前説

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毎週土日はライブだぜ!というほどライブ中毒者ではないので、ライブのことを語るほどではないんだけど、それでもフェスも含めて「年間でライブを見るバンドの数」なら自分もまあまあ多いのではないかと思っている。

フェスとワンマンじゃ全然違うと言われたらそうなんだけど、本当にライブハウスで見たい人に限ってチケットは取れないし、スケジュールはなかなか合わないので、その辺は許してほしい。

というわけで、この記事ではフェスもワンマンも関係なしに、今年見たライブでジーンとしたバンドを紹介したいと思う。

いや、こういう振り返りは年末にやれよと言われそうだけど、この夏というか、昨日のオトダマでジーンとするライブが多すぎたので、今書きたいと思った次第なのである。

許してほしい。

本編

サンボマスター

オトダマのサンボマスターのMCがすごく良かった。

クソみてえな毎日だけど、クソなのは毎日であって、あんたたちがクソだったことは一度もない、と力強く主張するサンボの言葉が途方もなく突き刺さった。

山口は「笑え」って言ってたけれど、令和に間に合わなかった命もある、と言いながら松原さんや同じく初期の清水音泉を支えたモンパチに触れながら語る「ロックンロール」は、ただただ涙腺を直撃する鬼のコンボだった。

そういえば、オトダマで松原さんに触れたのはサンボマスターとレイザーラモンRGだけだったなーと思う。

涙腺の暴力でまったく笑えなかったけど、とても良いライブでした。

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BRAHMAN

BRAHMANはいつ観てもMCで泣けてきちゃうんだけど、そんななか、今年、BRAHMANを観たのは「MUSIC ZOO WORLD」と「京都大作戦」だけ。

で、思い出すのは「MUSIC ZOO WORLD」。

このイベントは、先ほど名前を上げた松原さんが代表だったPINEFIELDSと太陽とトラの10周年を記念した開催された音楽フェスである。

このときのMCの細かな内容は忘れちゃったんだけど、松原さんに対して愛あるいじりをするサマは流石だなーと思った。

で、出演者でないはずなのに「俺の親友、細美武士っ!」って叫ぶと、どこからともかく細美武士がやってくるところも流石ならば、最大のハイライトはコザック前田を呼んで、一緒に歌った「満月の夕」だったと思う。

どんな言葉でコザック前田を呼び出したのかもう覚えていないけれど、交じり合うことがないと思っていたバンドがステージで共演したその光景は、今でも鮮明に胸に焼き付いている。

関連記事:続・BRAHMANの鬼ことTOSHI-LOWとライブで渡り合う方法

UNISON SQUARE GARDEN

あんまりMCをしないからこそ、ちょっとだけ喋ったそのシーンで、途方もなく感動するということもよくある。

今年のユニゾンの舞洲でのライブは、まさにそういうものだったのではないかと思う。

行った人なら絶対にわかってくれると思うあの場面。

きっとWEBの文字ベースにしてもちゃんとは伝わらないと思うけれど、あのシーンのあの一言は感動以外の何者でもなかったように思うのだ。

媚びずにライブハウスでライブばかりしてきたバンドだからこそ、作れた景色と感動だと思う。

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ヒトリエ

オトダマのライブからももう一つ、ヒトリエのライブを紹介したい。

この日、演奏が終わり(まだ楽器は鳴っていたかもしれないが)メンバーがステージから去る前、shinodaはこんなMCをした。

「メンバー紹介をします」

その言葉から始まり、ベース、ドラムス、そしてギター・ボーカルとステージにいる三人を順番に紹介していく。

そして、最後にもう一言、shinodaは付け加えたのだ。

「作詞作曲はwowakaでした」

このライブ中にwowakaの名前を出したのは2回で、1回目は「アンノウン・マザーグース」の演奏前。

そして、もう一回がメンバー紹介のこの時だった。

やろうと思えば、もっとwowakaのことに触れて、涙を煽るMCもできるし、逆に言えば、あえてまったく触れないままにステージを去ることもできる。

でも、必要以上に感傷的に煽るわけではなく、(十分、このときのロケショーンと選曲の時点で涙腺的にやばかったけども)でももちろん、このバンドはwowakaがいてこそのバンドであり、今でもステージにいるという気持ちでやっているからこその絶妙な触れ方。

ライブをする上で必要なレベルでしかwowakaに触れないこの日のヒトリエは、確かに悲しくなるけれど、でもかっこいい!って思える、そういうライブだったのだ。

関連記事:ヒトリエの話

四星球

オトダマの四星球がめっちゃ泣けた。

サンボマスターもヒトリエもたいがい涙腺にきたけれど、この日一番涙腺にきたのは四星球だった。

MCの具体的な内容は康雄さんがツイートをしているので、そちらに譲りたいので、このブログではあまり触れないけども、ひとつ触れるなら、トモフスキーがステージに出てきたとき、若いお客さんは「誰・・・あのひと・・・???」となっていた。

そんな中、康雄さんはステージを歩くトモフスキーを見て、めっちゃ嬉しそうに飛び跳ねていた。

普段は人を笑わせることに命をかけているあの康雄さんが、お客さんのことなんて(ある意味で無視して)あんなにステージ上で嬉しそうにしているのは、初めて見たかもしれない。

そこからのThe ピーズの「生きのばし」のコピーを披露して、さらに若いお客さんは「知らんやつや、、、」という空気が流れていたんだけど、この媚びない姿勢にこそ、かっこよさが宿っていた。

客に媚びるんなら、関ジャムに出たあとのタイミングでもあるんだから、もっと色んな選択肢があったわけだ。

でも、優先したのはオトダマや主催者である清水音泉へのリスペクトだった。

この日の四星球は関ジャム出演の話にも少し触れたんだけど、それすらもオトダマをリスペクスするためだけに触れるにとどまったのだ。(オトダマの映像が関ジャムで使われたので、そのことを喜んでいたのである)

そうなのだ。

この日は四星球はお客さんを喜ばせること以上に、お世話になったオトダマと清水音泉への愛と感謝に包まれていた。

そして、それが結果的にその姿勢がめっちゃ涙腺に刺さった。

バンドマンって、本質的にMCで「自分」の話をしがちである。

俺たちが〜とか、このステージに立てて〜とかそういう話がメインになりがちだ。

それはそれでいいんだけど、自分が本気で泣けるバンドって、必要以上に自分の話はしないし、自分以外の誰かのことを話すときも、単に口で感謝を述べるだけじゃなくて、身体全身でそれを伝えるみたいな気迫がある。

で、そういう気迫に触れて、なんだか泣けてくるのである。

単に客に媚びるとかそういうんじゃない。

マイヘアで言うところの「お金で人の心は動かない「みたいな話だと思う。

この人は「本気」なんだ!っていうのが伝わってくると、涙腺にくる。

良いライブの本質って、そういうところにあるのかなーと思う。

関連記事:最強のライブバンドは四星球

まとめ

というわけで、この記事で紹介したライブのほとんどがオトダマになってしまったという罠。

今年は夏フェスだけでも、京都大作戦とサマソニとモンバスとラッシュボールにも言っているはずなのに、なぜか思い出すのがオトダマのライブばかりになってしまいました。

まあ、昨日終わったばかりだからね。

あと、ライブってその時その時で刺さり方が違って当然であって、特にフェスの場合は天候とかメンツの並びとか自分の周りにいた客のテンションとかで、大きく感想が変わったりもする。

色んな要素で感じ方が大きく変わることこそが、ライブの面白いところのひとつだと思うわけです。

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