前置き

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MY FIRST STORY(以下、マイファス )の記事を書こうと思う。

が、個人的にマイファスに関して文章を書くのは微妙なところがある。

というのも、まずベースとして、僕はこのバンドがあまり好きではないのだ。

なぜか?

理由は簡単で、ぶっちゃけワンオクの劣化版に思えてしまうから。

なお且つ、ワンオクよりも良いと思える箇所があまり見当たらなかったから。

これに尽きる。

とはいえ、近年のマイファスを見ていると、安直にそうとは言い切れない状態になってきたよなーというのが、この記事の本題になってくる。

本編

マイファスに対する当初の所感

当初のレコード会社の方針とか、売れるための策略とか、兄弟の関係性とか、そういうのは全部棚に置いて、初期のマイファスに、あまり良さを感じなかった。

https://youtu.be/VSfufNbLcD4

いや、演奏は上手いとは思う。

ボーカルだって悪くはない。

バンドとして頑張っているとか頑張っていないとかそういうのは全部棚に置いて、あまり好きではなかったのだ。

熱心なファンなら怒られてしまう物言いになるが、マイファスを聴くなら別にワンオクでいいやん、というのが自分の当初の見方だったのだ。

バンドとして、このジャンルを選んでしまうと、どうしても音楽としての差別化をはかるのが難しい。

楽器隊の演奏技術が高いからこそ、丸く綺麗に収まってしまう部分がある。

だからこそ、余計にそこから個性を見出しづらかったのだと思う。

似ている音楽性なら、そのタイプのバンドなら何でも好き!と言う人がいる。

けれど、僕はそういうのがあまり乗っかれないタイプだった。

こういうサウンドを聴くと、ワンオクがチラついてしまい、そのせいで、初期のマイファスはどうにも乗れない自分がいたのだ。

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あるタイミングからマイファスは変わる

だけど、マイファスがすごいなーと思うのは、曲ごとの進化の仕方。

リリースされるたびに、明らかにかっこよくなる。

確かに初期の頃はTakaの影響も垣間見られたボーカルだった。

けれど、ライブを重ねるごとに、模倣だったバンドは明らかなる個性を手に入れていったように感じる。

2016年にメンバー二人がマイファスから脱退という形をとることで、(ギターのShoは2019年のツアーで一旦復活をしているようだが)さらにその進化は顕著なものとなった。

この辺りから、マイファスは明確に第2章を歩むことになった。

この歌を聴いてみてほしい。

https://youtu.be/rmsKKdHoZiA

お。って思った。

人によって、見方は変わるとは思う。

初期から似たようなことばっかやってじゃんという人もいれば、なんか変わってしまったなーと感じる人もいるとは思う。

ただ一つ言えるのは、バンドサウンドとして音の厚みとボーカルとしての表現力の広がりがはっきりと確認されること。

凡庸な言葉になるが、ライブを重ねたからこその、バンドとしての音の説得力がそこにはあったのだ。

また、近年のマイファスは単なるエモ系のロックのエッセンスだけでなく、あえて言えば、V系ロックバンドが持つセンスなんかま上手にミックスしている印象を受ける。

これは音そのものの話だけでなく、ライブパフォーマンスやビジュアル面での話にも繋がってくることである。

自分たちなりの魅せ方に磨きをかけてきたわけだ。

それを総じて言葉にするならば、自分たちの強みを生かしたミクスチャーロックを展開するようになったということ。

おそらく、ボーカルが力強くて、平均的な演奏技術が高かったマイファスだからこそできた進化であるし、本来は実力派のバンドであったからこそ、辿り着いた境地だよなーと思う。

だってさ、どのバンドか知らされずにこの新譜を聴かされたとしたら普通にカッコよくて「なにこれ?洋楽??」って反応しちゃうと思うもん。

「S・S・S」なんかを聴くと、本当にそう思う。

ワンオクというバンドがいたからこそ、自分たちのサウンドを具に見つめ続け、ライブを通じてその音を研鑽することで、明らかな進化をとげてきた。

マイファスはそういうバンドだ。

そのことは間違いない。

だから、最初は好きではなかったのに、リリースされるアルバムを聴くたびに「おっ!」って気持ちになった。

やろうと思えば、もっと極端なサウンドの差別化も図れるなか、こういう進化をしてきたところにバンドの意地を感じるし、そういう意地の部分にかっこよさを覚える。

マイファス、かっこよくなったなーと素直にそう思えたのである。

まとめ

確かにデビュー当時はワンオクのヒットに肖り、シーンにその名を刻んだ感のあったマイファス。

きっとhiro自身も、ワンオクに関しては、良くも悪くも意識せざる得ない存在だっただろう。

けれど、マイファスのことを劣化版ワンオクと言えたのは、はるか昔の話。

今では、元々持っていた演奏力の高さ、複雑なピッチも安定した歌い切る天性のボーカルを研ぎ澄まし、不動の地位を築き上げた。

エモ系のバンドの一つだった時代は終わりを告げ、エモだけでは括りきれぬハードロックを鳴り響かせるバンドに成長した。

その背景には、精力的なライブ活動と、日々の練習があったからなのだと想像される。

シーンにおいても確実に大きな影響を与えるようになったマイファスは、もう単純にワンオクと「比較」するべきバンドではなくなった。

きっとこの先、ワンオクと肩を並べる、日本を代表するロックバンドになるんだろうなと予想できるし、今のマイファスなら、そう遠くない未来、そのようなポジションを築けるのではないかと思う。

だって、鳴らす音に、そのような説得力を感じるから。

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