ASIAN KUNG-FU GENERATIONを久しぶりに聴きたくなった自分

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最近読んだ漫画だと藤本タツキが書いた「ルックバック」がダントツに良い。

あんなに作品世界に惹き込まれ、夢中になった漫画もそうはない。

なぜ「ルックバック」が書き出すとキリがない。

けれど、単純な言葉に置き換えるとすれば、<漫画>の域に留まらない広がりが作品にあるからこそ、魅了が溢れているんだろうなーと思っていて。

ストーリーから紡がれる社会性もそうだし、漫画的表現を抑えつつ映画的表現に接近した大胆な描写もそうだし、作品に散りばめられた他のカルチャーとの接続もそうだと思っていて。

この作品はタイトルが「ルックバック」」ということもあり、Oasisの「Don’t Look Back in Anger」と接続するような表現も散見されていた。

まあ、この辺りは他のカルチャーライターがまとめているだろうから省くとして。

ひとつの切り口では語りきれない魅力がある。

なぜなら、ストーリーも表現方法も魅力的だから、というそういう話である。

にしても、「ルックバック」を通じて、久しぶりにOasisを思い出し、思わずOasisの音楽を聴いていた自分。

一通りOasisにふれると、ふいにASIAN KUNG-FU GENERATIONのことも頭によぎった。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONはOasisに大きく影響を受けたバンドであり、ボーカルの後藤を中心にその影響を強く公言している。

『君繋ファイブエム』に収録されている「E」のギターソロではOasisの「Live Forever」のギターソロが引用されている。

これは、Oasisへのリスペクトの現れのひとつである。

また、「Live Forever」のリスペクトという意味では、『ソルファ」に収録されている「振動覚」も外せなかったりする。

兎にも角にも、久しぶりにASIAN KUNG-FU GENERATIONを聴きたくなった自分は、なんとなくアジカンまわりの動きをみてみることにした。

すると、あのASIAN KUNG-FU GENERATIONがついにTHE FIRST TAKEに出演するというニュースを発見する。

これは観るしかない!!!!!!!!!!!!!!!!!!

・・・ということで、YouTubeに公開された動画をすぐに観た自分。

最初に上がった動画は、「ソラニン」だった。

こうやって、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの音楽を聴くと、改めて思うのだ。

アジカン、めっちゃ良いなあ、と。

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ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ソラニン」

自分的にも「ソラニン」は凄く好きな歌である。

「ソラニン」は原作も含めて切ないお話なんだけど、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ソラニン」が描く切なさが絶妙なのである。

イントロのギターの最初のストロークで、その場の空気を変えてしまうような魅力があるのだ。

そんなわけで、楽曲としての「ソラニン」がそもそもすごく好きなんだけど、THE FIRST TAKEの「ソラニン」がこれまた良かったのだ。

動画の冒頭、メンバーに対して照れを滲ませながら、25年間バンドが続いてきたことと、これまだ一緒にバンドをやってきたことに対して感謝を述べるシーンがぐっとくる。

少ない言葉ながらも喜多と後藤が言葉を交わす流れ含めて、25年バンドが続いてきたからこその呼吸みたいなものをじかに感じられて、それがどこまでもぐっときてしまうのである。

演奏が始まると、圧巻という他ないアジカンサウンドが展開されていく。

アジカンのサウンドって、一聴すると「すげぇ」とわかるような激しいギターリフやリズムアプローチを披露するわけでない。

しかし、音のひとつひとつにこだわり抜いたからこその深みと優しさを感じさせてくれるのだ。

めっちゃ老舗の高級料亭で出される和風の煮物みたいな味・・・とでも言えばいいだろうか。

見た目の派手さというよりも、自分の体内に取り入れたときにその凄さを体感することになる・・・そんな類の音を鳴らすのだ。

なので、アジカンの音ってエッジが効いていてゴリゴリしているのに、まったく煩さを感じないのだ。

あるいは、低音が存在感を示すのに、音に柔らかさがあるのだ。

「ソラニン」のTHE FIRST TAKEでも、そういうアジカンだからこその音の美しさとかっこよさが際立っていた。

25年間バンドを続けてきたからこその円熟味が、そこにあったのだ。

まとめ

若手バンドがどんどん増えている。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONに影響を受けたバンド、というのも増えてきている(まあ、今の若手バンドなんかだとASIAN KUNG-FU GENERATIONに影響を受けたバンドに影響を受けたバンド、の方が数が多い気もするけれど)。

しかし、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの音楽の<外側>を真似するバンドは増えても、それぞれのパートが生み出すアンサンブル=音楽の内側の部分を真似できているバンドは、ほとんどいないように思う。

音の美学、というものは多面的ではあると思うんだけど、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが見出す美学をきちんと形にできるのは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONしかいない。

音のひとつひとつにこだわり、ゴリゴリと柔らかさが両立する音を鳴らす。

そんなアジカンだからこその美学を、THE FIRST TAKEの「ソラニン」を通じて、強く感じたのだった。

だからこそ、ASIAN KUNG-FU GENERATIONは偉大なのだと思うし、唯一無二のバンドなのだと強く思った次第。

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