セゴリータ三世に会う

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6月某日、人気youtuberであるセゴリータ三世(@SGRT_the_3rd)と密会を交わしてきた。あんなことやらこんなことまで口を滑らせた件の密会は、どうやら既に一部始終が、セゴリータ三世のYouTubeチャンネルで公開されているようだ。

しかし、である。

ここでOAされている様子は、ほんの一コマに過ぎない。都合の悪い現実は全て闇に葬り去られ、語られるべき言葉は全て、そこから抜け落ちてしまっている。

これではいけない。

そこで、この記事では、あの動画で抜け落ちてしまった、闇の中に秘匿された「真実」を公開したいと思う。

意を決し、僕はセゴリータさんの音楽観に迫ってみることにした。

隠された対談の模様

youtuberになったきっかけの話

ロッキン・ライフの中の人(以下、ロキ中):なぜセゴさんは動画をあげるようになったんですか?

セゴリータ三世(以下、セゴ):動画編集が元々好きで、友達同士の旅行とかで友達に見せるだけの編集をしてたんですよ。それで友達とかには面白いよとか編集上手だよと言われたんで、それを第三者に見せたらどういう風になるのかな(って思ったのがきっかけ)。でも顔出しするのは嫌だなっていうので、あのゴリラになったっていう。

※セゴリータ三世は、今では顔出しをして番組配信しているが、当時はゴリラのマスクを被っていたのだ。

ロキ中:それがいつの話なんですか?

セゴ:2014年ですね。

ロキ中:元々、色んなこと(音楽以外のネタも)を上げられていたんですよね?音楽関係の動画で、最初に撮った題材はなんだったんですか?

セゴ:んーとですね、そもそも、どうすればYouTubeで見られるかとかも手探りだったんですよ。まずは撮る、撮ってそこから編集ってことで、最初のうちは5、6時間使っちゃうので、やっぱり家族との時間がなくなっていくのがあって、けっこう妻と喧嘩することも多かったりして、辞めようかなって思ったんですよ。

ロキ中:そうなんですね。

セゴ:結果も出ないし、やってても辛さの方が強くなって。でも、もっかい家族と話したり、カズさん(レビュアー系の大手YouTuber)がもうちょっと頑張ってみたらって初めてメッセージをくれたりして、もう一回がんばろーってなったときに、1回やめようと思った身だから、なんでもいいやと思って、言いたいことを言ってやれって思って、Hi-STANDARDの難波さんと横山さんの差がついてしまったのはなぜなのか?っていう動画を出してバズったんですよ。それがきっかけですね。

ロキ中:もともとハイスタとかそっち系が好きなんですか?

セゴ:んー。きっかけがそれであって、全然メロコアとかパンクにこだわっているわけではないんですよ。

ロキ中:そうなんですか?

セゴ:最初に(フェスに)行ったのはフジロックで、ハイスタ目当てでもちろん行ったんですけど、そのあとに Underworldを観たりとか、Rage Against The Machineを観たりとか。Green Dayもちろん好きだけど、Coldplayも好きだしRadioheadも好きだし、洋楽も聞くし邦楽も聞くし。パンク好きっていうイメージがついちゃったけど、全然こだわりはないです。あえてこれしか聞かないってやるのは、(動画配信者の)ジャンルとして特化できるけれど、人生損している気がしません?

ロキ中:確かにそうですね。

セゴ:(今でも)俺が知らないものを聞いたら、うわあーすげえーってなって、人生が変わっちゃうんじゃないかって、そんなバンドがいるんじゃないかってずっと思ってて。それこそハイスタを聴いたときとか(そうだったし)。そういうのを見て人生がもう一回変わるかもって、常にそういうのを探して聴いている。衝撃がほしいっていうか。いつまでもガキのままでいたいとかっていうか。

ロキ中:なるほどですね。

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ロックフェスの話

ロキ中:(セゴさんが初めて行ったフェスって)フジロックですよね?

セゴ:そうですね。で、フジロックの最初の年の1999年って、フェスって言葉がまだなかったんですよ。「ロックフェスティバル」っていうふうに言ってて。フェスって何年くらい前かな、略しはじめたの。

ロキ中:・・・。(自身も熟考するが、答えは見つからず、無言)

セゴ:(行くことになったきっかけは)ロックフェスティバルが苗場で行われるっていうのを音楽雑誌かファッション雑誌のsmartかなんかで読んだんですよ。こんなちっちゃい記事で。当時の世間を賑わせているバンドがたくさん出るよ、山奥でやるからってなって。で、先輩に誘われて、行ってみよっかって感じで。

ロキ中:ふむふむ。

セゴ:ただ、運営の人もやり方をまだ知らないし、手探り感もすごかったし、今みたいにステージがたくさんあったりとか出店がたくさんあったりとかするわけじゃなくて、本当に純粋にバンドが出て、山の中でやって、ハッピーっていうそれだけだった。

ロキ中:ふむふむ。

セゴ:あれが最初だからロックフェスってすげーなっていうか。良い意味でも悪い意味でも。低音が腹に響く感じとかはすごい衝撃で、ぶわーって鳥肌がたって、こんなすごい世界があるんだって思ったんですけど、そのあとに大雨が降ったりとか、すっげー夜寒かったりとか。7月なのに。

ロキ中:うわあー。

セゴ:当時なんか高校生だからお金もないから、鈍行で新潟まで行って、それこそ6時間くらいかけて。(で、帰りは)電車がないからその辺で野宿とかしてて。野宿してたら、スタッフの人に怒られたりとか。

ロキ中:時代を感じますね。

セゴ:そうですね。まず、HOW TOもないからね。今はフェスってこういうものですって、ネットで検索したら記事が山ほど出てきて、雑誌でも特集しててってなるけど、当時は何もなかったから、それこそ大変だったな。自分たちで考えながらで。長靴で行ったほうがいいのかとか、スニーカーの方が楽なんじゃないかとか、長袖シャツは必要なのかな、いや邪魔になるんじゃないかとか、そんな感じだった。

ロキ中:ふむふむ。

セゴ:当時は運営の人たち、なんかすごい手探りだったな。すぐ演奏が中断されたりとかしてたし。あと、転換にものすごい時間がかかっていたし。45分とか待ちましたもん。

ロキ中:へえ〜。

セゴ:今じゃ考えられないんだけど。今はほら、2ステージ制があったりとか。こっちで演奏している間に、こっちで転換のあのステージのアンプを組んで、(となりのステージのライブが)終わったら10分後ぐらいに、はいスタートとかあるじゃないですか?

ロキ中:そうですね。

セゴ:でも、当時は(そういうノウハウが)ないから、ほんとに時間がかかった。時間をつぶすっていうことだけは覚えましたね。テトリスしたりとか。

ロキ中:(笑)

セゴ:でも、2006年とか7年くらいから、すっげえ早くなったなー。向こうの運営も転換が短くなれば、アーティストをいっぱい呼べるからその分の収益を見込めるっていうか、観客動員を見込めるから、どんどんどんどん早くなってたんじゃないかなあと思うんです。その辺の技術も発達していって。

ロキ中:ロッキンは本当に変わりましたもんね。

セゴ:昔は(ロッキンでも)ダイブとかしましたよ。Dragon Ashのときとかはもう、すっげえ後ろの方からダイブしても余裕で前に行けたし。地蔵がいるじゃないですか。そんなのしなくても、後からダイブして前行ったらいいやんっていう感覚だった。

ロキ中:なんでこんなに変わっちゃったんですかねえ。

セゴ:今ってSNSが発達しているからね。だって、きません?フェスのマナーについて書いてくれとか。

ロキ中:あー。

セゴ:なんか行った人がすごい嫌な思いとかしても、発信力っていうものを持ってないから代わりに言ってほしいっていう意見とかもすごいいっぱいもらって、僕も動画にしたりとかするんですけど、でもな〜って思ったりもする。基本、自由だしなぁと思ったりとか。

ロキ中:確かにある程度は自由であるべきですもんねえ。

セゴ:DEAD POPみたいに、ダイブできますよというゾーンと、ファミリーゾーンがああいう風に分かれてるっていうのが、一番平和なのかなって思いますけどね。まああれが自由かって言われるとちょっとわかんないですけど。

ロキ中:人が多くなると、ルールを作って線引き作るしかないですもんね。

セゴ:そこがね、何とも言えないなぁって思ったりもするんですけどね。

ロキ中:ところで、セゴさんは今年、何のフェスに行くんですか?

セゴ:今年は三つはしごします。ロッキン、フジ、サマソニ。

ロキ中:なるほど。(うわあーすげえ。いいなあ。羨ましい)

セゴ:でも、ライジングサンは行ったことないんですよ。

ロキ中:そうなんですか!!!!?????(おおおおおおお。俺は行ったことあるぞぉぉおおぉぉ〜〜!!!よぉ〜し!!ここはマウント取ってやるぜ!!!!!)

セゴ:そうなんですよ。

ロキ中:僕ね、行ったことありますけど、ぜひ行くべきですよ!!!!!!!めっちゃ良いですから!!!!めっちゃ環境良いですしね!!!!!今年はナンバーガールとかも復活しますしね!!!!!(以下、ロキ中によるライジングサンのプレゼンを数分間披露することになるが、内容があまりにも蛇足なので、カットします)

セゴ:あ、そうだ。復活すると、大手のバンド、トリ取りがち問題、どう思います?

ロキ中:む?

セゴ:例えば10年間休んでて復活したら、そのバンドがトリを取ったり、トリ前とかですぐいっちゃうんじゃないですか?その10年の間、頑張ってきたバンドがいっぱいいるのに。それについて訊きたいなーって。

ロキ中:あーなるほどですねー。それでいうと、話はちょっと違うんですけど、今年のロッキンのトリってベテランばかりですよね。もうちょっと、若い人をフックアップする方が、シーンとしては健全なんじゃないかなあという気はします。

セゴ:確かに集客っていうビジネスのことを考えると、3、40代ぐらいの人が聞いているであろう音楽をトリに持ってきた方が入ると思うんですよね。(その世代の方が)お金の自由が利くし。子育てとかに一段落したらまあフェスに来れるっていうのもあるし。音楽から離れた人たちが戻ってきて、俺の青春カムバックみたいな。ただ、おっさん達だけが喜ぶフェスを作ってもしょうがねえなっていうのがあって。

ロキ中:それは思いますね。

セゴ:サタニックはフォーリミがトリを取ったんじゃないですか。あれは俺、ありだなって思った。

ロキ中:そうですね。ただ、個人的にはフォーリミとかWANIMAも、それなりにキャリアを積んだ中堅だと思っていて、それを若手って表現しちゃうシーンはどうなのかなっていうのはありますけどね。

セゴ:ちなみに海外でもこれ、同じらしいですよ。今まで止まってたバンドが出ます、復活しますってなると、そのバンドがトリを取っちゃう。そのバンドの顔色をうかがっているのもあるのかもしれないけど。

ロキ中:そうなんですね。

セゴ:フェスに出るメンツも一緒になってきちゃったりとかして、なんかそろそろ転換期なのかなって思っちゃいます、個人的には。

ロキ中:フェスはちょっと多すぎますもんね。で、ある程度人を集めようと思ったら、どうしても呼べる人が決まってきますもんね。

セゴ:そうですね。

ロキ中:あと、今フェスに行く子たちって、1個のバンドのためにフェスに行くみたいな人が多いんですよね。元々フェスって、色んなバンドを見ましょうみたいなところがあって、色んなジャンルの人をばーっと並べてて、全体を見たら色んな人を見れて楽しいですよ、みたいな感じだったけど、今はもうハナからこれだけは見る、これとこれは知っているから見るかもだけど、他は知らないからそもそも見ないみたいな人が多くて。だから、フェスに行ってもあんまり広がらないというか。だから、京都大作戦とかサタニックみたいなタイプのフェスが人気で、母数も多くなるのかなーって思ったりしています。

サブスクの話

セゴ:そういや、この前、初めてサブスクを使ったんですよ。

ロキ中:どうでした?

セゴ:ほんと俺、CD派なんですよ。CD好きだから別に必要なかったの。でもね、使ってね、うわあすげえーって思った。逆にね、うわあーって思ったのと同時に、どうしよって思ったの。一枚アルバムがあったら擦り切れるまで聞いて、おれ、どういうふうに感じたかなっていうのをやってたけど、サブスクは(曲が)ありすぎて、すごい変な気持ちになった。便利だなって思う反面、聴き込むんだろうかって。

ロキ中:なるほどですね。ただ、今って色んな音楽を簡単に聴ける状況でありながら、みんなそこまで広げて聞こうとしないんですよね。好きなものしか聞かないっていうか。それが不思議だなーって。

セゴ:んー。昔はさ、CDを貸してくれる友達、先輩とかいたじゃないですか?

ロキ中:あ〜。

セゴ:なんかそういうことをして広がってたんじゃないかって思うんですよね。でも、今はスマホで、一人で完結しちゃう。

ロキ中:確かにそうですね。

セゴ:だからこそ、もやもやしている、もっと良いバンドがいるんじゃないかって思っている人とか、たくさんあって何を聞いたらいいかわかんないっていう人が、ロッキン・ライフさんの記事を読んだりとか、俺の動画を見たりとかっていうのが、あるんじゃないかなって。

ロキ中:なるほどですね。

この先の夢の話

セゴ:おれ、セゴフェスやりたいんですよ。本当にやりたい。

ロキ中:ほう。

セゴ:自分のインフルエンサーとしての力がどれくらいなのか知りたいし、カオスにしたいんですよ。俺のチャンネルってけっこうごっちゃで、18歳くらいの子から60歳くらいまでいるんですよ。すっげぇ広い。チャンネル中ですら色々カオスなのに、現実世界もカオスだったらすっげえ面白いのにっていうのがあるんですよね。

ロキ中:ふむふむ。

セゴ:あとは、開催地の地域の人と協力して(やりたい)。出店もそうだし、今フェスの転換の時って、(その土地のことは)特に何も流れないじゃないですか。なんかそこの土地でこういうやってんだよっていうのを地域と連携してやっててもいいのになって思うんですよね。その土地土地で、頑張っている人たちがいたり、農作物とかもそうだし、企業とかもそうだし、そういうふうにやっている人たちもいるぜっていうのをもっとPRしていってもいいのになって俺は思っています。それでごっちゃになれば、それこそロック好きだけじゃなくて、その地域のものを知りたいからフェスに来るっていうのもありだなって。そういうのをやりたい。セゴフェスでは。

ロキ中:いいですね!他には何か野望とかありますか?

セゴ:やりたいことをやりたいですね。今まではなんというか、セゴリータ三世の存在感を出すのにすごい必死だったんですけど、それはある程度超えたのかなって。MusicFM問題でバズって知ってくれた人もいますし。昔に比べると、ちょっと自由になったんですよね。例えば、こういう対談をしたいなってなったとき、昔なら知らねーよっていう風に思われたけど、今は叶うことがすごく増えたんですよ。企業に対してもそうだし、バンドに対してもそうだし。なので、もっとなんかいろんなことをポジティブに楽しんでいきたいな、と。それこそフェスをやってみたいっていうのもそうだし、まだ新商品として発表されたばかりで、誰も手元に持ってないものを俺が一番最初に触りたいとか(もある)。あと、月にも行きたいですね。

ロキ中:月!良いですね!!!そして、セゴフェス、ぜひ楽しみにしてます!

セゴ:日本はこれからオッサンオバサンの国になるけど、楽しい事はまだまだできるんじゃないかなーって思うんですよね。俺は本当にそう思っています。

まとめ

ここには記さなかったこともあるが、単なる音楽の話から日本の未来についてまで幅広いお話をさせてもらった。

一言で総括するには難しいくらい多岐にわたるお話をしたし、ここに掲載していない内容でも面白い話がたくさん聞けた。(なら、それを書けよって話だけど、少し散漫になるので、一部割愛させてもらった)

とりあえず、話を聞いて思ったのは、行動することの大切さ。

面白い情報発信をしている人って、ちゃんと足を使ったり、お金を使ったりして、情報を取りにいっている。

だから、発信する情報が面白いだなって思ったのだ。

その辺のYoutuberの動画がつまらないのは、その辺のブロガーの記事が読むに足らないものなのは、発信している情報が、足も使わず、お金も使わず、ネットで落ちている無料の記事を切り貼りしただけの、お粗末なものであるケースが多いからだ。

セゴさんの話が面白いのは、その逆なのだ。

足を使った体験の話だったり、お金を使った生の情報だったりする。

そのことを改めて実感したのだった。

なので、自分がこれから情報発信したいという人は、そういうことを意識しておくことが大事だと思うし、僕自身もそういう貴重な気づきを与えてもらえたのだった。

とりあえず、今は近い将来、開催される予定のセゴフェスが、楽しみな次第。

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