前説

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初めてバンド名見たときは、小藪の顔になって「は?」って言ってたと思う。

Official髭男dismのことである。

字面もそうだけど、アルファベット漢字挟んで、またアルファベットっていうバンド名に「はっ?」って顔をしてしまったのだと思う。

マジで、最初、新手のコミックバンドが出てきやがったと思ったもん。少なくとも、「普通」のバンドだとは思わなかったもん。

でね、バンド名が怪しいものだからさ、聴くときなんて身構えまくるわけだ。

どんな飛び道具使ってくるんだろう?とか、どれだけ我の強いボーカルが出てくるんだろうって。

で、聴きました。

何やねん、これ。めっちゃええやん。普通に美メロのバンドやん。俺の心を掬っていた小藪が、いつしかWANIMAもびっくりの顔面スマイルですよ。

ほんと良いバンドなんです。

というわけで、なぜOfficial髭男dism(以下、ヒゲダン)が良いと思ったのか?

この記事では、そのことを書いてみたいと思う。

本編

洋楽と邦楽の調和

ヒゲダンの音楽ってブラックミュージックの香りがすることが多いし、代表曲の「ノーダウト」なんかだと、ラテンの要素を取り入れたりしている。

要は、サウンドは洋楽的というか、色んな音楽のエッセンスを吸収していて、とても奥行きのある音楽を奏でている。

その一方でメロディーは良い意味でJ-POP的というか、日本人のツボを抑えたラインであることが多い。

だから、音楽通に聴かせても、普段は音楽をそんなに聴かない人に聴かせても、「おっ!」ってなるフックが盛りだくさんなのだ。

そういう意味では、米津玄師や星野源やKing GnuやCHAIなんかとも通ずるセンスがあるように思う(もちろん、方向性はそれぞれが違うけども)

メジャー最初のアルバムとなった「エスカパレード」も、ピアノ、ホーン、ディスコ、打ち込みダンスナンバーありありで、しかもメロディアスな歌もあるという流れ。(メジャーデビュー後にリリースしたアルバムだけど、実はこの作品はまだインディーズ時代のリリースなのでした)

洋楽的エッセンスを感じながらも、歌謡曲を満喫できるというボリュームのある贅沢な作品となっている。

いやね、普通さ、バンドが出すメジャーファーストアルバムって、そんなに広がりが生まれないわけよ。

セカンド以降ならともかくさ、メジャーの一発目って、インディーズの頃からの「とっておき」の音楽を収録しがちでさ、良い意味で今までの集大成になるというかさ、自己紹介的な作品になりがちなわけよ。

「俺たちのやりたい音楽はこれ」だし、「俺たちが今できるのはこれ」なんだよ、っていうのをドーンと見せつけるというか。

でも、ヒゲダンは違う。

インディーズの時よりも厚みを増した音世界をドカーンと見せつけてくる。

後ろに超大物プロデューサーが3人くらい付いてるんじゃないか?と疑ってしまうほどのサウンドクオリティーを見せつけるのだ。

そりゃあ文面にしたらさ、ピアノありホルンあり〜って言うのは簡単だよ?

けどさ、作る側がそういうラインナップを揃えて最適に形にしていくって難しいわけよ?普通できないわけよ?

でも、ヒゲダンはそれができている。

しかも、かなり高いレベルで、それを実現させている。

だから、凄いのだ。

もちろん、最近は様々な音楽をクロスオーバーさせたサウンドを作り込むバンドも多い。

そういうバンドと比べたらどうなの?という指摘はあることだろう。

ヒゲダンが凄いのは、ここだ。

つまり、単にサウンドをクロスオーバーさせているわけじゃないということ。

言ってしまえば、メロディーがすごく良いのだ。歌謡曲的な意味で、すごくグッドミュージックなのだ。

それこそ「ノーダウト」なんて、すごくメロディーがキャッチーだ。

サウンドはカッコいいんだけど、なんかメロディーは覚えにくいし、盛り上がりにくい……。

そんな曲を作るバンドは多い。

特にサウンドが面白いバンドほど、そういう傾向に陥りやすい。

けれど、ヒゲダンは違う。

サウンドも面白いのに、メロディーもすごく良いのだ。

例えるなら、顔が可愛いのに、胸もでかいし、料理もできるぞこの女性は、みたいな話。

顔が可愛いだけでも十分強いのに、それ以外の要素も「好きになる要素」しかないのかよーまじかよーみたいな、そんな感じなのだ。

え?

この例えはいらないって?

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歌い方のクセが強い

結局のところ、良いメロディだとしてもボーカルの声が大したことなかったらダメなわけじゃないですか?

テクニカルなサウンドを作り込むバンドに限って、ボーカルの声が「個性がなくなった川谷絵音」みたいな声質のやつ、いっぱいいるわけじゃないですか?

でも、ヒゲダンのボーカルである藤原のボーカルは個性的だ。

いやー強い強い。まあまあクセ強いぜ。マジで良い意味でクセ強いぜ、こいつ。

ボーカルの魅力の一つって、声を伸ばすところに現れると思うんだけれど、藤原の声って、あ〜って伸ばしたときの「伸び方」にグッとくるものがある。

良い感じに震えているのだ。

それを抜きにしても、個性的なサウンドに埋没しない声をしているし、アップテンポもバラードも魅力的に仕立てるボーカルを披露する。

だってさ、音を伸ばす部分に魅力を感じるということは、言葉を詰め込んだ歌だけじゃなくて、ミディアムナンバーやバラードでもグッとくる歌が歌えるもいうことで、そりゃあ強いよねーという話だ。

まとめ

パワプロくんでいえば、ほぼほぼオールAみたいなバンドなんだよね、彼らは。

付け入る隙がない。

でも、それは秀才だとか天才肌という言葉で済ませるものでもなくて。

おそらく、彼らのバンドとしての魅力って、メンバー全員が色んな音楽に耽溺していて、色んな引き出しなりアイデアを持っていて、そういうものを組み合わせるセンスが優れている。

そこが大きいのだと思う。

何気にボーカルが本当に好きな音楽は、メタルらしいし、そういうところも含めて、趣味の幅広すぎでしょ、っていう話で。

もう十分ブレイクしているけれど、今年さらにブレイクする可能性しかないヒゲダン。

今後も要注目なのである。

関連記事:綺麗なのはお前のメロディーだよと思うOfficial髭男dismの新曲の感想

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