ロッキンがフィッシャーズをブッキングしたことで、荒れている。

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曰く、ロックフェスなのにyoutuberが出演するのはお門違いであるとか、頑張っているバンドの出演枠をひとつ奪うことが許せないとか。

気持ちはわからないでもない。

自分の好き嫌いの尺度で出演メンツにブーブー言うのは僕もよくやる。

これは好みの話なんだから好きにしたらいいと思う。

あと、ロックフェスなのにロックじゃない人をブッキングするのはどうなの???という話に関しては、何とも言えない。

ただ、「ロックとは何か?」とか「youtuberはロック足り得るのか?」という話は、結局、受け手の主観の問題になってしまうので、ここでは割愛する。

でも、後者に関しては、少し待ってほしいと思う。

あなたが本当に、頑張っているバンドが1組で多く報われてほしいと願っているならば、フィッシャーズを安易に叩くのは少し違うんじゃないだろうか?

どういうことか?

この記事ではそのことについて説明していきたい。

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頑張っているバンドがメガフェスに出れないのは、はっきり言ってしまうと、メガフェスに出るに見合う人気がないからだ。

もしかしたら、それ以外の大人の事情もあるかもしれないが、基本的には人気の問題だと思う。

そういうバンドの人気が、なぜ中途半端なものになってしまうのか?

理由は簡単だ。

ロックバンドのファン全体の母数に対して、それなりに活躍しているバンドが多いから。

これに尽きると思う。

よくこれ以上、推しのバンドを増やしてしまうと破産してしまうなんて人がいるけれど、新譜にはきちんとお金を払い、ツアーも必ず何ヶ所いって、グッズもきちんと買う。

そういう形でバンドを応援するとしたら、一人あたりで、追いかけることのできるバンドの数なんて、数組になってしまう。

そして、もし、全てのバンド音楽ファンが同じような形でバンドを応援するとしたら、果たして何組のバンドが「食える」状態になるだろう?という話である。

細かく数字を計算することはしない、そこに意味はないと思うけれど、こうやって現実的な数字を突きつけると、どうしても頑張っていても、食えるバンドと食えないバンドが出てくることは間違いない。

zeppツアーを回れるくらいになって、ようやく音楽だけでメシが食えるようになる、なんて言われている。

実際、Twitterなんかでは人気になってしまって寂しいなー。あのバンドももう売れてしまって残念だ、なんて言われているバンドでも、音楽だけではメシが食えず、バイトをしているバンドなんてたくさんいる。

リスクヘッジをするために社会人をやりながらバンド活動をしている人も多いし、末永く音楽でメシを食う未来が想像できず、バンドメンバーの一人が、バンドから脱退する話もいとまに尽きない。

つまり、頑張っているバンドが1組でも多く、少しでも報われる可能性のある未来を作るためには、バンド音楽のファンを増やすしかないのだ。

今、音楽でメシを食う人は、こういうことに自覚的だと思う。

だから、WANIMAは初期ファンに残念がられることはわかっていても、嫌われるリスクは承知してでも、ああいう形に進んでいったと思うのだ(現代がハイスタが出てきたときと同じ環境だったならば、おそらくWANIMAはああいう風になっていなかったように思われる)

メガフェスというのは、あまりバンド音楽を嗜んでいない人が、バンド音楽のファンになる数少ないチャンスの一つだ。

報われないバンドを1組で減らすことができる未来を作ることができるかもしれない、ひとつのチャンスなのだ。

だから、ロッキンはブツクサ言われたとしてもバンド以外の人も意欲的にブッキングする。(もちろん、興業的な側面も大いにはあるけども)

もし。

youtuberしか興味がなかった中学生が、生のロックバンドのライブを目撃することで、ロックバンドのファンになって、ライブハウスに来るとしたら。

それは素敵なことだし、そういう積み重ねが、バンドに未来を作るのだろうと思う。

もちろん、1万人ファンがいたとして、そんな風になるのは、数十人くらいなのかもしれない。

でも、そういう数十人を少しずつ増やきていくことが、頑張っているバンドが報われるかもしれない可能性を生み出すことに繋がるのだ。

だから、フィッシャーズのブッキングは、頑張っているバンドの可能性を奪った、みたいや物言いはちょっと違うんじゃないかなーと思う。

僕は、そんな風に思ったりする。

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