2022年4月、バンド・アーティストの個人的なベストアルバム5選
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月に一回気に入ったアルバム5枚を紹介しているこのブログ。
4月も後半に差し掛かったので、4月度の紹介を行いたい。
なお、4月リリースではないアルバムも並べているが、ご了承いただけたら幸い。
では、どうぞ。
本編
ASIAN KUNG-FU GENERATION 『プラネットフォークス』
今月最初に名前を挙げたのは、アジカンのこのアルバム。
10枚目のオリジナル・アルバムとなる今作。
円熟した今のアジカンの魅力が炸裂した作品となっている。
社会性の歌詞とか、才能豊かなアーティストとのコラボとか魅力はたくさんあるんだけど、とにかく際立っているのはアジカンのサウンドのかっこよさだと思う。
フレーズがかっこいいとか、他のバンドには真似できないアグレッシブなアプローチをするとか、そういうのとは違うラインでのかっこよさを解き放つのである。
<音色>にこだわり、磨きをかけたバンドの分厚さをそこに感じるというか。
だから、ゆったりとしたテンポの中、どこまでもずっしりとした響きを覚えるのである。
ROTH BART BARONとタッグを組んだ「You To You」から、そういう硬派なロックサウンドを十全に感じさせてくれる。
どの時期のアジカンが好きか。
きっとリスナーごとに好みはあると思うけれど、サウンドのかっこよさだけに集約したら間違いなく今のアジカンが一番かっこいい。
このアルバムを聴くと、そのことをより強く感じるのである。
関連記事:ASIAN KUNG-FU GENERATIONの、THE FIRST TAKEの「ソラニン」に触れて
羊文学 『our hope』
アジカンのアルバムでも登場する塩塚モエカがボーカルと取るバンド、羊文学。
この羊文学がリリースしたアルバムもめっちゃ良いのだ。
『our hope』はメジャーセカンド・アルバムとなる。
前作も踏まえながら、そのサウンドの幅を自分たちで広げたような革新性を覚える作品となっている。
ところで、羊文学って、あえて言えば、バンドサウンドが目指している美しさとかっこよさはアジカンと通ずる気配があると思っていて。
ただ、ルーツにしているジャンルはお互い違うため、重ねる部分はあってもまったく違う響き感じさせてくれる。
なお、羊文学の今作は「OOPARTS」のように、シンセサイザーを取り入れたアレンジの曲があったり、バンドの新境地を感じさせる楽曲も収録されている。
<バンドの外側>を感じさせる楽曲が巧みに配置されているからこそ、羊文学が持つバンドのロック性も美しく際立っている印象。
なんにせよ、音楽のわかりやすい部分に執着することなく、自分たちが信じる美しさを磨き上げた心地がするので、ぐっとくるのだ。
フレデリック 『フレデリズム3』
3枚目の紹介したいのは、フレデリックの『フレデリズム3』。
冒頭の「ジャンキー」から、フレデリズムが炸裂しているなあと感じさせるこの作品。
このビート、この音色はフレデリックにしかないそれだなあと聴くたびに思う。
というか、一曲目からずっと<フレデリック>と名刺のついた歌が連続している印象である。
レトロ感もあって。
斬新性もあって。
ノリの良さもあって。
中毒性もあって。
歌謡曲的な雰囲気もあって。
そんな、THE フレデリックの楽曲が炸裂しまくっているのだ。
このアルバムでいえば「YOU RAY」が色んな意味で異端かもしれない。
康司ボーカルの楽曲という意味においても。
そのアクセントがアルバム全体において重要な意味を持っており、ラスト2曲で迎える<トドメ>に向けて、アルバムの表情ががらりと変わる感じが良い。
関連記事:フレデリックの「名悪役」が好きすぎる件
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ジャニーズWEST 『『Mixed Juice』
今月のベストアルバムだと、唯一バンド以外の選出。
とはいえ、パワフルさで言えば、バンド顔負けなところもある。
というか、バンドマンの提供曲も多いため、ロックなテイストを持つ楽曲が多く、熱いナンバーも豊富なのだ。
加えて、豪華な布陣に楽曲提供を受けていること、様々な個性を持ったメンバーがいるジャニーズWESTだからこそ、が巧みに噛み合うことで、アルバム全体は圧倒的な<ミックス>具合を解き放っている。
そういう意味で、もっともアルバムだからこその魅力を解き放っている作品と言えるのかもしれない。
歌ものでぐっと歌の世界に引き込んだかと思えば、ユーモア曲をここぞのタイミングで放り込むバランス感が秀逸。
ひとつの美学で勝負しているアーティストとは違った、聴き応えと感動を与えてくれるのがたまらない。
なお、アルバムの感想については別記事でもう少し掘り下げているので、そちらもどうぞ。
関連記事:ジャニーズWESTの『Mixed Juice』が色々とミックスしすぎている件
My Hair is Bad 『angels』
今月ラストに選出したのは、マイヘアのこのアルバム。
2年10ヶ月ぶり5作目のフルアルバムであり、プロモーションのあり方含めて、マイヘアにとって大きな門出になった一作でもある。
20代→30代に変わる節目の作品ということもあって、マイヘアらしい衝動と美学、独特のセンテンスとアンサンブルを惜しみなく作品に注ぎ込んだ集大成感がある。
また確かにマイヘアは明確に<マス>に音楽を届けるような動きを見せつつもあるが、音楽においての核は変わらないことを感じさせる作品ばかりが揃っているのも個人的にぐっときていて。
どうしてもスケールを大きくすると、バンドの魅力が別のものに置き換えることも多いけれど、マイヘアにおいてはそういうことはなくて。
インディーズの頃から、良くも悪くもスタンスとは異なる需要をされがちなバンドであったが、そういう<声>は楽曲とパフォーマンスで沈めてきたバンドでもあって。
『angels』でもまた、そういう声をぶっ潰してしそうような清々しさが作品に内在していて、その感じにぐっときてしまうのである。
にしても、椎木のソングライティングはいまなお瑞々しい輝きを放っていて、すげえなあと改めて思わせられる。
やはり、マイヘアって凄いバンドだなあ・・・と、そんな当たり前のことを実感させてくれる作品である。
関連記事:僕がMy Hair is Badとその周りについて思うこと
まとめ
ASIAN KUNG-FU GENERATION 『プラネットフォークス』
羊文学 『our hope』
フレデリック 『フレデリズム3』
ジャニーズWEST 『『Mixed Juice』
My Hair is Bad 『angels』
というわけで、今月はこの5枚を選びました。
たぶん今年に入って、一番バンド色が強いラインナップになった気がする。
何かの参考にしてもらえたら嬉しい限り。
では、今回はこの辺で。
ではではでは。
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