前説

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わりとしんどい日々が続いている。

ならば、せめて音楽くらいは元気の出るものを聴きたい、っていうのがある。

「元気の出る音楽」って人によって微妙な違いがあるだろう。

昔のベッキーみたいなテンションにこそ元気をもらう人もいれば、逆にそういうのは「元気の押し売り感」が強くて逆にダメージを受けるという人もいる。

amazarashiのようなある種の暗さを宿した歌にこそ元気をもらうという人もいるだろうし、そこの感覚は千差万別だと思う。

が、いわゆるポジティブな歌詞を使って、ポジティブな元気を与えることと、ネガティブな感情を撒き散らすことで逆に元気を与えることの両方を同時に行うことができる稀有なバンドが一組いるのだ。

BUMP OF CHICKENである。

この記事では「元気づけてくれる」の観点から、BUMP OF CHICKENのことを書いてみたい。

肯定することで元気を与えてくれる歌

BUMPの歌って、自分の奥底にある自己肯定感を喚起してくれる、みたいなところがある。

「ray」なんかはその筆頭だと思うんだけど、本来ならネガティブであり切り捨てられるようなものにもきちんと意味を見出し、今の自分そのものを肯定するような眼差しを与えることで、元気づけてくれる。

平たく言えば、ポジティブを使って元気づけてくる作法である。

応援歌の常套句である「がんばれ」というワードは決して使わない。

でも、込み入った表現から、シンプルなワードまで手広く歌詞に織り交ぜるころで、多くの人に“勇気”を与えてくる。

特に近年のBUMPはそういう要素強くなっているのかなーと思うし、藤原の声がそういう温かみのある歌詞と親和性が強いのだ。

ってか、年々、声質が柔らかくなっているのは本質的に「優しさ」が内在化しているからだし、肯定的な眼差しを持って歌と向き合っているからなのかな―なんて思ったりするのである。

ネガティブだけど元気を与えてくれる歌

BUMPの歌ってわりと辛辣な言葉を使う歌も多い。

特にアップテンポの歌だと、そういうテイストの歌が多い。

「才悩人応援歌」や「モーターサイクル」なんかはその代表だろうし、「Hello,world!」もわりとそういうテイストの歌である。

<死>とか<からっぽ>とかわりと辛辣なワードが出てくるし、最終的にはポジティブに帰結するけれど、歌われていることの大半はわりとネガティブ寄りである。

でも、そういうネガティブもきちんとさらけ出すからこそBUMPの歌は刺さるのだろうし、光ではない側面にもきちんとスポットを当てるからこそ、そういう人も救われるというか、元気を与えてくるのだろうなーと思うのだ。

光と闇。

曲によって、ふたつの側面をたくみにスポットを当てる。

BUMPというバンドが、「天体観測」以降、必ずしも大きな話題曲を生んだわけでもないのに(ここに関しては人によって捉え方があるだろうが、他のドーム級のバンドに比べると、突出した代表曲はないイメージ)、未だにたくさんの人に支持されているのは、ここにあるのかなーと思っていて。

ポジティブな元気の歌も、ネガティブな元気の歌も歌ってきたこと。

だからこそ、たくさんの人の勇気を与えるきっかけになったこと。

ここが大きいのかなーと改めて思うのである。

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隠しトラックも含めると、「元気」の方向性はさらに広がる

BUMPの作品には隠しトラックがあることをご存知の方はたくさんいると思う。

A面の歌ではかっこよく決めているのに、隠しトラックではスキをみせまくっており、国民的なバンドの称号を手に入れたあとでもそのスタンスだけは変えずにいる。

この等身大感というか、素朴な感じというか、そういう一面を楽曲に仕込んでくることで、与えている元気というのもあるのかなーと思っていて。

ふつうドーム級のバンドってかっこいいのが当たり前だったりするし、良くも悪くもアーティスト然とすることが多い。

でも、BUMPは違う。

なんというか、いまだに「スキ」がある。

隠しトラックには、そういうスキがダダ漏れになっている。

だからこそ、前述したような光の歌詞も闇の歌詞も等身大のものとして受け止めることができるし、つまりは元気を与えてくれることになるのかなーなんて思うのだ。

まとめにかえて

何が言いたいかだんだんわかんなくなってきたけれど、BUMPはいろんな人の感情に良い感じに刺さるし、どんな振り方をしていても、今の自分の気持ちに重なる歌がちゃんとあるんだよなーと思うのだ。

今は元気な歌はちょっとってときには、ネガティブ寄りの歌がちゃんとあって、そういう心に寄り添ってくれるし、「がんばれ〜」に近い言葉がほしいんだよなーというときは、そういう心情に重なる歌もきちんとすでに歌われていて・・・みたいな。

結論。

“元気を与えてくれる”という尺度で考えたとき、BUMPの歌ほど汎用性の高いものもないよなーという話。

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