近年の[Alexandros]の話

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[Alexandros]の「todayyyyy」をじーっと聴いているんだけど、この歌、めっちゃ良いなあと思う。

なぜ、良いと思うのか?

この記事では、そこを軸に話をしたいんだけど、その前に[Alexandros]というバンドに対する、最近の自分の思いを言葉にしたい。

そもそもの自分の認識として、[Alexandros]って技術的には器用なバンドで、色んなアプローチができるバンドだと思っている。

テクニカルなアプローチもできれば、ゴリゴリなパワープレイで魅せることもできる。

色んなかっこいいが詰まったバンドなので、バンドのアンサンブルで魅了することもできれば、川上洋平の歌一本で魅了することもできる。

これって凄いことだ。

演奏にはスキがあるけどパッションは最強というバンドがいたり、とっつきにくさがあるけれどそれが強烈な個性になっている・・・みたいに、バンドの多くってトレードオフ的に良さを生み出しているケースが多いが、[Alexandros]は両方をこなせるイメージなのだ。

演奏もうまいし、ワイルドさも兼ね備えているし、キャッチーさもあれば、色気もある。

そんな稀有なバンドだ。結果、バンドとしては「何でもできる」印象がある。

それって、[Alexandros]の凄さの証明だと思うし、大いなる魅力にもなっている。

ただ、自分視点の話でいうと、近年の[Alexandros]は、「何でも器用にできる」の部分が強くなりすぎた印象があった。

だから、タイアップにあったしかるべき曲をリリースしている印象があった。

「何でもできるし、色々提示できる」は良いことだし素敵だと思うんだけど、リスナー視点の自分のワガママを言えば、「今の自分にめっちゃ刺さるやつとは少し違う」というケースがいくらかあったのだ。

こういうやつが聴きたいのときに出てきた楽曲が、<こういうやつ>ではないことがあった、とでも言えばいいだろうか。

それは本当にリスナー視点の自分のワガママな話ではある。

だけど、「めっちゃ良い曲なんだけど、刺さったまではいかない」という感想に至ることもあったのは事実だった。

そんな中、2023年の[Alexandros]は、ほとんど新譜をリリースしなかった。

曰く、意図的にタイアップとしての書き下ろしは避けて、新曲作りに没頭していたとのことだった。

新曲作りを続けた結果、20曲ほど楽曲を作り、楽曲として今形になっているものは10曲ほどある、という内容をインタビューで話していた。

そして、そんな中で生まれた楽曲のひとつが、「todayyyyy」だったようだ。

上記のエピソードは後からインタビューで読んだ話ではあるんだけど、そういう経緯で生み出された「todayyyyy」のキラメキは凄いものがあった。

初めて「todayyyyy」を聴いたとき、何とも言えない衝動が走ったからだ。

「todayyyyy」の話

「todayyyyy」をはじめて聴いたとき、メロディーがあまりにもすっと身体に入ってきた。

複雑なこととかひねくれたことは少なめにして、シンプルにメロディーの良さが際立った歌だったからということもあるが、初めて耳にしたときの馴染み方が半端なかったのだ。

じゃあ、既視感がある歌なのかといえば、そんなこともない。

“ベタ”という形容してしまえるような歌でもないのだ。

これは、メロディーの良さがベースにありつつも、1番と2番で楽曲の構成を変えるような面白さがあったり、いに英語歌詞で疾走感をもって駆け抜けて、川上洋平だからこそスマートに歌いこなせるメロディーラインを用意していたり、[Alexandros]だからこそのワイルドなのにスタイリッシュなサウンドメイクがあったり、[Alexandros]にしかできない勝負が随所にあるからなのかなーと思う。

あと、イントロの耳馴染みも良いのも特徴だ。

この歌、近年の楽曲には珍しく、20秒以上イントロに時間を割いているんだけど、そこでの楽曲の引き込み方も半端ないのだ。

どっしりとしたメロディーがあって、そのメロディーを最大限に活かすんだけど、細かな部分やメロディーとは関係のない部分をどこまでも研ぎ澄ませる。

だからこそ、ぐっと「todayyyyy」の世界に引き込まれる。

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「todayyyyy」の歌詞のかっこよさ

あと、この歌、歌詞もぐっとくるポイントがある。

なんだか[Alexandros]っぽさがあるというか、歌詞で語られる言葉のマインドに、どことなく川上洋平感を覚えるからだ。

歌の中では逆境感が確かにあって、その逆境に対峙していくオラオラなマインドに、どこまでも[Alexandros]らしさ、あるいは川上洋平らしさを覚えるのだ。

あと、メロディーと歌詞の距離がとても近い歌であるように感じた。

もっと言えば、歌詞と川上洋平の温度感にも近さを覚えるのだ。

メロディーにそのまま呼ばれた言葉があって、歌いたいフレーズを歌いたいままに歌いこなしている感じがした、とでも言えばいいだろうか。

だから、途中でこの歌は英詞になる瞬間があるんだけど、そこでもフェーズが変わらなくて、どこまでもナチュラルに歌が進んでいく。

メロディーに対して違和感がある言葉が出てくると、そこに変な引っ掛かりを覚えるんだけど、この歌って、そういうことが一切ない。

メロディーやアレンジのアプローチも豊富だし、細かな変化をいくつも用意している歌なんだけど、不必要に違ったところに意識を向けることがないのだ。

それはどこまでもメロディーに対してストレートで、歌詞もボーカルもメロディーに対して距離が近いからである。

そんなことを思うのだ。

なんだかややこしい言い方をしているが、要は聴いていると、めっちゃ気持ち良い歌だったという話。

「todayyyyy」のキラメキが、半端ないという話だ。

まとめに代えて

2024年最初の楽曲の感想、何を書こうかなと思っていたんだけど、最近とても気に入っている楽曲だった[Alexandros]の「todayyyyy」を書いてみた次第。

自分的にとにかく耳馴染みの良い歌だったので、もし聴いていない人がいたら、このタイミングで聞いてみてほしいなーとめっちゃ思う。

なにより、この歌、きっと[Alexandros]を代表する一曲になるような予感をひしひしと感じる。

色んなフェーズを経ているが、やっぱり[Alexandros]って偉大だし、かっこいいし、凄い曲を生み出すバンドである。

改めてそんなことを感じている、2024年の仕事初め。

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