前説

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SixTONESは邦ロック好きにも刺さるアーティストだと思っている。

理由はいくつかある。

例えば、表現力豊かなボーカルから繰り出されるハーモニ。

これは、SixTONESの大きな魅力のひとつだと思う。

あるいは、リズムをのりこなメンバーのビート感。

これもまたSixTONESの大きな魅力のひとつだと思う。

あるいは、ジャンルを超えたサウンドメイクにも、定評がある。

これは表題曲だけではなく、カップリングなども聴いて強く感じるところである。

何にしても、音楽的に「刺さるポイント」が多いわけだ。

というわけで。

いわゆる、好きな音楽ジャンル的に違う界隈の人でも、SixTONESの音楽って刺さりやすいんじゃないかなーと思っているのである。

そんなSixTONESが、疾走感のあるロックビートが印象的なナンバーをリリースしてきた。

「NEW ERA」である。

そこで、この記事では「NEW ERA」のことを書いてみたい。

本編

疾走感のあるビート

今作を聴いて一番最初に感じたのは、疾走感のあるビートの気持ちよさだった。

あまりにも疾走感があって、曲を聴き始めるとあっという間に終わってしまう。

比喩ではなく、本当に妙な引っ掛かりがなく、最後まで気持ちよく聴ける歌なのである。

ただ、単にスルッと終わってしまうスルメ曲かといえば、そんなこともなくて。

疾走感のある中でも、メリハリとエッジが効いた楽曲になっていて。

というのも、今作はアニソン主題歌ということもあって(まあ、前作もそうだったんだけど)枠の中での展開に切れ味に鋭さを覚えるのだ。

どういうことか。

アニメ主題歌ということは、基本的には尺ありきで楽曲を作るわけだ。

どんなアニメのオープニングテーマも、だいたい1分くらいなものである。

その中で起承転結を作り、作品のワクワクを増幅させるような「期待値」を挙げる必要がある。

しかもそれぞれのパートごと(Aメロ、Bメロ、サビという意味で)尺もきっちり決まっている。

その中でも、サビが一番に輝き、大きな盛り上がりを作る必要があるわけだ。

何が言いたいかというと、ある程度制約がある中で、それをどう輝かせていくか、みたいなところがアニメ主題歌は重要になるということ。

で。

そう考えた時、SixTONESの今作は、制作された枠の中でのメリハリがあまりにも美しく、ドキドキさせられるような構成になっているよなーと思うのである。

イントロベースではメンバのコーラスを敷いている。

これにより、イントロの段階でワクワクを上手に生み出している。

そして、イントロが終わると、いきなりのサビ。

楽曲の勢いに手を緩めないことを宣告するような構成である。

その後も、まったく勢いを殺さない疾走感のあるAメロパートが印象的。

ただし、そのAメロパートの中でも、わりとリズムアプローチを細かく変えていて、僅かな尺の中でもきっちり「変化」をつけている。

Bメロになると、よりはっきりとリズムパターンを変えることで、サビを劇的な盛り上がりにするための布石をそこに忍ばせる。

Bメロがある種のブレイクダウンのようになっているからこそ、サビの疾走感がより輝くのである。

この流れがあまりにも秀逸なのだ。

もしかしたらSixTONESの楽曲史上、サビに至るまでがもっとも鮮やかな流れなのではないかと思っている。

だからこそ、聴いていて、とても気持ち良いのである。

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飽きさせない展開

わりとサビの展開は同じパターンが多い「NEW ERA」。

でも、サビが同じというのはある種の技なのかなーと思っていて。

というのも、サビに対して、メロパートはとにかく展開が豊富なのだ。

1番と2番でもメロパートの展開が違うし、2番のサビ終わりは、もっと要素のつかないメロディー展開を披露する。

言ってしまえば、サビは全員の声が混ざるようなパートがメインになり、メロパートは個々の色合いを魅せつけるパートであり、個々の個性を印象づけるためにこそ、サビは統一、メロは豊富な展開、という魅せ方にしたのかなーと勝手に思っているわけだ。

まあ、サビは毎回同じ感じ、なんて思って油断して聴いていると、最後のサビではメロディーパターンを変えて、大サビに揺さぶられてしまうんだけどね。

話は前後したけど、今回は歌割りも気持ち良いよなーと思うのだ。

それぞれのボーカルが輝くようなメロディーラインをそれぞれが担当することで、変化によって生じる輝きが絶対的なものになっているのである。

これは、確かだと思う。

あと、サビでいっても、歌メロパートとラップパートを鮮やかに切り替えていて、その魅せ方も流石で。

ラップのアクセンスの効かせ方が絶妙なのだ。

ラップパートをこう入れ込んでくるか、という面白さがある。

これは、ぜひ聴いてみて体感してほしいなーと思う。

このスピード感でありながら、綺麗に歌割りをチェンジできるところもまた、SixTONESの魅力のひとつだなーと思いながら、この曲を聴いていたわけだ。

こういうテンポ感の歌を無理なく自分のビートに落とし込めるのは、SixTONESだからこそだよなーと思うのだ。

まとめ

百聞は一見にしかず、じゃないけれど、とりあえず一回聴いてみたらいいんだ、という話に落ち着いてしまう。

今作はエレキギターがアグレッシヴで、ロック好きでも刺さりやすいアレンジになっていると思う。

なので、そういう歌が好きな人にもオススメできる楽曲だと思う。

なお、「NEW ERA」よりもロック色の強い「ST」という歌を密かにラジオでOAしているらしい。

しかも、今回の「NEW ERA」の全てのバージョン(初回限定盤とか通常盤とか)を繋げると、STの文字が浮かび上がるという仕様で、今のSixTONESを語るうえで<ST>というワードは重要になるっぽいんだけど、それは次にSixTONESのことを取り上げるまで、一旦置いておこうと思う。

一体、彼らはこの先、どんな景色を魅せてくれるのか。

今はそれを楽しみしながら、この記事を締めくくりたいと思う。

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