imaseの音楽の何とも言えない魅力の考察

魅力的な男性ソローアーティストって言えば、あなたは誰を思い出す?

自分にも同じ問いをたてた結果、出てきた答えが、これ。

imase。

そう、年々個人的注目度が増しているのがimaseなのである。

出会いのきっかけが何だったかはもう忘れてしまったけれど、今では新譜をリリースするたびに「今作はどんな感じなんだろう?」と楽しみにしているアーティストの一人になっている。

というわけで、この記事ではimaseの魅力を自分なりに簡単に綴ってみたいと思う。

音楽的な絶妙なバランス感

imaseの魅力って色々あるけど、まず最初に書きたいのが、これ。

独特のバランス感。

というのも、imaseの音楽って、独特のバランス感で成立しているよなーと思う。

込み入っている音楽と言えば込み入っている音楽だなーと思うし、シンプルな音楽いえばシンプルな音楽だなーと感じる、絶妙なバランス感。

あるいは、新しいテイストの音楽だなーと感じる一方で、懐かしさを感じる作りだなーとも思う。

どちらにも完全に傾ききらないシーソーのような雰囲気。

令和の音楽という香りもするし、昭和の聴きざわりもあるしーなという塩梅。

リザードンがメガ進化ときのような衝撃と言い換えることもできるかもしれない。

歌としてみると、80年代のシティーポップのような色合いや音色を感じる楽曲も多い。

そのため、当時のポップスにがつんと刺さった人がぐっとくる作りになっている。

でも、過去の音楽の焼き直し感は一切なくて、音の衣装はそういう要素を拝借しつつ、他の部分は違う要素を組み合わせてアップデートとすることで、現代のポップスに落とし込んでいる感じ。

歌唱の部分では違うジャンルの音楽の要素を取り込んでいる、という楽曲も多かったりするし。

ところで、imaseのインタビューを見ていると、音楽を始めて作ってからデビューまでの期間が短く、学生時代は特にプロ志望ということもなく、社会人になってから音楽制作を始めたことが語られている。

だからこそ、他のクリエイターとは違う自由さやバランス感が、imaseの音楽に宿っているのだろうなーと思う。

良い意味で、作っている音楽に横割り濃度強めなオタク的な要素がないというか。

感性ベースでパズルを生み合わせて、面白いものが作れているというか。

アウトプットのひとつひとつが素直だからこそ、すっと耳に入る音楽が生み出されているというか。

「Nagisa」においても、ドラムのキック音がその音を掴んだという面白さがあって、それが結果的にレトロで新しい質感を帯びている印象。

なんだけど、そういう構図のひとつひとつもまた、絶妙なバランス感で包まれているというか。

だから、あとからアウトプットを理論値的に分析しなおすと、狙ってはできないような独特のズレとか、絶妙な組み合わせを歌の中で確認することができる。

そういうセンスにワクワクする自分。

かといって、そういう知識を必要としないと楽しめない、という感じでは一切なく、肩の力を抜いて音楽を楽しめる出来になっているところもまた、面白い。

「名前のない日々」も、そのイントロから、そういう歌の世界に広げていくの・・・!?という面白さで咲き誇っている。

結果、そこまで強烈なワードや飛び道具を使ってエッジを効かせているという感じではない印象なのに、きちっと短い尺で刺さる歌になっており、SNSでも歌軸で大きな話題を生み出しているのが凄い。

この辺りもまた、ポップスの新世代としてimaseが君臨している理由なのだろうなあと感じる。

ニュートラルなボーカルスタイル

imaseは、地声と裏声を使い分けが素晴らしい。

出世作である「NIGHT DANCER」の冒頭でも、巧みにファルセットを取り入れているのが印象的だ。

ひとつのセンテンスの中で、ボーカル自体のコントラストが鮮やかに展開するからこそ、美しい歌の世界を作り上げる。

歌声の表情が切り替わりが絶妙だからこそ、歌そのものの奥行きや感情の深堀りが際立たせる。

いわゆる「おしゃれな歌」とか「グルーヴが心地よい歌」って、意外とボーカルだけにスポットを当てると、フラットなことが多いんだけど、imaseの歌って、そこの起伏が絶妙で。

必要以上に感情に訴えかけるというボーカルスタンスでは別にないけれど、歌の中で必要な感情表現を美しく表現してみせているのだ。

初期の代表曲である「Have a nice day」を聴いていると、地声で歌う場合は、ボーカルに加工を加えてスタイリッシュかつニュートラルな空気感をより強めているが、こういう魅せ方もimaseならではの美しさのひとつだ。

この魅せ方が、サウンドのスタイリッシュさと調和して、歌の中の美を際立たせる。

なんというか、上着に合うパンツをちゃんと来ている装いになっているというか。

もっと言えば、その組み合わせとその組み合わせ、これまであんまり見てなかったけど、そのスタイルの方が素敵やん!これはやられた!みたいなことを平然とやるかっこよさがある。

あと、自然体なのにバキバキみたいなところもimaseの面白さ。

アンガールズみたいな芸風のくせに、よくネタを見たら品川庄司よろしくのどつき合いの漫才しているぞ・・・みたいな。

だからこそ、聴けば聴くほどに彼の音楽に引き込まれることになる。

まとめに替えて

ということで、ざっとimaseの音楽について言葉にしてみた。

  • 絶妙なバランス感覚のサウンド
  • ニュートラルなボーカル

色々魅力はあるけれど、大枠で語るとここのところが強く言いたかったとして、言葉にしてみた次第。

もうすでにとんでもなくブレイクしているけれど、ここからさらにimaseの飛躍が楽しみで仕方がない。

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