SixTONESの『CITY』の簡易なる妄想的レビュー

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アルバムの良さって何で決まるだろうか?

もちろん、ここに対する価値は人によって違うと思う。

ただ、自分は単純に良い曲が並んでいるのが、イコールとしてのアルバムの良さとは思わなくて。

アルバムという枠組みで楽曲を並べるからこその物語性やコンセプトやメッセージ性が見えるとき、そのアルバムが<すごく良い>に変わる。

で。

そう考えたとき、SixTONESの『CITY』というアルバムは、コンセプト・アルバムとして完成されたアルバムのように思う。

少なくとも、SixTONESにしか描くことができないコンセプトのアルバムだよなーと思うのだ。

「僕が僕じゃないみたいだ」や「マスカラ」といった既出曲も収録しつつ、このアルバムでしか成立しない物語の中に、ぎゅっと楽曲を構成しなおしているように思うからだ。

この記事では、そんなSixTONESの『CITY』のアルバムについての感想を書いていきたい。

本編

SixTONESの『CITY』の話

作品の紹介文としては、曰く、

それぞれの楽曲ごとに主人公が存在し、その日一日の時間の流れの中で繰り広げられる、何気ない日常の出来事や物語が集まる場所」として”街(CITY)”をコンセプトに表現したアルバム

上記のような言葉が綴られている。

アルバム全体の曲目をみると4曲のインストソングからも、そのことがわかる。

アルバム全体の中で一日の時間の区切りを意識させる作品となっており、アルバムを通して色んな主人公の生活を通しながら、ある街の一日を体感できるようになっているのだ。

ここでひとつ思うことがある。

普通、アルバム全体に通底したコンセプトがある場合、ソングライティングは同じ人物で行われることが多い。

しかし、SixTONESのアルバムは違う。

楽曲ごとに楽曲制作者が異なっているのだ。

でも、アルバム全体のコンセプトは、紛いもなく一貫しているのだ。

ここが凄い。

変な言い回しになってしまうかもしれないが、これがSixTONESの真骨頂だよな、と思ってしまう。

ジャンル違いの楽曲だとしても、場合によっては背景違いで生まれた楽曲だとしても、SixTONESが解釈しなおして歌いからこそ、それぞれの楽曲が別の意味を持ち、アルバムの中で然るべき輝きを放ち、通底した世界観を生み出すわけだ。

相まって、インストソングの配置や楽曲の順番が秀逸だからこそ、『CITY』のアルバムが明確なるコンセプトや物語を描くことになる。

ちなみに、『CITY』は通常盤や通常盤などの形態ごとに収録曲や楽曲の配置が異なっている。

みてみると、17曲目からはボーナス・トラックのような位置づけになっていて、形態ごとに収録曲が異なっていて、合わせてアルバムごとに起点となる時間が異なっているのだ。

そのため、形態ごとにアルバムの中で体感できる時間軸も異なるのだ。

個人的な聴き心地としては、初回盤Aが一番しっくりくる。

というよりも、0時から24時=一日という枠組みで時間展開しているのが初回盤Aで、初回盤Bは夜通し起き通して次の昼間を迎える・・・みたいな時間軸になっている。

で、通常版は一日の時間の流れというよりも、二日間の時間の流れを描くような流れになっている・・・気がする。

まあ、この辺はあくまでも自分はそのように感じるという話なので、正しい間違っているということではないんだろうけど、ね。

なので、この記事では初回盤Aをベースにした流れの中で話をしてみたい。

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秀逸なるアルバムの流れ

[Interlude -Sunrise-]から「8am」の流れは、一日の始まり、それこそ太陽が昇って8:00AMからの、街が活動を始めていくような心地を覚える。

朝のパートにこういう爽やかなナンバーをあてがわれたら、一日も軽快に過ごせそうと言わんばかりの聴き心地。

何が凄いって、この流れで、一気に『CITY』の世界に引きずり込まれてしまうということ。

極端な話、夜にこのアルバムを聴いていたとしても、一気に朝の支度の時間に引き戻させる心地を覚えるというか。

それくらいの吸引力があるわけだ。

で、なぜここまでアルバムの世界に没入できるかといえば、SixTONESの表現力が巧みだからこそ、という結論に行き着く。

ライブでも演劇でも漫才でも映画でも何でもそうだけど、演者が生み出す<想像の世界>にリアリティーを感じて没入できるかどうかって、演者の表現力にかかっていると思う。

ここで現実に引き戻してしまうような違和感や引っ掛かりがあれば、その空想の世界に没入できなくなってしまう。

でも、SixTONESの『CITY』は、そういうことがない。

「8am」ひとつもってして、『CITY』が描く時間の流れの中に誘われるのである。

仮にこのアルバムはこういうコンセプトのアルバムですよ、という事前説明がなかったとしても、[Interlude -Sunrise-]からの「8am」の流れで、すぐに<朝の一日>を想起させることになるだろう。

また、ここから「僕が僕じゃないみたいだ」「Ordinary Hero」「Your Best Day」 という、<アイドル>としてのSixTONESの要素が強めの楽曲を並べるのが秀逸だなーと思っていて。

日中の時間に寄り添った、キラメキのある歌が立ち並んでいるところが絶妙なのだ。

ここのキラメキが絶大だからこそ、Sunset以降のモードが変わる感じに、ヒリっとさせられる。

変な言い回しかもしれないが、太陽が落ちた辺りから、キラメキアイドルの顔からまったく違うアーティストの表情を魅せるような心地を覚えさせてくれて、よりアルバムの世界に惹かれてしまうのである。

実際、「[Interlude -Sunset-]」から「Fast Lane」の流れで、『CITY』が描く街の表情が一変する。

「Fast Lane」のワイルドかつエッジの聴いたビートメイク。

ここに、ゾクゾクさせられる。

同じ街の中でも主人公の視点が変わることで、街の表情が大きく変わることを実感させられるし、昼からターブをかけて一日を過ごす人もいれば、陽が落ちてからギアを入れて活動を始める人がいることを予感させられる、そんな流れ。

また、[Interlude -Sunrise-]からの流れでは、ポップソングが印象的な流れであったが、アルバムの後半となる[Interlude -Midnight-]以降ではクラブシーンで炸裂しそうなアッパーなダンスチューンが存在感を示す。

「Odds」「WHIP THAT」といった、真夜中のムードにきっちり寄り添うような楽曲を並べることで、『CITY』の時間軸の流れをどこまでも鮮やかに感じられるようになっているのだ。

そして、そんな時間の流れのトドメを指すのが<この日の次の時間>=<明日>を予感させてくれる「Everlasting」。

一日の終わりに持ってくるのが<おやすみの歌>ではなく、<明日>に目線を向ける歌、というのが個人的にぐっとくる。

コンセプト先にあるメッセージ

・・・といった感じで、一曲一曲を丁寧に聴くだけでも楽しめるアルバムなんだけど、アルバムだからこその流れの中で聴くとよりその世界に惹き込まれる作品となっている。

アルバムという形態だからこその魅力が詰まっているし、SixTONESだからこそのその魅力を鮮やかに描いている印象を受ける。

というのも、これが一人のソングライターが楽曲を全て揃え、一人のボーカルが歌い切るアルバムだったら、まったく手触りとして異なっていたように思うからだ。

SixTONESが描くコンセプトとして、『CITY』のコンセプトはこれしかないと思うし、『CITY』のコンセプトはSixTONESの魅力を最大限に生かすうえで絶大に機能しているように感じる。

アイドルという立ち位置でもあり、卓越したパフォーマンスを行えるSixTONESだからこその魅せ方。

まったく違うジャンルの音楽を、SixTONESという、ある種のひとつのジャンルとして再構築してパフォーマンスしてみせるからこその魅せ方。

そんな風に思うわけだ。

で、『CITY』というのは様々な主人公を通して、一日の変化の中でひとつの街の多様性を表現するようにアルバムになっているわけだが、そのコンセプトがそもそもダイレクトにSixTONESに接続するような心地も覚える。

というのも、『1ST』も最終的にSixTONESそのものの意志を示すようなアルバムになっていたことと同様、『CITY』でもSixTONESの<これからの意志>を示しているように感じてしまうのだ。

きっと、SixTONESはこれからも雑多なシーン、雑多な時間帯で活躍することになるだろう。

でも、どれだけ異なる時間・場面であっても一つの軸が通底することで、別々のものがきっちり<繋がる>、そんな活動を魅せるはず。

アイドルという立場を踏まえながら様々なジャンル・シーンを横断するSixTONESだからこその話であるように思う。

あるいは、個性違いの6人で構成されたSixTONESだからこそ、という話でもあるように思う。

で、SixTONESはきっとそういう立ち位置を越えた先に、アーティストとしてさらなる輝きを放つのだろうし、だからこそアルバム本編を飾る「Everlasting」で歌ってみせたのは<長い一日のおやすみ>ではなく、<その一日の先に明日>だったのかなーなんてことを思うのだ。

そういう流れの中に、勝手ながらにアーティストとしてのSixTONESの意志を感じてしまう自分がいるのだ。

さらに言えば、明日の先に見据えているのは、今描くことができるもっと大きな世界という意志もうっすらとあるのかな・・・なんて感じつつ、その物語が輝くためには、それぞれ街の主人公=このアルバムを聴いている”君”がいてからこそ成り立つものであり、もっとも近い距離にいる人に目配せしつつ、遠い距離にある夢に対する<意識>もみせるような構成になっているのかな・・・なんてことを勝手ながらに考えてしまう自分がいるのだ。

いや、まあ、この辺りはほんと、勝手なる妄想なんだけどね。

まとめに替えて

・・・なーんてことまで考えたくなるくらいに『CITY』は深みに満ちたアルバムなので、ぜひ聴いてほしいというのが、この記事の総意。

何より、曲単体ではなく、アルバム全体として聴くことで、より大きな魅力を発揮する作品だと思うので、できればアルバムとして聴いてほしいよなーなんてことを思うのである。

関連記事:SixTONESの「1ST」における個人的な感想

関連記事:SixTONESのTHE FIRST TAKEの「Imitation Rain」の話

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