2018年もたくさん良いアルバムがリリースされたが、この記事では個人的にグッときたアルバムをランキング形式で紹介していきたい。
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なお、この順位は完全なる個人の主観なので、なんであのアルバムは、このアルバムより下なの?ムキーッ!ってなる人もいるかもしれないが、「まあ、こういう見方もあるか」と軽〜く受け止めてもらえたら幸いです。
なお、このアルバムランキングは「基本的に」邦楽と呼ばれる作品のランキングとなっております。
それでは、早速行ってみよう。
21位〜11位
21位:ヤバイTシャツ屋さん「Tank-top Festival in JAPAN」
やめろやめろやめろやめろ。
もうこの記事は9割くらい書ききっていたのだ。
12月にリリースされた星野源のアルバムを締め切りにして、星野源のアルバムの感想だけをプラスして書いたら、この記事を完成させてアップしようと思っていたのだ。
なのに、ヤバTが余計なことをしてきたのだ。
こんな普通に良いアルバムリリースしてきたら、スルーできないやん。
というわけで、この記事のラストレビュー(?)をただいま書いているんだけど、これだけは間違いなく言えるなーっていうのがあって。
ヤバTの音楽体験って、他のバンドには置き換えられないよなーと。
それは歌詞がユニークとか全体的にユーモアがあるとかそういうことだけではない。
例えば、キャッチーなメロディーとゴリゴリなロックサウンドのバランス感とか、コーラスの入れ方とかにもヤバTでしか味わえない「良さ」がはっきりとある。
ヤバTの歌って、ウケてるフェスバンドっぽく、「おい」とか「いえーい」みたいな、合いの手みたいな掛け声をサビに入れがちだけど、その入れるタイミングが絶妙で、すごく気持ち良くヤバTの音楽に酔いしれることができる。
あと、こやまとありぼぼのツインボーカルが本当に良い味を出している。
こやまメインのサビの歌と、ありぼぼメインのサビの歌が、良い感じにアクセントになっているし、二人のハモリも絶妙的だと思うのだ。
あと、アルバム全体の話をするならば、しっとり系の曲と盛り上がる系の曲のバランス感もちょうど良い。
「かかとローラ」の最後とか、無駄に最後ハンドクラップになって終わるけれど、そういう一曲中における起承転結のバランス感もちょうど良いのだ。
あと、絶対に歌詞に載らなさそうなフレーズをメロディーに載せる感覚も天才的だと思うし。
ヤバTって舐められがちだけど、かなり音楽的にレベルの高いことをやっているんじゃないかなーと思ったりする。
個人的には「リセットマラソン」が推し曲。
ってか、順位で言うと21位なのにべた褒めすぎん?ベスト3の曲かよって言うくらい褒めてへん?褒めすぎちゃう?大丈夫?ってか、俺のノリが大丈夫?????
20位:Sen morimoto「Cannonball!」
京都出身、シカゴ在住のマルチ演奏家のマルチ演奏家による1stアルバム。
幼少期には渡米していたため、実質、このアーティストは邦楽というよりは洋楽の枠に入れておくべきなのかもしれないが、個人的にはこのアルバムランキングに入れておきたい作品だったので、ランクインさせてみた。
ジャズ、ヒップホップを両輪とする不思議なアルバム。
サックスの音が鳴り響くこともあれば、まくしたてるようにラップをすることもあるこの作品。
日本にあるラップものやインディー系と比較しても、一味も二味も違う独特さを感じさせる。
ちなみに、僕はアルバムタイトルにもなっている「Cannonball」を聴いたとき、なにこのラッパー!!!めっちゃかっこいいやん!!!新しい感じするし!!!
小袋成彬なんかもそうだし、さっきのヤバTの話とも繋がるけれど、他のアーティストとはまったく違う音楽体験をさせてくれるアーティストのアルバムだと、個人的にグッときたりするなーと思う。
とりあえず、アルバムのタイトルにもなっている「Cannonball」をおススメしておきたい。
19位:イヤホンズ「Some Dreams」
このランキングはアルバムというパッケージで見たときにどれほどドキッとしたか、というのが大きな評価軸になっている。
そういう評価軸で考えた時、僕はイヤホンズのこのアルバムを無視することができない。
声優という、声で物語を紡ぐ職業の3人の女性によるユニット。
収録されている楽曲は全て物語仕立てとなっている。
軽いノリでアルバムを聴き始めたら、途端にイヤホンズの謎の楽曲世界に引きずり込まれるのだ。
音楽そのもので物語を紡ぐ驚きを与えてくれるこの作品。
単にアルバムが物語調に進んでいくというだけでなく、3人しかいないはずなのに、もっとたくさんの登場人物が出てきているような気がする各声優陣の声の表現力は圧巻という他ない。
あと、純粋に曲も良いし、怒涛の展開をみせる曲も多くて、ヒャダインがメインで曲を書いていた頃のももクロを聴いているような、ジェットコースター感もあったりする。
個人的には「一件落着ゴ用心」が推し曲だったりします。
18位:w.o.d「webbing off duckling」
このアルバム、全曲一発撮りというキチガイアルバムなんだけど、だからこそ、ドキュメンタリー感があるというか、アルバムの空気そのものがパッケージされているようなヒリヒリの緊張感を覚える。
ギターリフがいちいちカッコよくて、ロックの衝動をビンビンに感じるアルバムになっている。
グランジと言うジャンルで考えたら、飛び抜けた変化球はないんだけど、不思議とどこか新しさも感じさせる部分もある。
多分、それはボーカルの声がすごく良いからだ。
どう形容したら良いのかわからないんだけど、このボーカルだからこそ、この音に完璧にハマっているのだ。
個人的な推し曲はアルバムのど頭に収録されている「Fullface」である。
聴いて3秒でわかるもん。あ、これかっこいいやつだって。
17位:Mom「PLAYGROUND」
また一人、天才が出てきたわー感のあるこの作品。
21歳でトラックも一人で作っちゃうデスクトップ系ラッパーなんだけど、なんとこの作品、Mac用のアプリであるGarageBandと、iPhoneのフリー・アプリですべて制作したらしい。
エグい……。
ギターや鍵盤のような生楽器と、ヒップホップとかトラップ以降のビート感覚をごちゃ混ぜにしたサウンドが他の音楽にはない独特の世界観を生み出している。
肉声とオートチューンの両方使いこなすことで、より楽曲は独特の様相を帯びていく。
平たく言えば、ラップものになるんだけど、単なるラップものには留まらない奥深さを感じるというか。
「タクシードライバー」が推し曲なんだけど、メロの展開から考えたら、こんなサビを迎えるなんて!という驚きに満ちた快作で、この一曲を聴くだけでも彼の独特の音楽感性を堪能することができる。
「スカート」のイントロも面白い音をぶち込みまくっているので、できれば、トラックも聴いてみてほしいアルバム。
16位:Maison book girl「yume」
幻想的な世界観で構築されたコンセプトアルバム。
21曲と曲数にしたら少し多めだが、アルバムを聴き始めたらあっという間に1時間が過ぎ去る不思議なアルバム。
まあ、ブクガをプロデュースしているサクライケンタという人物がまあまあの変人ゆえ、面白い作品をブクガが歌うことになっているんだけど、ブクガに関しては映像と合わせて見る方が深みが増すと思うので、ぜひMVもみてほしいなーと思う。
ラストと1曲目がシームレスにつながっているとか、そういう実験性もあるけれど、このアルバムを聴いていると、本当に夢の世界に迷い込むような不思議な感覚を覚える。
ブクガの4人の歌声とサクライケンタの世界観が絶妙なまでに噛み合った傑作だと思う。
15位:マテリアルクラブ「マテリアルクラブ」
“ソロでもなくバンドでもなくユニットでもなくグループでもない”新音楽プロジェクト・マテリアルクラブ。
Base Ball Bear小出祐介主宰のこのプロジェクト。
このアルバムには制作パートナーとして、プロジェクトに参加しているチャットモンチー済の福岡晃子をはじめ、吉田靖直(トリプルファイヤー)、TOSHI-LOW(BRAHMAN / OAU)、岸井ゆきの、Mummy-D(RHYMESTER)、Ryohu(KANDYTOWN)、成田ハネダ(パスピエ)、谷本大河(SANABAGUN.)、高橋紘一(SANABAGUN.)といった多彩なアーティストがゲスト参加している。
いや、なんすか、小出さん。
色々やりすぎですよ????
それくらいに濃いし、ベボベの小出の音楽的素養の広さというか、「こんなこともできるのかお前は?」という驚きに満ちた作品になっている。
「閉めた男」とか「kawaii」のように、俺は今何を聴かされているんだ??と苦悩したくなる不思議な世界の楽曲もあれば、「告白の夜」のような割と正統派なバラード曲もある。
ちなみに、「告白の夜」は先ほど紹介したBRAHMANのTOSHI-LOWをゲストボーカルに招いた楽曲である。
ロックあり、ラップあり、打ち込みあり、その他色んなアンダーグラウンドな音楽に首を突っ込みつつも、最終的にはポップに着地させる小出の音楽的センス。
タイミング次第ではもっと上にランクインしてもおかしくないような作品だと感じる。
14位:Age Facory「GOLD」
アジカンなんかもそうだけど、余計な装飾をしないロックバンドの音の磨き方ってエグイ。
時に、それはとんでもない凶器になっていたりする。
Age Factoryもそういう類のバンドだ。
ただ、Age Facotoryの場合、その磨き方に容赦がないというか、他のロックバンドなら絶対こういう磨き方はしないだろうってくらい、自分の信じた音の磨き方をしている。
その結果、超ストイックなのに、超重たい音になっているという、摩訶不思議なすげえ事態に。
重たいから、ボーカルの声もズシリと載っかってくる。
言葉も音も重いのだ。
その辺のおっさんバンドよりも説得力のある言葉が投げ込んでくる。
小手先で味付けを変えているわけじゃないのに、アルバムごとに明確な成長具合を見せつけるAge Factory。
今作は、ただオルタナティブなだけでなく、そこにスケールの大きさも見せつけるのだ。
冒頭の「GOLD」は特にそういうスケールの大きさを感じさせるアルバムになっている。
ちなみに、アルバムのレビューは別に書いているので、良かったら読んでみてください。
13位:BRAHMAN「梵歌」
このアルバムに関しては、別に記事を書いたので、良かったら読んでほしい。
正直いえば、音楽的にダサいと感じる部分もあるし、うるせー感じのロックでいえば、例えばヘイスミとかtetoとかのアルバムの方が、聴いていて「気持ち良い」と感じることもある。
けれど、アルバムというパッケージで見ていくと、僕はこのアルバムがどうにも好きなのだ。
それは、このアルバムから歌詞に書かれている以上の物語を感じるからだと思う。
理由は前述した記事にも書いてるんだけど、要は音楽性とか純粋な曲の良し悪しを抜きにして、BRAHMANというバンドが大好きだから、このアルバムに大きな「物語」をみるのだと思う。
技術で言えば、もっと上のバンドがたくさんいる。
もっとキャッチーだったり、もっとノれるアルバムをリリースしているバンドだってたくさんいる。
けれど、バンドのアルバムの魅力って「それだけじゃない」。
そういうことを感じさせるアルバムなのだ。
一つ一つの楽曲は繋がっているわけじゃないのに、終わってみたら、まるで短編映画を見たような心地にさせるアルバム。
最後の「満月の夕」に至る頃には、不思議と胸にこみ上げるものがあるのだ。
12位:宇多田ヒカル「初恋」
2016年にリリースされた「Fantôme」は自分の中での年間ベストアルバムだった。
それはアルバムのクオリティーが高いこともそうだし、8年半ぶりのリリースというところに持っていかれた部分もあるのかもしれない。
だから、もし、このアルバムが8年半ぶりの宇多田ヒカルのアルバムとしてリリースされていたならば、安易にもっと順位を上げていたかもしれない。
ただ、前のアルバムが本当に良かったからこそ、「初恋」はまあまあかな、という評価をしてしまっている自分がいる。
ただ、宇多田ヒカルのアルバムって宇多田ヒカルじゃないと堪能できない要素が盛りだくさんで、普遍的なポップスにはない特殊さがある。
海外的な要素をJ-POPに落とし込むセンスは、色んなアーティストが出てきた今でも宇多田ヒカルのそれが圧倒的だし、保身に入らず、さらなるチャレンジをしているというか、常に一歩先を見据えていることは、このアルバムを聴いていてもよくわかる。
「初恋」というタイトルにもドキッとさせられるし。
だから、今だに宇多田ヒカルって不動のアーティストなんだよなーと思う。
11位:Mr.Children「重力と呼吸」
このアルバムのランキングを作る上で、自分の中での基準値がいくつかあって。
そのひとつがミスチルのこのアルバムよりも良いと思ったアルバムが何枚あるか?という考え方だ。
そう考えた時、ミスチルのアルバムは自然とこの位置になった。
バンドとしてのキャリアを考えると、すごく攻めているアルバムで、ミスチルが完全にバンドの音で勝負をしてきたなーと感じるアルバム。
もともとシングルとしてリリースされた「himawari」は昨年のシングルでも3本の指に入り、ミスチルの2010年以後のキャリアで考えても、5本の指に入る名曲だと思っている。
自分の中での大ボス感のあるシングルが収録されているこのアルバム。
ぶっちゃけ、桜井さんが事前に煽ってリリースしたわりには大したことないアルバムだなーと感じていたんだけど、他のバンドと聴き比べたりしていると、やっぱりミスチルの求心力ってすごいなーって思うのだ。
もう30年くらい活動していて、死ぬほどアルバムを出している。
それなのに、前の焼き直しじゃなくて、さらなる興奮を与えてくれる曲を平気で作るのだ。
このアルバムなら、ラストに収録されている「皮膚呼吸」。
この曲は、ミスチルの大ボス感が詰まった屈指の名曲で、ミスチルにしか作れない楽曲だなーと感じる。
まだまだ進化し続ける魔物のようなバンド。それがミスチルなのだ。
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10位〜4位
10位:ASIAN KUNG-FU GENERATION「ホームタウン」
個人的には、自宅のような安心感を感じるアルバム。
アジカンならこういうクオリティのアルバムになるのかなーという予想を、良い意味で裏切らないというか。
ギターロックを標榜するバンドは多いけれど、このテンポ感で、こういう佇まいで、ドキッとさせるのはアジカンだけだと思う。
他のバンドなら、もっと走りたくなるよなーという部分も、菩薩の心をもってして、スピードアップさせないどっしり感がある。
余計な音は入れず、リズム構成も、楽器のパートも基本的にはシンプルにすることで、音の重たさというか、ロックの重厚感みたいなものを強固にさせるのだ。
バンドが音に向き合いながら長いキャリアを積めば、こういうカッコいい音が鳴らせるんだぜ?っていうことを見せつけるようなアルバムで。
ロックというカテゴリーで、アジカンが本気で日本一を狙ってきたなーということを感じさせるアルバムだし、一曲一曲のクオリティから、アルバム全体の流れを含めて、非のつけようがないアルバムである。
9位:04 Limited Sazabys「SOIL」
正直、フォーリミのアルバムっていつも中の上というか、悪くはないけれど、もうひとつパンチがないと感じることが多かったんだけど、今回のアルバムはめっちゃ良い。
素直に推せる。
理由は下記の記事に書いてるので読んでほしいんだけど、このアルバムはアルバムとしての完成度が純粋に高いのだ。
フォーリミのやりたいことが明確で、だけど、リスナーのことも考えながら曲が作られている。
だから、聞いていて飽きないし、何度でも聴きたくなるのだ。
手垢がつきまくったジャンルのはずなのに、常に新しさを感じさせられるのは、フォーリミだから。
上の世代のバンドのひとつの最高峰がアジカンなのだとすれば、この世代のバンドのひとつの最高峰はフォーリミだと言える、そんなアルバム。
関連記事:最近のフォーリミがちょっとしんどい
8位:椎名林檎トリビュートアルバム「アダムとイヴの林檎」
このアルバムに関しては、Twitter上でけっこう感想を書いたんだけど、とにかくカバーを超えたカバーが多くて、自分の中でのベストディスクが何曲も存在している。
特に私立恵比寿中学の「自由への道連れ」は特にお気に入りの一曲で、原曲へのリスペクトがありながらも完全にエビ中の曲にしてしまっている凄さがあった。
本当に何回もヘビロテしていた。
それは理屈とか抜きにして、単純に自分のツボだったから。
いや、本当にね、収録されている一曲一曲がとにかくツボで、すんごく気に入ってるんです、このアルバム。
食わず嫌いでスルーしている人は、一度でもいいから聴いてほしいなーと思うアルバム。
カバーでしょ?どうせ椎名林檎の原曲超えられてないでしょ?と舐めているそこのあなた。
聴いたら一発でやられます。保証します。
7位:cero「POLY LIFE MULTI SOUL」
リズムの刻み方も楽器の使い方も他のバンドにはない魅力に溢れていて、バンド音楽ってこんなこともできるんだぜ!という刺激に満ち溢れたアルバム。
しかも、へんちくりんなビートなのに、それを人力で再現しているというのだから恐ろしいし、既存の音楽のフォーマットを塗り替えるようなエグさしかない。
アジカンやフォーリミは、出来上がったジャンルのなかでさらなる更新をはかったバンドなのだとしたら、ceroはそもそもジャンルがないところを切り込んでいき、新たなジャンルのバンド音楽を生み出してしまったようなタイプ。
しかも、ただのノリで「変わったことやってみました!」っていう、単なる実験性のある音楽を生み出した、というレベルでは片付けられない魅力を孕んでいる。
だって、過去の音楽と比較して○○っぽいと評価できない時点で、このアルバムの凄さがよくわかると思うのだ。
バンドでポリリズムをやりのけてしまうところがceroの凄さであり、バンドだからこその緊張感とグルーヴを生み出すことに成功したなーと感じる、そんなアルバム。
6位:中村佳穂「AINOU」
このアルバムも他のアーティストじゃなかなか体験できない音楽体験を与えてくれる。
ボーカルがすごく特徴的で、声の揺らぎや震えの部分にぞくっとするのだ。
ボーカルがただでさえ魅力的なのに、下地にある音は、生演奏とプログラミングが有機的に溶け合ったトラック。
独特のサウンドメイクされた音の上で、中村佳穂の魅力溢れるボーカルが載っかるわけだ。
そのバランスが絶妙で。
しかも、アルバム全体がカラフルなのだ。
普通、アルバムってジャンルを縛りがちだし、音の方向性は見えてくることが多い。
けれど、中村のアルバムは、そういう縛り方がされていない。
だから、アルバムとしての広がり方が豊かで、けれど、取り止めがないかと言えばそんなことはなくて。
通してアルバムを聴くと、きちんとジャンルみたいなものが見える。
でも、それは「ロック」とか「ジャズ」とか、そういう形式的なものではなくて。
あえて言葉にするならば、それは中村佳穂そのものみたいな、そういう類のもので。
あと、海を越えた匂いのする音楽なのに、きちんと日本語で歌われているところもポイントが高い。
あいみょんだったり、吉澤嘉代子だったり、魅力溢れる女性ソロアーティストは増えてきているけれど、中村佳穂も本気で推せる女性アーティストの一人だよなーとつくづく感じる。
5位:クリープハイプ「泣きたくなるほど嬉しい日々に」
正直もうクリープハイプはいいかな〜新しいアルバムに刺激なんて受けないかな〜なんて気持ちになっていたのに、いざニューアルバムを聴いたら中毒のようにハマってしまった。
クリープハイプは特に歌詞とメロディーセンスが良い。
実験性という意味ならceroの方が推せるんだろうけど、クリープハイプの良さってそこ以外の別にあって、クリープハイプが持つ魅力全てに釘付けになった次第。
ほんとソングライターとしての尾崎世界観って本当にすごいし、そんな尾崎世界観のセンスを存分に魅せているのは、クリープハイプというバンドだからだよなーと思うのだ。
極端なことを言えば、ceroみたいなバンド・志向だったら尾崎世界観の良さは出にくいわけで。
ここで褒めても安っぽい言葉になってしまうので、よかったらアルバム自体に対する解説はこの記事を別に書いているので、そちらを読んでみてほしい。
4位:星野源「POP VIRUS」
聴く前からわかってはいたのだ。
どうせ良いアルバムをリリースしてくれるんだろ?と。
でも、期待値だってそれなりにあるわけだ。
だから、身構えてしまう部分もあって。
で、いざアルバムを聴いてみると、やっぱり思ってしまうのだ。
やりやがったなこの野郎、と。
個人的に星野源の凄いところは、洋楽的エッセンス、サブカル的嗅覚をきちんとポップに着地させてしまうそのセンスだと思う。
あと、「恋」であれ「Familysong」であれば、誰も仲間はずれにはしないような、異常なまでの懐の広さみたいなものがあるのも星野源の凄いところだ。
だって、恋というタイトルで同性愛者のことまで想像を巡らせるアーティストなんてほとんどいないし、家族がテーマの歌で「血の繋がりもない家族」のことまで肯定して歌いきってみせるアーティストって星野源くらいしかいないと思うのだ。
しかも、そういうテーマを日本の最もポップスターに近い距離の男が歌いきってみせる、というところにすごく大きな夢をみてしまうわけだ。
ってか、こんなにマニアックなのに、知名度的にもセールス的にも「ど真ん中」でいる星野源、マジで半端ないよなーという話で。
そういう諸々も考えた時、ヤバTは21位だったけれど、星野源は4位にしてしまっていた。
いや、マジで今作も名作ですわ。年末できちんと聞き込みます。
以上、10位〜4位まででした
どうでしたでしょうか?
いやーほんと、ここまで長々と読んで頂き、ありがとうございます。
残すところはトップ3。
あのアルバムがまだ出ていない、このアルバムがまだ出ていない、色々あるかと思いますが、こうやってアルバムをいくつも並べていると、自分は基本的にはポップスが好きなんだろうなーと思うのです。
ってか、マジで2018年も良いアルバムがたくさんだったなーと実感するばかり。
くだらない雑談はこの辺にして、最後トップ3、行ってみましょう!!!!
どうぞ!!!
3位〜1位
3位:UNISON SQUARE GARDEN「MODE MOOD MODE」
もし上半期に一番気に入ったアルバムは何か?と問われたらこのアルバムを答えるかも知れない。
それくらいにお気に入りの一枚。
一曲一曲が単純に好きだからというのも理由の一つだが、このアルバムで推したいのは曲順。
リリース前も曲順が伏せられる、CDを手にしないと曲順がわからないという、面白い仕掛けをしたことで、ネット上では曲順バレという謎の概念を生んだアルバム。
でも、それだけ曲順にこだわったことがわかるアルバムで。
そのことについてはこの記事に書いてるので、良かったら読んでみてほしい。
ユニゾンも小手先でアルバムの色付けを変えるのではなく、メンバーごとのパートを進化させまくって、人力とは思えないクオリティーに到達したバンドだと思う。
で、ユニゾンの場合は、ソングライターである田淵がいい感じに捻くれているというか、捻くれているけどポップな感性もあるというか、そういう絶妙さがあるからこそ、他のバンドにはない着地になっていて、そこがグッとくるのだ。
今作は曲順が神だなーと感じたから、自ずとアルバムとしての評価も高くなった。
そういう次第。
「君の瞳に恋してない」が最大の推し曲です。
2位:RADWIMPS「ANTI ANTI GENERATION」
実を言えば、僕はそこまでRADが好きではない。
だから、この手のベストディスクにもRADをランクインさせたことはなかった。
才能はあるし、野田洋次郎は天才的だなーと思うし、大好きな曲はいくつかあるけれど、アルバムとして捉えるなら別のバンドの作品が好きだったのだ。
が、今回のアルバムは違った。
1曲目のインストから空気がヤバイ。
というか、ヤバイアルバムのインストを聴いているなーということが一発でわかるというか。
止まらぬドキドキ。次への期待が半端なくなる。
で、そこから怒涛の流れで繰り広げる色濃い楽曲の数々。
どの曲も他の曲とアレンジが違っているのに、どの曲も名曲と呼ぶに相応しいクオリティで、かつ、シングルもアルバムの中にきっちり溶け込んでいるというエグさ。
コラボ曲もちょくちょく入ってるんだけど、これがまた良いアクセントになっており、だからこそ、17曲という曲数ながらも最後まで緊張感を持って聴くことができるのだ。一切、ダレることがないのだ。
特に推したいのは、あいみょんとのコラボ曲である「泣き出しそうだよ」。
この曲が持つ、独特のエロさ。とにかくヤバイ。
そして、アルバムの最後を飾る、合唱曲である「正解」にたどり着いたときの境地。
やたらどでかい山を登山をして、ついにてっぺんにたどり着いたときのような視界の開け方。
いや、マジでこんな登山ですよ登山。たどり着いた景色が綺麗すぎて泣くやつですよ、こんなん。
もちろん、部分で部分も凄く良い曲なんだけど、この作品はぜひアルバムを通しで聴いてほしいなーと感じる次第。
純粋に名作だから。
1位:三浦大知「球体」
今年、アルバムというパッケージで一番のお気に入りといえば?そう問われたら僕は迷うことなくこの作品を選ぶ。
もうダントツですよ。ダントツ。
アルバムっていうパッケージで、こんなにワクワクすることがあるのか、こんなふうに「物語」を描くことができるのか、そんなワクワクに満ち溢れた作品だった。
しかも、各楽曲のクオリティが半端なく高い。
高いというか、未知の体験がすごいあって。
ランクインはしなかったけれど、「新しいものに出会った感」でいえば、折坂悠太なんかと同じくらいの衝撃具合。
海外の輸入物としての音楽ではなく、日本だからこそ生まれた日本の音楽という感じがすごくあって、それがより未知の体験感があったのだ。
そういう凄さ、魅力に溢れているのだ。
はっきり言って、このアルバムの「リスナー体験」だけは、本当の意味で、他のアルバムで代価することができない。
それまでは決して三浦大知がすごく好き!というわけではなかったが、このアルバムで完全に虜になってしまった。
ちなみに、このアルバムを購入すると、球体のライブ公演のDVDが付いていて、アルバムと同じ曲順通りに三浦大知の振り付けを見ることができるのだが、これがまたすごく良い。というか、魅せられてしまうのだ。
作品世界をより堪能できるようになるし、聴けば聴くほど発見があるアルバムなのだ。
キューブリック監督のSF映画を観ているような幻想体験をするのだ。「2001年宇宙の旅」レベルのSF体験もできるアルバムなのだ。
どういうことか?
そのリスナー体験を記事に書いたので、よかったら読んで頂けたら幸いである。
断言する。
このアルバムはマジのマジでガチ。まだ聴いていないなら、絶対に聴くべきである。
まとめ
というわけで、ざらーっと21枚並べてみました。
1位:三浦大知「球体」
2位:RADWIMPS「ANTI ANTI GENERATION」
3位:UNISON SQUARE GARDEN「MODE MOOD MODE」
4位:星野源「POP VIRUS」
5位:クリープハイプ「泣きたくなるほど嬉しい日々に」
6位:中村佳穂「AINOU」
7位:cero「POLY LIFE MULTI SOUL」
8位:椎名林檎トリビュートアルバム「アダムとイヴの林檎」
9位:04 Limited Sazabys「SOIL」
10位:ASIAN KUNG-FU GENERATION「ホームタウン」
11位:Mr.Children「重力と呼吸」
12位:宇多田ヒカル「初恋」
13位:BRAHMAN「梵歌」
14位:Age Facory「GOLD」
15位:マテリアルクラブ「マテリアルクラブ」
16位:Maison book girl「yume」
17位:Mom「PLAYGROUND」
18位:w.o.d「webbing off duckling」
19位:イヤホンズ「Some Dreams」
20位:Sen morimoto「Cannonball!」
21位:ヤバイTシャツ屋さん「Tank-top Festival in JAPAN」
ここに並べたアルバムは自信を持って推せるアルバムだし、アルバムというパッケージとして気に入った作品はどれ?と考えたら自然とこの20枚が出てきた感じ。
いや、なんであのアルバム入ってないねん!!!というツッコミは人の数だけあるかと思うし、泣く泣く削ったアルバムもあるんですけどね。
まあ、その辺はご了承頂けたら幸いです。
もしこのなかでまだ知らないアルバムがありましたら、ぜひ何らかの参考にしてもらえたら幸いです。
ではではではでは。
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