前説

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SixTONESが新曲「NAVIGATOR」をリリースした。

この記事では、表題曲となっている「NAVIGATOR」を中心に、SixTONESの楽曲の感想を書いていきたい。

本編

「NAVIGATOR」について

前作「Imitation Rain」はロック色が強いナンバー(というよりYOSHIKI色)が強いナンバーだったが、今作はダンス色が強いナンバーになっている。

まだデビュー2作目でありながら、とにかく完成度が高いナンバー。

イントロのストリングスが印象的で、歌全体に鋭い切れ味を感じる。

いわゆるアイドルと呼ばれている人たちの初期の頃の楽曲って、キャッチーさがあって、盛り上がればそれでいいやんという哲学のもと楽曲が構成されていることも多い。

なので、歌全体の難易度は低めで、みんながカラオケで歌ったりするような親しみやすさを持つことも多い。

が。

SixTONESのこの楽曲は攻めまくっている。

高いハードルを設定して、楽曲とパフォーマンスの質で魅了させてやるぜという意志を、イントロの時点で感じるのである。

ポイントのひとつは、Aメロ→Bメロ→サビの展開の替え方だと思う。

Aメロはスピーディな節回しでダンス・チューンらしい盛り上げの展開を作っていく。

この歌はアニメのタイアップということなので、ここで次にわかりやすいBメロを置いて、その盛り上がりを加速させていくのかと思ったら、Bメロで一瞬歌の表情が変わるのだ。

この展開の替え方が絶妙で。

たぶん、一旦ゴリゴリになっていた打楽器の音がBメロで一旦しりぞくから、歌のスピードが緩むような印象を持つのである。

聴いてみたらわかるけど、ここで一気にスピードと空気感が変わるのだ。

こういう展開の変え方って、中途半端にやってしまえば、中だるみになってしまう可能性がある。

Aメロでせっかくスピーディーな展開を作っているのだから、そのリスクはとても大きいものになっているはずなのだ。

ただ、SixTONESは見事のこのBメロを自分のものにしている。

尺で言えば、10秒ちょいのBメロであるが、ここで一旦空気を変えて、サビに向けて引き締めていくからこそ、サビの印象がぐっと上がるのである。

これは、SixTONESの歌に対するパフォーマンスのレベルが高いからこそ、為せる技のように思う。

ちなみに、このBメロ。

2番だとさらにもう一捻り加えられている。

ボーカルにエフェクトをかけて、人の声を打楽器のようにしてリズムを作るパートが挿入されるのだ。

声ネタで展開を作るといえば、米津玄師を頭に浮かべる人も多いだろうが、SixTONESの歌でもそういうフックを歌の中に盛り込んでいる。

しかも、この声ネタが完全に決まっているのだ。

声ネタを入れることで、楽曲の展開にさらにドライブをかけて、歌が単調になることを回避しているのである。

だからこそ、グイグイと歌が聴けてしまうし、歌の世界に引き込まれてしまうのである。

思えば、冒頭の、歌が始まる前のウィスパーボイスや、2番のサビが終わったあとの「あっは〜ん」のくだりの入れ込み方も絶妙だった。

そのどれもが、歌のリズムに良いアクセントを生み出している。

Aメロ終わりでも「いえーい」という掛け声が入っているが、SixTONESのこの曲は、とにかくこういうリズムのハネさせ方が絶妙なのである。

マジで、こういう細かいところを徹底的にこだわっているから、何度でも聴けてしまうのである。

当然、2番のサビ終わりのラップパートのアゲ方は言うまでもないし、SixTONESはとにかく声だけで楽曲のメリハリを作るのが上手い。

単なるダンスナンバーとは違うのは、そういう節々のパフォーマンスに現れている。

SixTONESだからこそ生み出すことができた、実に攻撃的なダンスナンバーであると、僕は思う。

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「JAPONICA STYLE」について

サウンドの音使いが素晴らしい。

イントロがずっと鳴っている弦楽器の音が印象的で、他にもDJスクラッチが聞こえたり、メンバーの声に適宜加工して遊んでいたり、実に聴きどころのある一曲。

JAPONICA STYLEというだけあって、ダンスナンバーに和のテイストを融合させているのが面白い。

お琴っぽい音をダンスビートにこういう形で落とし込むとは・・・すげえ・・・ってなってしまう歌なのだ。

あと、歌の展開が目まぐるしく変わっていって、一切飽きさせることなく、歌が進んでいくところは流石の一言。

きっと歌うのが難しいと思うんだけど、そういうスキをまったく見せずに最後まで走り抜けるのが圧巻である。

ライブで聴くと、絶対に楽しそうな歌である。

「光る、兆し」について

表題曲である「NAVIGATOR」はけっこうアッパーな楽曲である。

だからこそ、「光る、兆し」のミディアムテンポがぐっときてしまう。

テンポを落とせば落とすほど歌そのもの力が必要になってくるわけだけど、SixTONESはこういうメロ重視の歌でもぐっと心を掴み、聴かせてくれる。

この歌もBメロが印象的で、EDMっぽく打楽器の音が連打する場面がある。

で、ここがこの歌の「おっ」となったポイントなんだけど、僕はてっきりこのリズムに引きつられるように、サビはアゲアゲな感じになると思っていたのだ。

だが、僕の予想は外れる。

サビでは再びミディアムなテンポに戻して、きっちり歌そのものを聴かせるような展開に戻してくる。

で、ここのメロディーと、みんなの声が揃って溶け込む感じがとても綺麗なのだ。

本当に光の兆しが見えるようなハーモニーが生まれるのである。

Bメロで一旦予定調和を崩しているからこそ、サビの泣きメロが刺さるのかなーと思う。

歌の魅せ方が上手いし、その魅せ方が高いレベルで展開されているのは、SixTONESメンバーの表現力が高いからである。

つくづく思うけど、セカンドシングルでやるようなレベルじゃないよ。

ちょっと表現力が高すぎると思ってしまう。

まとめ

他にも「Hysteria」「You & I」「love u…」という歌がカップリングにあるんだけど、そのどれもカラーが違うのだ。

ダンスナンバーという共通点はあるけれど、R&Bっぽさがあったり、チルっぽさがあったり、メロウな感じがあったりと、歌の聴きどころが違うのである。

「Hysteria」はクラブとかDJイベントで鳴ってそうな歌で、良い意味でアイドル感がなく、完成度が高い。

「love u…」は大人な感じでうっとりさせられる歌で、メンバーのバラエティーの元気なイメージを頭に入れて聴くと、色気あるギャップに驚いてしまう。

つまり、トータルして聴くと、SixTONES、完成度高すぎでしょ、という話に行き着くのだ。

ほんと、末恐ろしいグループが今年デビューしたものだと、改めて痛感する。

一体、SixTONESはこれからどんな音楽世界へ僕たちをナビゲートしてくれるのか。

今はそれが楽しみで、仕方がない。

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