ナカノヒトフェスティバルという主催ライブを終えた上での個人的な感想

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実は2週間前の今日、ナカノヒトフェスティバルというライブイベントをBanana Hall. というライブハウスにて行った。

このイベントはライブキッズあるある中の人と、ワタクシロッキン・ライフの中の人が共催という形で行ったイベントである。

出演バンドは、ZUMA / クレナズム / ライブキッズあるある中の人 / 板歯目という並び。

自分も過去に何回かイベントを行ったが、色んな意味で自分が行った他のイベントとまったく違ったカラーになって、終始、不思議な手触りのイベントとなったが、遊びにくれた人が新しいバンドとの出会いのきっかけになったり、音楽の新しい楽しみ方を感じられる1日になったら良きかなーという感じで、今は楽しかった余韻をぼんやりと感じている。

そんなわけで、せっかくなので、ライブレポを書けたらなーと思って、筆を進めている自分がいるんだけど、正直、普通にいわゆるライブレポを書いてもなーというところがある。

なので、どういう切り口であの日のライブの話をしたらいいのかなーとずっと考えていたのだった。

あの日のライブの特殊性

今になっても思うけど、たぶん普通のイベンターだったら、この3組でライブイベントを行うということはしないと思う。

なぜなら、それぞれのバンドのカラーや持ち味が異なるように思うからだ。

どのバンドも必ず魅力はあるということは前提の上で、1番のわかりやすい魅力というのは、バンドごとに異なると思うし、ライブの魅せ方だって大きく変わると思う。

じっくりと味わい深くライブを楽しみたい・・・という温度感で、「魅せる」ライブを繰り広げるバンドもいれば、一緒になってワチャワチャに楽しむことが魅力のバンドもいる。

演奏のかっこよさに惹かれるバンドもいれば、ボーカルの歌声にぐっと惹かれるバンドもいることだろう。

もちろん全ての要素を持っているバンドもいるけれど、その中でも突出している魅力というものは見えていくるように思う。

そして、普通はこの魅力に通ずるバンドが並ぶことが多いし、対バンであれば関係性がある中でお声がけするだろうから、よりこの「通ずる」の色が見えることが多い。

ただ、この日のイベントに関しては、そういう観点とは異なる軸で集っていたと思うし、自分的にはそういうところにも対バンイベントの面白さがあると考えていたし、色んなカラーのバンドを1日の中で触れるからこそ、バンドのライブってこういう楽しさもあるんだと知れることもあれば、自分はこういうバンドが好きだと思っていたけど、違うタイプのバンドも好きだった・・・と発見することも多いように思うのだ。

そういう要素もまた、対バンライブの面白さだと思っていて、この日はそういう体験が鮮烈すぎるくらいに味わえる1日だったのではないかと思った次第だ。

クレナズムの話

クレナズムはこの日のラインナップでいえば、「魅せる」ライブをしてくれるバンドだったのではないかと思うし、バンドのかっこよさの中でも、ギターが生み出す爆音のかっこよさだったり、切なさや儚さ感情を丁寧に切り取った表現だったり、そういう部分に強い魅力を感じるアクトだったのではないかと思う。

特にクレナズムのライブでは、後半はシューゲイザーな濃度を強め、爆音と鮮やかな照明の景色の中で、クレナズムにしか作れない景色を作っていて、それがいつ見ても圧巻なのである。

クレナズムに関しては、過去にも自身のライブイベントに出てもらったことがあり、その際もパフォーマンスを魅せてもらったのだが、当然ながらあの時以上にクレナズムのアンサンブルがバチバチに仕上がっていて、そのパフォーマンスにただただ魅了される自分がいたのだった。

ZUMAの話

対して、ZUMAは完全にオーディエンス巻き込み型という感じで、オーディエンスを沸かせるパフォーマンスが圧巻だった。

生み出している音楽がかっこいいということをベースにしたうえで、ライブだからこその高揚感をマイクパフォーマンスで絶大なものにしていくところに、ZUMAの凄さを感じたのだった。

良い意味で、腕組みしてライブを鑑賞させる余裕を与えないというか、身体中で音楽やビートに合わせてシンクロさせる楽しみを実感させてくれるライブで、その場にいたオーディエンスのほとんどを自分のペースで楽しませている姿が輝いて見えたのだった。

クレナズムとはまったく違うパフォーマンスでオーディエンスを沸かしていたからこそ、ZUMAが持つパフォーマンスの切れ味がより際立つ1日でもあるように感じたのだった。

板歯目の話

この日のトリに出演していたのは、板歯目。

板歯目は端的に言って、サウンドがいかつい。

ベースの躍動感がとてつもなくて、あそこまでベースに圧倒される若手バンドもそうはいないよなーと思って、いつもそのパフォーマンスに感嘆してしまう。

ドラムのアグレシッブさも際立っていて、リズム隊が良い意味で存在感が強すぎるところが、板歯目のかっこよさにダイレクトに繋がっているし、持ち味にもなっているように思う。

また、そのパワフルなサウンドに負けないボーカルもいて、スリーピースとしてスキがないバンド構成になっているのも良い。

ただし、マイクパフォーマンスとかで煽らない。

ただ、パフォーマンスではどでかいパンチを喰らわせる。

そのコントラストが良くて、こちらもまた終始パフォーマンスに圧倒されてしまったのだった。

まとめに替えて

何が言いたいのかというと、出演してもらったバンドの持ち味が違っていて、それがそのバンドのかっこよさを明確にしていて、バンドって色んな形があるから面白いんだなあと改めて感じた1日だったのだった。

使っている楽器は基本的に一緒である(もちろん、細かい部分での違いはいっぱいあるけど)。

でも、バンドとして表現に落とし込むと、あまりにもそのカラーは千差万別になる。

生み出す音も、ライブとしてのパフォーマンスの魅せ方も、お客さんとのライブを通じてのコミュニケーションのあり方も、だ。

どういう魅せ方が好きで、どういうジャンルが好きなのかは各々あるのかもしれないが、バンドって色んな可能性があるし、色んな面白さがあるんだなあということを、主催者ながらに体感した1日でもあったのだった。

・・・ということもあるし、対バンではこういう「見え方」をしていたバンドも、ワンマンとか違った尺のライブを観ると、また見え方が一気に変わるケースもあって、バンドの奥深さを体感するケースも多々あるのである。

だから、バンドは沼るし、金欠にもなるし、SNSでバンドの情報を追ってしまってセトリみてあーだこーだ言ってしまうし、距離感ムズ・・・ともなるのだけど、まあ、そういう悩みをもてる人はそれはそれで幸せなのかなーという感じでもある。

兎にも角にも、これまでのイベントとはまた違う刺激をもらえた1日だったし、出演してもらったバンドはここからさらにバチバチになるんだろうなーと思うので、色んな意味でこれからが楽しみな1日となったのでした。

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