前説

スポンサーリンク

BUMP OF CHICKENの好きな歌を選ぶとなると、毎回選びきれずに死亡するというのが恒例となる。

そんな中でも、あえて今好きな歌を選ぶなら、どの歌か。

ぐっとくるフレーズはどのフレーズか。

そんなことを考えながら、いくつかBUMP OF CHICKENの楽曲を取り上げて紹介してみたいと思う。

「K」

手紙を読んだ恋人は もう動かない猫の名に
アルファベット1つ 加えて庭に埋めてやった
聖なる騎士を埋めてやった

この歌は、やっぱり最後のフレーズに痺れてしまう。

最後のフレーズがこの歌にまつわるすべての謎を回収していき、感動に集約していく。

いかに藤原がソングライティングとして、ストリーテラーとして優れているかがよくわかる一曲である。

歌詞という言葉が制約されている中でも、ここまで克明に物語を描けているのが凄いよなーと改めて思う。

「RAY」

◯×△どれかなんて 皆と比べてどうかなんて
確かめる間も無い程 生きるのは最高だ
あまり泣かなくなっても ごまかして笑っていくよ
大丈夫だ あの痛みは 忘れたって消えやしない

ある種の諦念を抱えつつも、それを希望に変えていく。

BUMP OF CHICKENの歌には、そういう凄みが備わっていると思っていて。

「RAY」は一見するとキラキラした歌だけど、色んな感情を抱えているBUMP OF CHICKENらしい一曲だと思う。

なにより、痛みの意味を見出し、その痛みを肯定しながらそこに<光>を見出すあり方がとても素敵だなーと何度聴いても思うのである。

「Butterfly」

涙は君に羽根をもらって キラキラ喜んで 飛んだ踊った
消えてしまう最後まで 命を歌った 量産型

一見するとキラキラした歌なのに、しれっと殺伐とした言葉を忍ばせる。

それが、BUMP OF CHICKENの楽曲の魅力のひとつだと思う。

「Butterfly」にはある<愛されなかった量産型>というワードもそういうテイストを感じさせて、なんだかぐっときてしまう。

悲しみと喜び、希望と絶望。

そういうものを表裏一体にして丁寧に描く藤原の眼差しが感じられて、好きなフレーズである。

涙のふるさと

会いに来たよ 会いに来たよ 消えちゃう前に来たんだよ

藤原は本来であれば、心がないものに対して感情を込める描き方がとても上手い。

「涙のふるさと」もそういう一曲だが、人ではないはずのこの歌の主人公がはっきりと<意志>を感じさせるのは、このフレーズをサビにもってきているからこそだと思う。

そういう意味で、このフレーズはある種の発明だよなーと思うのである。

こういうところを<リアル>に描くからこそ、人の内面の描き方も<リアル>なんだよなーといつも思うのである。

アルエ

白いブラウス似合う女の子 なぜいつも哀しそうなの?

エヴァが完結した今、エヴァがああいう結末を迎えた今、色んな意味でニヤリとさせられるフレーズ。

今にして思うと、こういうテイストの歌も美しく描けるところがBUMP OF CHICKENの凄みだよなーと思う。

スポンサーリンク

「ギルド」

愛されたくて吠えて 愛されることに怯えて
逃げ込んだ檻 その隙間から引きずり出してやる
汚れたって受け止めろ 世界は自分のモンだ
構わないから その姿で 生きるべきなんだよ
それも全て 気が狂う程 まともな日常

こういうセンテンスは藤原にしか描けない言葉だよなーと思う。

<汚れる>ということを肯定するフレーズ。

しかも単純なポジティブシンキングではなく、残酷だとしてもそれを受け入れろというところに強く胸をうつわけだ。

自分の自分のままで受け入れる俎上を与えてくれて、でも、それを過剰な賛美にしない冷静さもある。

だからこそ、BUMP OF CHICKENの歌は、たくさんの人に刺さったのだろうし、こういう視点は2021年のBUMP OF CHICKENにもきちんと継承されたら変わらない観点だと思っている。

「アカシア」

君の一歩は僕より遠い 間違いなく君の凄いところ
足跡は僕の方が多い 間違いなく僕の凄いところ

何気ないフレーズなんだけど、きちんと君の凄いところを述べたあとに、僕の凄いところを言葉にしているのが良いなーと思ったフレーズ。

どっちが偉いとかではなくて、二人とも同じ立ち位置である感が出ているのが良い。

ポケモンのタイアップだからこそ、この<同じ立ち位置>がより尊く響いている感がある。

「beautiful glider」

羽根の無い生き物が飛べたのは 羽根が無かったから
僕にはとても出来やしないけど 同じ生き物だ

BUMP OF CHICKENの歌って、ひとつのフレーズの中で相反する要素を扱うことがある。

その<相反>を使い方がどこまでも絶妙で、そのフレーズに触れるとたびに涙腺にぐっとくることがあるのである。

あと、羽根なんてなくても飛べることができる、というメッセージをこういうフレーズで表現してしまうところが良いよなーと思う。

「Stage of the ground」

飛べない君は 歩いていこう
絶望と出会えたら 手をつなごう
哀しい夜を越えて 笑おうとするなら
唄ってやるよ ルララ

君は君でいい。

BUMP OF CHICKENの歌って平たくいえば、そういうことを歌うことが多い。

ただ、その肯定の仕方と眼差しが、他のアーティストとはちょっと違うから、同じ内容を歌っていても響き方が全然違うのである。

しかも、絶対に安易なポジティブで語ってみせることはしない。

必ずネガティブなワードも使用して、<今の君>を肯定してみせる・

でも、そういう地表で言葉を紡ぐからこそ、フレーズのひとつひとつにぐっとくるのだ。

この歌も、そういう気持ちにさせてくれる一曲。

「望遠のマーチ」

絶望 希望
羽根は折れないぜ もともと付いてもいないぜ
いこう いこうよ

BUMP OF CHICKENの歌において、<羽根>の付いている主人公はほとんど出てこない。

何かしらの問題を抱えていて、何かしらの絶望を知っている。

それでも、そういう痛みを優しく包み込み、その人にしか紡げない希望をそっと授ける。

それは、昔の歌でも最近の歌でも変わらないこと。

だからこそ、人の数だけBUMP OF CHICKENの好きな歌は分かれるのだと思うし、好きな歌を一曲に選ぶのは困難な自体になってしまうのだと思う。

まとめ

こうやって過去の曲を総まとめにして聴いたあとに「流れ星の正体」をも聴くと、もっとぐっとくるんだけど、それはこの記事では割愛にしよう。

きっとこれからもBUMP OF CHICKENはBUMP OF CHICKENらしい素敵な歌を歌ってくれることを期待して、この記事を終えようと思う。

関連記事:BUMP OF CHICKENの「Flare」に対する素朴な感想

関連記事:BUMP OF CHICKENの変わったことと、変わらないものについて

スポンサーリンク

LINEで送る
Pocket