップとカテゴライズされる音楽も、日本の音楽に慣れ親しんだ人からすれば、「これってポップなの????」と感じてしまうものが多いと思う。
EDMなんかでも、いわゆる日本の音楽のサビに当たる部分に限って、ボイスレスになっているものが多い。
Perfumeの最新作なんかは、まさしくこのフォーマットになぞらえて作られた歌が多い。
また、海外のラインに沿うことで、日本的なサビが消滅したという意味では、Suchmosの最新作もあてはまると思う。
まあ、海外の人の方がライブではバチバチに歌うし、海外の人の方が「歌えること」を重視していたりはするんですけどね。
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キャッチーなメロディーとは何か?
Suchmosの話が出たので、ここに寄せながら、ちょっと考えてみたい。
例えば、Suchmosの音楽ってキャッチーなメロディーとなると、「STAY TUNE」が挙げられるかと思う。
「STAY TUNE」なら口ずさめる人が多いし、メロディーを覚えている人が多いからだ。
でも、最新アルバムだと口ずさめる人がほとんどいない。
それはキャッチーではないから、ということになる。
おそらく、Suchmosの新曲は(多くの人にとって)メロディーの印象が残りにくい歌なのだと思う。
で、この印象の残りにくさって何に言い換えられるかというと、一般的な「サビがない」というところに繋がるのだと思う。
なんなら、サビがないというだけに留まらず、もっとも多くの人が馴染んでいる構造であるAメロ→Bメロ→サビという流れを踏襲していない歌が多い。
だから、キャッチーじゃない。
だって、この構造をきちんとなぞらない歌にすると、(多くの人にとって)途端にどう盛り上がったらいいのかわからない歌になりがちだから。
確かにSuchmosの新譜は、メロディーラインよりも他の要素を優先して味わう作品のように感じる。
音の流れとか、フレーズの意味合いとか、そういうメロ以外の要素である。
逆に言えば、既存のJ-POPやヒットソングと違う視線でみたら、Suchmosの新作には、面白いところが、たくさん見つかるのだ。
むしろ、Suchmosの今作は、みんながみんな同じ評価をしなくてもいいと思うし、本人たちも意図的にそういう作品を作ったように感じるのだ。
ただ言えるのは、普遍的な価値観に染まりすぎている自分の音楽に聴き方に、別の視点を与えてくれるという意味で、Suchmosの最新作はすごく面白いということ。
メンバーそれぞれが、様々な国やジャンルの音楽を引用しながらサウンドを構築しているから、聞き応えだってかなりあるし、音のどこに「面白さ」を感じるのかはより自由なのである。
何より、歌詞を優先して曲や作ったため、フレーズのパンチラインが強い歌が多く、フレーズを味わうように楽しむのも手である。
もちろん、この作品が好き嫌いかを考えるのは自由である。
ただ、ホールなんかでもライブをやるくせに、作品に対してこういうアプローチができるのは、Suchmosだけなのは間違いない。
その意欲的な精神が面白いなーと思う。
まとめ
なんか取り留めもない言葉になってしまった。
まあ、別にどういう尺度で音楽を聴くかは自由だと思う。
でも、色んな尺度で音楽を聴ける方が楽しさは倍々になるし、色んな尺度で音楽を楽しめるリスナーが増えれば、クリエイターは色んなタイプの作品を作ることになるから、リスナーとしての楽しみは倍々の倍々になるよなーとは思う。
あいみょんなんかがパターンにハマった作品を作りがちになっていたりすると、そんな余計なことを思ったりする。
どうせなら色んな音楽が売れる未来であればいいなーと思います。
では今回はこの辺で。ではではでは。
関連記事:Suchmosの「VOLT-AGE」は本当に観客のボルテージをあげることができないのかを検証してみた!
関連記事:Suchmos「STAY TUNE」の歌詞と意味と感想。
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