UNISON SQUARE GARDENの「Invisible Sensation」について書いてみたい。

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前置き

この歌はTVアニメ「ボールルームへようこそ」の主題歌となっており、ユニゾンとしては「10% roll, 10% romance」に続き、連続して同アニメの主題歌として起用されている。

アニメのタイアップを受けて書き下ろしたということで、アニメの世界観を踏襲しながら歌詞は書かれたとのことだが、そのことも踏まえたり踏まえなかったりしながら、歌詞について考えていきたい。

ちなみに「10% roll, 10% romance」の歌詞考察はこちらである。

興味がある方は、ぜひぜひぜひ。

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ややこしい言葉が多いので、整理しよう

Fラン学生はお呼びじゃないぜ、と言わんばかりにSNS世代には無縁の難解ワードが飛び交うユニゾン歌詞。

おまけに、カタカナ表記とアルファベット表記を織り交ぜて英単語の羅列をしたりすることで、様相がなおのことカオスになってしまっている。

一聴するだけでは、歌詞を読み取らせない田淵歌詞に真骨頂。

というわけで、その辺りのワードの意味を整理しながら、歌詞全体の見通しを良くさせていきたい。

①Invisible Sensation

まず、Invisibleは「目に見えない」とか「姿を現さない」という意味の単語である。

Sensationは「感覚」とか「知覚」と「(漠然とした)想い」という意味の単語である。

合わせると「目に見えない感覚」という意味になる。

②モーション

「動き」とか「動作」という意味になる。

③Face to Face

「面と向かって」とか「直接の」という意味の熟語になる。

④意気覇気正気消沈なムード

意気も覇気も正気も消沈なムード=病んでる空気。

しかも正気も消沈してくるということは、リスカしたい…とかそれくらいのメンタルなのかなーと。

⑤誠心粛々誠意の反復

誠心誠意=うそいつわりなく、真心をもって事に当たること。
粛々=しずかなさま。ひっそりとしているさま

つまり、すんげーこっそりと真心をもって何かに繰り返し取り組むこと、というニュアンスになる。

努力は人の見えないところで行うものなんです!

⑥この瞬間をscopo

「scope」は視野とか範囲という意味だが、ニュアンスとしては「この瞬間を焼き付けろ」みたいな感じになるんじゃないかと思う。

⑦喧々粛々囂々の成果

喧々=けんけんと読む。けんけん、と聴けば某ベーシストを頭に浮かべる人もいるしれないが、言葉の意味としては「やかましい」となる。

粛々=しずかなさま。ひっそりとしているさま
囂々=やかましい

「喧々囂々」で熟語となり、多くの人が口やかましく騒ぐさまを意味する。

そこに粛々がかかっているので、すんげーひっそりとやかましくも努力してきた、みたいなニュアンスになるのかなーと思う。

⑧一心同時代

よくバンドのライブのMCで「音楽でひとつになろうよ!」みたいなことを言う人じゃん?

あんな感じで心をひとつにしようとか、みんな同じ価値観でいようよ、みたいなそういう時代の暗黙の空気を指しているのだと思う。

⑨take the way

takeは「取る」、the wayは「その方法」。

前述の「一心同時代」と合わせると、自分には自分のやり方があるんだから、人と同じようなやり方に固執するんじゃなく、自分のやり方でやろうよ!って感じになるんだと思う。

そもそも、空気空気両手に掴む、って何?

空気を読むことに長けている現代人の皆さまも、空気を掴めと指示されたところで、ぽかーんとするのではないかと思う。

ってか、空気なんてその辺にあふれているわけで、手をぐーっとしただけで、たぶん空気を掴むことができてるわけで。

んで、お化粧をした顔で、手をぐーにした状態でバンザイでもしたものならば「高らかに空気空気両手に掴んで美しい人」の図が見事に完成されるわけだ。

もちろん、田淵が言いたいのはこんなことではないと思うが。

では、どういうことか?

タイトルになっている「Invisible Sensation」は目に見えない感覚、を意味する言葉なわけだ。

それをあえて他のモノに形容するとなると、「空気」という言葉になるのではないか。

言ってしまえば、これは文字通り「空気を掴め」と言っているのではなく「Invisible Sensation」を両手に掴んで咲き誇れ、と言っているわけである。

空気のように見えないものを大切にしようぜ、というわけだ。

暴力的に歌のメッセージを要約するとすれば、この歌はマイノリティーに対する応援歌、ということになるのかなーと。

だって、未来というの名の「遠く遠くを目指す」となると、分かりやすい指標や安パイな筋道をたてがちなわけだけど、そんなものよりも、目には見えないけれど確かに宿っているその感覚を一番に信じろよ、というわけであり、それを持っている人が美しく咲き誇る人=未来で輝くことができる人なんだよ、だから、生きろ、というわけである。

いや、もうこの言葉のセンスが圧倒的すぎるやつだよ!という話である。

「ボールルームへようこそ」から繋がる「10% roll,10% romance」との世界

「ボールルームへようこそ」は競技社交ダンスをテーマにしたスポ根漫画である。

そのため、「10%」も「インヴィジブル」もどこか「ダンス感」のある単語が踊っている。

「輝く人」とかではなく「美しい人」と形容したのも、「ペースアップ」とか「大胆なモーション」なんて単語を使用したのも、そういうことだと思う。

で、原作及びアニメ作品に親しんでいる人にも、すーっと入るような歌詞世界、音楽世界が展開されるわけである。

ところで、「10%」はテイクミーアウトするための歌だったわけだが、「インヴィジブル」はtake the wayを最後に提示してこの歌を締めくくる。

二つの歌の世界観が完全に繋がっているわけではないが、どこか二つの歌世界にシンパシーを感じさせるのは田淵の手腕だなーというアレ

田淵の髪の毛の長さにおける話

それにしても、「10% roll, 10% romance」から三か月の月日が経ったが、MVを観察する分には、田淵の髪の長さはびっくりするほど変わっていない。

なんだか痩せてはきているのに、髪の長さはちっとも変わっていない。

おかしい。

僕は「10% roll, 10% romance」の歌詞考察の記事において、田淵は坊主にするべきだ、という提唱を行ったのにも関わらず、彼の髪の長さはちっとも変わっていない。

確かにユニゾンにおいて、田淵の存在は神のようなものであるし、神であるには髪も必要なのかもしれないが、いつかどうか僕のInvisible Sensationを両手に掴んで、坊主として咲き誇ってほしいなーなんて思う。

いや、まあ、冗談ですけどね。

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