フレデリックの「YONA YONA DANCE(フレデリズム Ver.)」に宿る実家のような安心感について

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思うのだ。

我々が持つ<このバンドは、こういう音を鳴らす>のイメージは、往々にしてそのバンドの一面のみを見た帰結である、と。

だから、バンドの楽曲を知れば知るほど、このバンドって○○っていうイメージのバンドだったけれど、△△な一面もあるバンドなんだな・・・ということを知ることになるわけだ。

もちろん、この振り幅はバンドごとに違うと思うし、そもそも固定されたイメージを持つことが難しいバンドもいる。

だけども、特定のバンドを好きになる際、まずは<その一面>からバンドの音に惹かれることが多いと思うし、ライトな間口から入った際は<その一面>のイメージが強烈で、しばらく引っ張られるケースが多い。

フレデリックの場合、「オドループ」のテイストが<こういう音の鳴らす>のど真ん中だったのではないだろうか。

いや、「オドループ」がザ・フレデリズムというわけではないかもしれない。

そう思っている人も少なくはないと思う。

けれど、仮に「オドループ」的なアプローチの楽曲を他のバンドで聴くとしたら、きっとその歌のことを<フレデリックっぽい歌だなあ>と形容することになると思うのだ。

それくらいに、「オドループ」のイメージは強烈であり、フレデリックの音のイメージに大きな影響を与えていると思う。

だからこそ、だ。

「YONA YONA DANCE」を聴いたときに感じたのは、途方もない自宅のような安心感だったのだ。

本編

「YONA YONA DANCE(フレデリズム Ver.)」の話

いや、「YONA YONA DANCE」ってまったくもってベタな歌ではないと思う。

変化球的な装いもあるし、ひねくれたイズムを感じさせる歌でもある。

だからこそ、この歌を和田アキ子が歌ったとき、大きな話題になったのだと思うし。

でも。

フレデリックがこういうテイストの歌を歌うと、そういう<変化球>とは違う印象を受けるのだ。

なぜなら、「YONA YONA DANCE」は、フレデリックらしさがこれでもかと言わんばかりに炸裂した歌だからだ。

「サイカ」のようなミディアムナンバーもフレデリックの一面では、ある。

でも、フレデリックの強いイメージと結びつきやすい音楽を考えると、「YONA YONA DANCE」的なサウンド$リズムアプローチがよぎりやすくなる。

結果、「YONA YONA DANCE(フレデリズム Ver.)」を聴いたときに感じたのは、途方もない実家のような安心感だったのだ。

あるいは、こたつに入ってみかんを食べているときのような、収まるべきところに収まったときのような心地だったとも言えるかもしれない。

いや、別にそういうテイストの歌ではないんだけどね。

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イレギュラー的セルフカバー

もうひとつ面白いなあと思うことがあって。

「YONA YONA DANCE」って、セルフカバーという立ち位置の楽曲である。

提供先は、和田アキ子。

この和田アキ子が歌唱するバージョンは大きな話題を呼んだ。

この記事を書いている今、YouTubeの再生数が14,187,082 回になっていることからも明らかだ。

おそらく「YONA YONA DANCE(フレデリズム Ver.)」を聴いている人の多くが、和田アキ子のテイクも耳にしていると思うのだ。

つまり、「YONA YONA DANCE」のメロディーは、それなりに和田アキ子の歌声としてインプットしていると思われる。

で、そういう場合、普通は原曲のイメージが強くなっていて、仮にセルフカバーだとしても、原曲の影をチラつかせながらその歌を聴くことになる。

スガシカオが「夜空ノムコウ」を歌うと、どうしてもSMAPの「夜空ノムコウ」が頭に浮かぶ・・・みたいな話はあると思うのだ。

好き嫌いは(どっちが好きか)は置いといて、原曲との差に、色んな思いを抱くことになる。

そういうことは実態として、よくあるはずなのだ。

でも。

「YONA YONA DANCE(フレデリズム Ver.)」は、なんかそういうのとは違う。

なぜか。

それは、この歌があまりにもフレデリックたらしめているから。

和田アキ子が歌っていたときも、でかすぎるくらいにフレデリックの影がちらついていたから。

だから、フレデリックがセルフカバーしたとしても、<し直した>感じがまったくないのだ。

もちろん、和田アキ子のテイクは和田アキ子のテイクとして頭に残っているんだけど、面白いくらいに「YONA YONA DANCE(フレデリズム Ver.)」に余計な影響を与えることがないというか。

というよりも、変な言い方かもしれないが、逆に和田アキ子のテイクを聴いているときから、「YONA YONA DANCE(フレデリズム Ver.)」の影がちらついていた、という言い方が正しいかもしれない。

なので、普通のセルフカバーとまったく違う印象を受けるのだ。

あまりにも、「YONA YONA DANCE(フレデリズム Ver.)」が<本家>すぎる手触りだから。

・・・という印象を与えていることから考えてみても、この歌って面白いなーと思ってしまう自分がいる。

つまりは、「YONA YONA DANCE(フレデリズム Ver.)」が実家的な安心感を与えている所以ともいえるわけだ。

まとめ

当然、そんなザ・フレデリズムの真骨頂である「YONA YONA DANCE(フレデリズム Ver.)」に魅了されっぱなしの今。

フレデリックもまた色んなタイプの楽曲があるし、そのタイプごとの魅力がある。

けれど、やっぱりこういうテイストの楽曲の破壊力は半端ないよなーと改めて実感している今。

こういうフレデリックの音色、リズムアプローチは、たまらないよなーと思っている自分がいるのである。

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