ついに行われたさいたまスーパーアリーナーでのライブ
[ad]
6月9日 日曜日 さいたまスーパーアリーナで、岡崎体育がワンマンライブを開催した。
彼が7年間言い続けた、「2020年までにさいたまスーパーアリーナでワンマンライブを開催する」という夢を実現した瞬間に立ち会うことができた。
今回は、それについての感想を話していきたいと思う。
さいたまスーパーアリーナのライブレポ
まず、登場からとにかくかっこよかった。
ステージ上に照らされた幕には岡崎体育のシルエットが大きく浮かび上がり、その胸にレーザーライトで「BASIN TECHNO」の文字が刻まれると、会場のボルテージはそれだけで最高潮にぶちあがった。
1曲目はこの日のために用意されたという「Overture」で、音量が最大になるとともに幕が下り、ステージの全容が露わになった。
しかしそこには、いつも通りの岡崎体育のマックブックのセットと、一人で歌い踊る岡崎体育の姿のみ。
アリーナ公演ということもあり、手の込んだスクリーンの演出もあったが、そこにいるのはいつも通りの岡崎体育だった。
2曲目は「Open」で、曲が始まった瞬間に一階席の観客が持つ「フリフライト」が一斉に鮮やかな光を放った。
私は四階席にいたのだが、上から見えるフリフライトが作る光の演出は、素晴らしい絶景を創っていた。
もちろん、アリーナ公演ならではのネタも多く用意されていた。
細すぎる花道、センターステージを飾るエノキ(キノコくさい)、スタッフに紛れる藤木直人など、いったいどうしてそんなことをしたのか、と突っ込まざるを得ない仕掛けが満載だった。
さらに、二部の最初では宙吊り演出、三部ではゴンドラで会場内を一周するなど、アイドル顔負けの演出は、観客も彼自身も大いに楽しんでいたように思う。(誰も知らない曲でゴンドラを回っていたため、ファンの反応がイマイチだったと彼は言っていた。)
既存の有名曲も多くやってくれたのだが、その中で記憶に残っているのは、彼のステージ上の唯一のともだちであるペンギンのてっくんと一緒に歌う「FRIENDS」だ。
この歌では、いつもはバンドへの憎しみを全面に押し出して「バンドざまぁみろ!」と叫ぶが、今回は、一味違った。
てっくんが「体育くんが本当はロックバンド大好きだってこと、もうみんな気付いているよ!」と言ったりして、もしかして、今日はもういつものざまぁみろはやらないのかな?と思ったが、「会場のみんなで盛り上がろう!」といったてっくんのフリで、いつも通り会場はバンドマンへのディスで溢れた。
彼のステージは、毎回微妙にネタが変わったりするので何回見ても飽きが来ない。そのアイディアはどこからでてくるのか、聞いてみたいところである。
今回の公演では、てっくんのメジャーデビュー曲である「フェイクファー」も初披露された。
個人的には、サビの「嘴が君の口紅で染まり」という歌詞がツボだった。ペンギンのてっくんという設定を活かしつつ「嘴」と「口紅」で韻を踏んでいるのは本当に天才的な発想だと思う。
そして今回は、普段のライブでやってこなかった名曲を多く演奏してくれた。
一番印象に残っているのは、「龍」の弾き語りと、今までライブで歌われてこなかった「エクレア」である。
「龍」では、珍しくキーボードが用意され、「普段あまりやらないんですけど、今日は弾き語りでやってみようと思います」と言うと、1万8000人が見つめる中、静かに曲が始まった。
今回のライブで、岡崎体育という歌手の歌の上手さを、改めて思い知らされた。失礼を承知の上で言うが、想像以上に歌が上手くて感動した。
最後の曲は「Explain」だった。
「いつかはさいたまスーパーアリーナで口パクやってやるんだ絶対」という歌詞を実際にさいたまスーパーアリーナで歌える人(しかも口パクで)なんて岡崎体育くらいしかいないと思う。
本番中、何度か衣装を変えていた岡崎体育だったが、歌詞にある通り、最後まで胸のBESIN TECHNOの文字は消えることはなかった。
すべての曲目が終わると「エクレア」をBGMに、岡崎体育は再度ゴンドラに乗り、観客ひとりひとりに手を振って回った。
会場がフリフライトの光に染まり、1万8,000人のファンが皆笑顔で岡崎体育を見つめる光景は、まさに“感動的なグランドフィナーレ”だった。
岡崎体育のライブを観て思ったこと
彼はワンマンライブやフェスに出るたびに、「僕は『言霊』というものを信じています。なのでここにも言霊を残していきます。」と言い、「2020年までにさいたまスーパーアリーナでワンマンライブを行う」ことを目標にしてきた。
初めはできるはずがないと多くの人に馬鹿にされていたことをMCで彼は言っていた。
だが、ついにその夢を叶えることができた。
これは、彼の言う通り「言霊」のもつ力と言えるのかもしれない。しかし、夢を叶えられた一番の理由は彼が努力をしてきたからだと私は思う。結果は後からついてくる、なんてよく言うけど、彼は自分の結果を自ら設定してその夢に向かってひたすら歩み続けたのだ。本当に努力の人だと思う。
夢を叶えた岡崎体育。私はお疲れ様、と声をかけたい。そして、一休みしたあとには、彼が私たちにまた新たな夢を見せてくれるだろうと信じている。
“いい曲はいい人と共に いい曲はいい人と共に いい曲といい歌はいい人といい場所で いい曲はいい人と共に”
関連記事:岡崎体育の「SAITAMA」にはオリコンチャート1位を取ってほしいと感じた理由
筆者紹介
都内の大学に通う普通の音楽好きな大学生。好きなバンドはUNISON SQUARE GARDEN、King Gnuその他たくさん。
[ad]