前説

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早いもので、2021年12分の1が終わろうとしている。

そこで、今月聴いた、気に入った歌を紹介したい。

題して、2021年1月のバンド・アーティストの個人的ベストソング15。

なお、選曲対象にアルバム曲を含むと膨大になってしまうので、基本的にはシングル曲・配信曲・YouTubeに音源があがっているものに限定しております。

なお、紹介順はランキングでありませんので。なにとぞ。

では、どうぞ

本編

1.秋山黄色 「アイデンティティ」

2021年の月間ベストソングの冒頭はこの曲が似合うなーとふと思ったので、トップとして選出した「アイデンティティ」。

いや、マジでイントロの段階でかっこよくないですか?

今までの秋山黄色とはまたちょっと違うミクスチャー性が漂う感じ。

タイアップ先の主題歌としても似合っていて、きっとこの音楽がたくさんの人に突き刺さるのだと思う次第。

衝動性だけじゃなく、テクニカルさも加わった2021年の秋山黄色の新曲。

たまらない。

関連記事:辛いときこそ胸に刺さる秋山黄色の話

2.あるゆえ 「騒音楽」

ロック・バンドの豪快さと爆発力が詰め込まれた一曲。

冒頭、いきなりサビの歌い出しでぐっと心を掴んだかと思えば、Bメロでは語りのパートを入れてきて、言葉を通じて自分の感性にぶっ刺してくる。

赤裸々に気持ちを言葉にのせている感じと、その言葉の輪郭をくっきりとさせるボーカルの力強さがたまらなく、その熱さに惚れ惚れする。

<これは生きる一人の証明の歌だ>

最後に登場するこのフレーズがとにかく良いし、このフレーズにすごく納得される歌だよなと感じるのである。

関連記事:才能豊かでぐっとくる楽曲を歌うインディーズバンドたち

3.崎山蒼志 「Heaven」

初のメジャーフルアルバムとなる『find fuse in youth』に収録された一曲。

中学生時代に作られた「Heaven」は人気曲でありながらも、ずっとリリースされないままでいた。

が、ついにこのタイミングで発表となったわけだ。(事前に配信されていたことも含めての話)

原曲は弾き語りの楽曲となるわけだけど、今回はバンドセットでアレンジされ直したものが収録されている。

外部アレンジーの技も加わることで、もともと個性的だった楽曲の魅力が別の形で昇華されていく。

関連記事:存在がチートのような崎山蒼志の話

4.小林私 「風邪」

個人的に絶賛大ブレイク中の小林私。

ハスキー感の中に垣間見る色気ある歌声にぐっときてしまうのだ。

「風邪」は弾き語りでも成立しそうな求心力が高い楽曲なんだけど、アグレッシブなバンドアレンジが丁寧にミックスされて、絶妙なアレンジに着地している。

美しさと泥臭さの両方を感じさせる不思議な作りになっていて、その何とも言えない魅力にゴリゴリ惹き込まれるのである。

関連記事:この冬にぐっときている男性ソロアーティストたち

5.NOT WONK 「dimensions」

オルタナティブ・ロックが好きな人なら間違いなく好きになってしまうサウンド。

パンクという文脈でシーンに登場したNOT WONKは、そこから様々なジャンルを取り入れていき、他のバンドにはないサウンドに到達した印象を受ける。

鳴り響くサウンドからはどこまでも瑞々しい新鮮さを感じる。

でも、特別な楽器を使っているわけではなくて、ギターやベースやドラムというシンプルな立て付け。

ここに、このバンドの凄さが凝縮されている。

6.KID FRESINO 「Rondo」

今月リリースされた『20,Stop it.』は、多数のコラボが実現している意欲的な作品となっている。

カネコアヤノやBIMといった錚々たる顔ぶれが並んでいるし、長谷川白紙とタッグを組んだ「youth」のサウンド構成は鳥肌ものである。

素晴らしい楽曲が収録されているたくさん収録されている『20,Stop it.』。

ただ、自分はその中でも「Rondo」を推したい。

チルったトラックと開放的なムードで展開されるこの歌は、聴くと何とも言えない感動をじんわりと感じるのである。

なお、この歌の一部のメロディーラインは、フジファブリックの「Surfer King」に触発されたものらしい。

7.レイラ 「ふたりのせかい」

幻想的な世界の中で放たれる美しい歌。

凛としたボーカルと、研ぎ澄まされたバンドサウンドで、他のバンドには<せかい>を作り出す。

MVでは演者がマスクを付けているシーンが映っているんだけど、今の世の中を丁寧に自分たちのクリエイティブに取り入れるセンスが良いなあとふと思ったりもする。

あと、サビの入りが個人的なツボで。

上手く言葉にできないんだけど、なんとか急にがらっと空気感が変わる印象を受けるのだ。

8.millennium parade 「FAMILIA」

あの常田が最高傑作といっている作品。

その言葉が納得の聴き心地である。

キャッチー性ではなく、己の芸術性を大事にしていることがよくわかる作品で、やっぱりKing Gnuの作品とは違うよなあと改めて思う(どっちが良いとかではなくて)。

井口の繊細すぎる歌声が圧巻なのだが、もはや美しすぎて「ボーカル」というよりも「ひとつのサウンド」として楽曲の世界を彩っている、そんな印象を受ける。

楽曲の展開も壮絶で、先へ進めば進むほど美しい無秩序が広がっている。

そこには、ミレパだからこその芸術性がある。

関連記事:millennium paradeが紡ぐ「2992」の美学について

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9.えぬ 「想無」

切ない歌声と、シンプルなサウンドが印象的な「想無」。

余計な情報がないからこそ、すーっと聴けるのが良い感じ。

なにより、このアレンジにこのボーカルがよく似合っているのだ。

夜、布団に入りながら静かに聴いていたい、そんな歌である。

ただし、えぬってどんな人なんだろうと気になって、「えぬ」とワードで検索しても、全然検索に引っかからず、知りたい情報にたどり着かないのが唯一の難点。

10.錦戸 亮 「I don’t understand」

『Note』というアルバムをリリースした錦戸 亮。

錦戸 亮の音楽に対するこだわりがしっかり詰まった一作で、個人的にもお気に入りだったりする。

・・・んだけど、その中でも特に気に入っている歌が「I don’t understand」という歌なのだ。

アコースティックギターをベースにしたシンプルなアレンジで、歌をぐっと聴かせる装いとなっている。

こういう歌を聴くと、改めて錦戸 亮のボーカルとしての表現力や、ソングライターとしての才覚を存分に感じることができる。

関連記事:錦戸亮の「Note」に紡がれた可能性について

11.オメでたい頭でなにより 「推しどこメモリアル」

今月のベストソングの歌の中で一番カオスかもしれない歌。

壮大かつ大胆なハードロックのバラードかと思ったら、急に80年代アイドルソングへと早変わりするのだ。

そこからもうひとつふたつ変化球を投げてくるのかと思ったら、そのままポップでカラフルなテイストのまま、楽曲が終わる。

最初のアレは何だったんだ!?

一体、俺は何を聴いていたんだ!?

そんな気持ちになって、またこの曲を聴いてしまうんだけど、それがこの曲の最大の罠。

いつの間にか、すっかり中毒になってしまうのである。

関連記事:オメでたい頭でなによりの楽曲はギャップが凄すぎるという話

12.SixTONES 「うやむや」

ジャンルとしてのボカロにチャレンジして、かつそのジャンルを完全に自分のものにしたSixTONES。

曲の聴き始めは「SixTONESがボカロをやった」みたいな感じになるんだけど、曲を聴き終えると「ボカロとか関係なく、これはSixTONESの歌」みたいな印象になるのだ。

ジャンル性とかを超えて、SixTONESの表現に昇華されている、といえばいいだろうか。

卓越したボーカルとしての表現力と、6人の個性豊かなカラーが存分に発揮されているからこその聴き心地。

この後にリリースされる楽曲も含めて言えることだけど、SixTONESはもはやどういうジャンルに挑んでも、SixTONESという軸がブレることはない。

そのことを実感する。

関連記事:SixTONESの「うやむや」や各ユニット曲から感じる魅力について

13.SHE’S 「追い風」

ドラマ主題歌に抜擢されたSHE’Sの「追い風」。

ポップで綺羅びやかな一面を存分に発揮させた一曲で、SHE’Sらしい眩しさを解き放っている。

サビのポップネスなキャッチーさは見事の一言だし、その後のコーラスの挿入も絶品といえよう。
打ち込みとバンドサウンド、あるいはバンド以外のサウンドの折り込み方も絶妙で、きっとこの曲を通じてSHE’Sの魅力に気付く歌も増えるんだろうなーと予感させられる。

関連記事:SHE’Sは今年大きくハネると思う。その真意は何か?

14.岡野昭仁 「光あれ」

若い人たちの躍進が目立つからこそ、ふとこの人の作品に触れたときの、熟達さと安心感みたいなものに心が震える。

ボーカルそのもので楽曲のカラーを自分のものにしてしまうのは流石の一言。

あと、綴られた言葉にきちんと命の吹き込むところも素晴らしい。

バンドって自己表現が大事とされがちだけど、岡野のボーカルってそういう考えを不要にさせてしまう魅力をはらんでいるのである。

あと、作曲・編曲を担当した澤野弘之の仕事も素晴らしい。

キャッチーなサビ一発でドカーンと聴かせるのではなく、楽曲全体でじわじわとその良さを広げていく、いぶし銀な感じが素晴らしい。

澤野弘之の生み出すラインが絶妙だからこそ、「光あれ」の歌にたぶんに光が放たれているのだと思う。

関連記事:音楽シーンにおいて常に<光>だった岡野昭仁の「光あれ」論

15.Official髭男dism 「Universe 」

今月の月間ベストソングのラストに飾るのは、この歌。

伸びやかなボーカルと計算されたフレーズの数々。

ドラえもんの映画主題歌のタイアップだからこその言葉を散りばめつつも、きっちり髭男の作品としても着地させる。

初期のOfficial髭男dismと通ずる、横揺れのグルーヴを感じさせるアレンジにもぐっとくる。

今のOfficial髭男dismの魅了がたぶんに詰め込まれた、圧倒的な作品である。

関連記事:Official髭男dism、2021年も容赦がないことが判明する

まとめ

良い歌がたくさんあって、毎回絞るのに苦心しまくるんだけど、あえて今選ぶならということで、この15曲にしてみました。

そういえば、sumikaの「本音」は入れようと思ったんだけど、過去記事をよくみたら、昨年のタイミングで月間ベストソングに選出していたことに気が付き、あえなく断念。

まあ、兎にも角にも、この記事を新しい歌と出会えるきっかけにしてもらえたら嬉しい限り。

では、今回はこの辺で。

ではではでは。

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