Dizzy Sunfistの個人的な評価

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長いこと音楽を聴いていると、あまりにジャンルに対して実直な音楽よりは、色んなジャンルを混ぜ込んだ音楽にドキドキしがちである。

そう捉えたとき、メロディックパンクの界隈のバンドって良くも悪くもジャンルに実直すぎて、あんまり熱心に聴くことがなくなってしまう。

ジャンルとしては好きなんだけど、ハイスタやGreen Dayなど、先人に既に好きなバンドがいくつもいるため、わざわざ新しいバンドを聴こうと思うことが少ないのだ。

フォーリミみたいに、ジャンルに少しずつ揺さぶりをかけて、新しいことをやり始めると「おっ!」ってなるけれど、そうじゃなかったら「おっ」とならないというか。

そういう意味で、最初、Dizzy Sunfistはナメていた。

はいはい、ハイスタ系譜のメロディックパンクね〜!!!ご馳走さまです〜〜〜みたいな感じで、あまりちゃんと聴いていなかったのだ。

いや、だってね、最初に聴いた感触としては、あまりにも実直にハイスタ以降のメロディックパンクを綺麗に受け継いでいるように聞こえたのよ。

女性ボーカルという珍しさはあったのかもしれないけれど、別に「女性だから」という理由で評価がどうのこうのなるわけでもないし、センスは良いけど、これを今聴かされてもな〜な感があったのだ。

ツービートで裏打ちのリズムをキメてくる感じとか、速くて短いというザ・このジャンルのフォーマットになぞった音楽という感じで、勝手に辟易していたのだ。

これで、メロディックの要素が薄めで、妙にハードコアな部分を押してきたりしていたら、個人的には面白いなーと感じていたかもだけど、当時は、聴いた限りではあまりにも素直なメロディックパンクのように思えたのだ。

けれど、ある曲を聴いて、僕は評価を変える。

この歌だ。

なんというか、この歌もメロディックパンクなんだけど、その「メロディック」な部分の感性に新しいものを見たのだ。

というか、シンプルにサビのメロディーが好きだったと言ってもいいかもしれない。

よくよく聴けば、ディジーって楽曲の「気持ち良さ」の抑え方が、テクニシャンなマッサージ師のそれなのである。

的確に聴き手のツボを見つけ、そのツボを適切な力で完璧に押さえてくる。

つまり、とても気持ち良いわけだ。

この手のジャンルって、音を出したり引いたりすることがしにくいし、リズムパターンや曲展開に斬新さを作ることが難しい。

だから、わかりやすい形で同ジャンルの他バンドと差別化することが難しいし、なによりハイスタを始め先人に偉大なバンドが多くて、どうしてもコモディティー化しがちなのである。

でも、ディジーは違っていた。

いや、別に同じではあるし、やり方だって普通なんだけど。でも、違うのだ。

それを自分なりに言葉にするなら、ツボの押し方が本当にえげつないくらいに気持ち良い。

そういう感じになる。

言ってしまえば、紡ぐメロディーと刻むリズムのセンスがキレキレで、ビンビンなのだ。

このジャンルだけは計算で良い曲を作ることができなくて、演奏技術が露骨に出るから、演者のセンスがはっきりと出てしまう、残酷なジャンルでもある。

で、改めて聴くと、ディジーはそのセンスがどこまても素晴らしかった。

ディジーはどこまでも、センスが突き抜けていたのだ。

だから、あるタイミングからこのバンド、やばいわーって思うようになったし、それは昨年リリースされた「DREAMS NEVER END」のアルバムを聴いて、さらに強く思うようになったのだった。

このアルバムでは、masasucksをプロデューサーに迎えていることもあり、ジャンルや方向性はそのままに、曲の幅を広げた作りになっている。

音的な意味で足し算ができない故、メロディックパンクのバンドは、一番最初のアルバムが一番良かった!2枚目はただの焼き直しやん!って感じになることもあるんだけれど、ディジーは間違いなく、このアルバムの方が良かった。

名盤を生み出していた。

ディジーが持っているメロのセンスがより生かされる形に進化したなーという気がする。

マイナー調の曲が多かったり、スカっぽい要素を多用しているのは、そういう流れがあるからなのかなーと思っている。

まとめ

間違いなく、次の世代のメロディックパンクを支えるバンドのひとつだなーと思うし、一旦活動休止のフェーズは挟むけれど、だからこそ、今後のアウトプットにより期待ができるよなーとも思う。

将来が楽しみに思える、数少ないメロディックパンクなバンドである。

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