前説

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10年代がもうすぐ終わる。

音楽シーンにとって変動の大きかった10年代。

このブログでも、少しずつ10年間を総括した記事を書こうと思う。

そして、年明けには、最終的に“10年代のベストディスク50”みたいな記事を書きたいなーと思う。

本編

とはいえ、全ての音楽を総括する記事を書くとなると、さすがに話が大きくなりすぎる。

なので、この記事では「フェス」という部分に焦点を当てた記事を書いてみたい。

ところで、2011年と2019年、フェスはどれくらい変わったのだろうか?

その見通しを少しでも立てやすくするために、メガフェスと呼ばれているフェスのメインステージの出演者を並べて考えてみたい。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL

2011年一日目のメインステージのメンツ

サンボマスター
サカナクション
森山直太朗
Perfume
Cocco
10-FEET
ASIAN KUNG-FU GENERATION

2011年二日目のメインステージのメンツ

Dragon Ash
ORANGE RANGE
氣志團
THE BACK HORN
木村カエラ
Chara
RIP SLYME
ユニコーン

2011年三日目のメインステージのメンツ

PUFFY
ストレイテナー
ACIDMAN
エレファントカシマシ
KREVA
9mm Parabellum Bullet
吉井和哉
BRAHMAN

総括してみると・・・

さて、これを見てどう思うか?

今と対して変わらんやん!と思う人もいれば、懐かしさを感じる人もいるだろし、誰この人?という人もいるかと思う。

どう感じるかはけっこう微妙なラインかなーと思っていて。

例えば、三日目のメインのラインナップが今後、ロッキンのメインステージで再現されるかといえば、限りなくゼロに近いと思う。

ほとんどのバンドは、もうメインステージに立つことはないと思うから。

一方、一日目はわりと今でもありそうだなーと感じるラインナップである。

まあ、日中の野外フェスのサカナクションは、もうほとんどない気はするけども。

ちなみにここで名前を挙げたバンドで、2019年もロッキンのメインステージに立っていたバンドは、全部で5組。

サンボマスター
Perfume
10-FEET
Dragon Ash
エレファントカシマシ

これだけいるのか!と捉えるか、これだけしかないと捉えるかは、この世代のバンドに対する思い入れで変わるのかなーと思う。

他のフェスも簡単に振り返ってみよう。

サマーソニックの日本人バンドのメインステージのメンツ

THE BAWDIES
木村カエラ
マキシマム ザ ホルモン
X JAPAN

ライジング・サンロックのメインステージの両日メンツ



B.B.クイーンズ
くるり
布袋寅泰
氣志團
10-FEET
東京スカパラダイスオーケストラ(GUEST:上原ひろみ)
ザ・クロマニヨンズ
サカナクション
四人の侍(竹中直人、奥田民生、山崎まさよし、斉藤和義)
曽我部恵一
ハナレグミ

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総括してみると・・・

フジロックは割愛しちゃったけれど、こうやってみると、こっちの方が時代性を感じるかもしれない。

ハナレグミはフジロックでもメインのステージに出ていたけれど、今のメガフェスならなかなかその抜擢はないんだろうなーなんて思うし。

フェスごとに色が違うのもこの時代の特徴だと思うし、まだフェスの数が絞られていたからこそ、逆説的にメンツが被らないという部分があったのかなーなんて思う

2011年のフェスの話

さて、この年大きかったのは東日本大震災だと思う。

日本のロックやフェスシーンにおいて、この災害は明らかに大きな影響を与えた。

震災以前と震災以後でははっきりと空気が変わったし、メンツ的な話でいえば、震災があったからこそ、このときのメンツがわりと残っているのかなーと思うことも多い。(活動休止していたバンドはもっと多かっただろうし、バンドのモチベーションにも大きく作用しただろうし、お客さんの意識的にも影響を与えたのではないかと思うのだ)

で。

もうちょっと踏み込んで言えば、これをきっかけにして、バンドと客の結びつき方が変わったのかなーなんて思うのだ。

もっとダイレクトに変えたのがSNSにはなるんだけど、日々の生活におけるバンドの存在の大きさが変わったと言えばいいだろうか。

単に音楽を聴くだけの関係性じゃなくなった人が増えた、とでも言えばいいだろうか。

演者/客、という図式じゃなくなって、もっと密接な結びつきをバンドに感じるファンが増えた。

だからこそ、この世代は比較的末永くフェスに行く人が多いのかなーなんて。

京都大作戦とかに行けば、年々客の年齢層があがっていることを感じるんだけど、それはリピーターがずっと参加しているからに他ならないと思う。

で、その理由を色々見ていけば、単に<音楽を楽しむ>以上の意味をフェスに見出し、ロックやフェスの存在が社会と距離の近いものになったからなのかなーなんて感じるのだ。

2019年現在、家族でフェスに行く人も増えたように感じるんだけれど、この時期にフェスの役割や空気が変わったからこそ、単なる若者だけの遊び場ではなくなったこと、フェスに毎年通い、家族ができてもフェスに遊びにいく人が増えた流れなのかなーと思っている。

あと、バンドごとの結びつきも変わった感じがするし、フェス的にいえば、タイムテーブルの縦の繋がりを強くするようになってきたのも、2011年の動きが大きいのではないかと思っている。

なんて書いてみたけれど・・・

ってか、2011年はフェスを語るうえでは大きな年なんだけど、メガフェスでは変化が見えづらいかもなーとは思った。

フェス的なトピックで言えば、AIR JAMの開催とかの方が大きいだろうし、そこを切り口にした方がクリアに見えたものもあった気がする。

けれど、まあそれは置いておこう。

何にしてもフェスと社会の距離は近づいた。

震災をきっかけにして、ロックが社会と結びつきの強いものになった。

ここは重要な部分だと思うし、だからこそフェスが一過性のブームではなく、末永く地域に結びつく催し物になったんじゃないかと思っている。

まあ、最近は結びつきしぎて、乱立してしまっているので、ちょっとアレだけど、まああと数年したらそれは落ち着いて、フェスはしかるべき形に落ち着くのかなーと思っている。

4つ打ちとかシティ・ポップみたいに、フェスの「ブーム」と並行しつつ、2011年の頃には存在感を示していたバンドが変わらずに存在感を示していること。

フェスの景色が変わりつつも変わらないものを維持していること。

それは結局、2011年に空気が変わったことと繋がるんだろうなーと。

自分はたまたまBRAHMANが好きだったからこそ、よりそういう変化を感じる部分はある。

まあ、2019年のロッキンでいえば、まだDragon Ashがヘッドライナーかよ、という指摘もあるかもしれない。

が、そういうバンドが主役になることもできる懐の広さが、ロックフェスの面白さなのかもなーなんて振り返ってみると、思ったりする。

若手バンドも躍進する一方で、おっさんバンドが同じステージで力を見せつけるところが面白いのかなーと。

結果的に、メガフェスは色んな世代のバンドが出演するようになったし、良い具合に新陳代謝が続いているからこそ、日本のバンドやロックは勢いがあるのかなーと思うのである。

まとめ

なんて、書いてみたけれど、まだまだまとめに到れるのは先だよなーと思う。

気が向けば、次回以降の記事にて、この話は続く・・・

しらんけど。

関連記事:フェス好きで、2013年産のロック知らない奴、非国民説

関連記事:今年の夏の野外フェスの総括

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