後世に語りたい大好きなアルバムの楽曲特集
シングル曲とかタイアップ曲は大きな話題になるし、メディアでも何度も取り上げられる。
でも、アルバム曲の場合、そうはいかない。
サカナクション 「目が明く藍色」
色々とクソ長くて、ショート動画自体の今の流行とは真逆。
でも、楽曲の濃度がエグくて、どこまでも後世に語りたくなる一曲。
楽曲の構成も素晴らしい言葉選びも秀逸。
その楽曲の流れがそう盛り上がっていくのかという高揚感がある。
歌としての尺が長すぎて、フェスのような場面でも相当気合が入ったときしか歌わない楽曲だからこそ、この曲を生で聴けたときの感動はとんでもないことになる。
構想に9年かかったというエピソードも伊達じゃないというものである。
Official髭男dism 「 アポトーシス」
人生何周したらこんな歌詞が書けるんだろう。
ただただ、そんな気分になる一曲で、人生の終末感すら感じられる世界観は唯一無二。
何気にこれだけしっとりとしたサウンドでありながら、耳を済ませると、ギターはエッジが効いているのもヒゲダンイズム。
音の選び方がどこまでも丁寧だし、藤原の哀しみの横にある多幸感をにじませたような、絶妙な温度感のボーカルもたまらなくて。
名曲が多いOfficial髭男dism の中でも、ひと味違う輝きを放つ楽曲だよなーと、今聴いても感じる。
三浦大知 「 飛行船」
もっとも時代を超えて愛されるべきJ-POPだと思っている楽曲のひとつがこれ。
和のテイストをアレンジに取り入れたダンスミュージック史上、自分はこれが最強だと今でも強く思っている。
映画の幕開けのような透き通ったあのイントロ。
そこから2番ではがらりと音色を変えて世界を作り上げる構成。
三浦大知のボーカルの表現力も含めて、この歌は何度も聴きたくなるスキのなさがある。
King Gnu 「壇上」
この歌はYouTubeに音源も上がっていない、ガチでフルアルバムを締めくくる楽曲。
常田大希のクラシックな一面を全面に出したナンバーで、渋みがえげつない。
King Gnuはシングル曲だと、ポップであることを意識している感が強いからこそ、アルバム曲の「そういうものを気にしなくてもいいとき」の破壊力が半端ない。
ライブでこの歌を聴いたときの鳥肌も半端なかったし、独特の艷やかさが半端なかったので、後世に語りたくなる味わい。
米津玄師 「抄本」
イントロの音使いの時点で鳥肌。
音なのに、音以外の何かに聞こえる塩梅。
ある時代の日本のポップシーンには、こういうエグミのある楽曲が世に離れていたことを感じる。
良くも悪くも米津玄師は年々外側に開けているイメージがあるからこそ、「抄本」の一人で世界が簡潔して、閉じたからこその濃厚でドロドロしている感じが、たまらない。
「抄本」というタイトルも痛烈というか、言葉選びが見事だなあと。
この世界観にぴったりすぎるという意味で。
星野源 「Glitch」
ビートメイクがとんでもなくて、でも、確かなポップの着地をしている意欲作。
悲嘆な空気もあるし、穏やかな波長もあるし、星野源にしかなし得ないバランスで、音の楽しみを怒涛のごとくで流し込む。
サウンドのアンサンブルも自由自在だし、打楽器が踊るように音を鳴らしているのも印象的だし。
2025年の楽曲だけど、早くも後世に語りたい濃度がマシマシになっている今。
まとめに替えて
ふと「後世に語りたい大好きなアルバムの楽曲特集」というお題で、いくつかの楽曲を紹介したくなったので、こんなとりとめない記事を書いてみた。
基本的に、自分が刺さりまくるアルバム曲はイントロの段階での世界観の構築がやばいものが多いことに気づく。
やっぱり良い曲って無駄がないんだよーなとぼんやりと思う。
そんなことを感じる、そんな夜。