サラリーマンが平日のライブに行くこともあると思う。
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そこで問題になるのが服装である。
勤務時も完全私服だよって人、仕事中は決まった制服に着替えるだけなので帰りは私服だよって人だったら、その日の私服をライブを見越したものにすればいいだけのことなので、話は簡単である。
が、スーツで仕事をしないといけない業種・職種の人はひとつの壁にぶつかることとなる。
そのままスーツで行くべきか、それとも着替えて行くべきか。
悪魔の2択クイズである。
ただ、ライブと言っても色んなタイプのライブがあるし、ライブに行くと言っても色んな楽しみ方がある。
自分がその日にどういう楽しみ方をするのかを考えれば、どういう服装が最適なのかが見えてくるだろうし、最適ではない服装でライブに行く場合、そこにどんな危険があるのかを事前に整理しておけば「こんなはずではなかった」と落ち込むことは少ないだろう。
この記事では、その辺りの見通しをよくすることで、より有意義な会社帰りのライブ参戦ライフを提供できたらと思う。
ライブと言っても色々
一口にライブと言っても色々ある。
例えば、ホールやアリーナや各会場の2階席のように、個々にそれぞれ座席が割り当てられており、確実にパーソナルスペースを確保してライブを楽しむことができるものもあれば、一般的なライブハウス公演のように座席は一切なくて、オールスタンディングなものもある。
さらにライブハウスとはいえども、千人単位の客を集客するライブハウスもあれば、100人そこそこしか集客しないライブハウスもあるわけで、どのライブハウスに行くかによって身の振り方は大きく変わる。
さらに、ライブと一口に言っても色々ある。
すげえ簡単に言うと、モッシュピットが荒れるライブと荒れないライブがある。
荒れるライブの場合は、パーソナルスペースなんてクソ食らえな感じでオーディエンスが揉みくちゃになりがちだし、荒れないライブならわりと前の方で観ていても、それなりに全員がパーソナルスペースをちゃんと確保してその範囲内で自由に音楽を楽しむ人が多い。
V系なんかだとさらに独自ルールがあるため、その様相はさらに複雑さを極める。
つまり「どんな会場で」「どんなタイプのライブ」をみるのかによって、考えるべき項目が変わってくるわけだ。
とはいえ、あんまり細かく分けながら考えてしまうと話が無駄に長くなってしまうので、そこはなるべくシンプルにして考えていきたい。
そのため、この記事では、ライブハウス公演で、わりとフロアが荒れがちなライブ参戦を想定した話をしていきたい。
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ライブ始まる前に着替えたらいいのでは説
そもそもライブハウスでスーツ参戦を恐れる最大の理由はスーツが汚れる・臭くなる、のこの2点に尽きると思う。(違ってたらごめんなさい)
変な暴れ方をしたらスーツが破れてしまう危険性もあり、安物でも数万するスーツを「ライブ参戦により使い物にできなくしてしまう」のは、あまりにも経済的損失が大きい。
これを回避したいからこそ、スーツ参戦のときは色々と工夫するべき、というのがこの記事の本論になるわけだが、こういう問い立てをしてしまうと、そもそも論としてスーツを着替えたらいいだけなのでは?と疑問を持つ人が出てくるかと思う。
早めに仕事が終わるのでライブが始まるまでに着替える時間が十分に取れることが予想されて、且つ、事前に着替えの準備ができる(着替えの持ち込みができる)というのであれば、これが最大の解決法だと思われる。
ファン層のほとんどがおっさんである海外メタルバンドのライブって、なぜかド平日に開催されることが多いため、スーツ姿のおっさん参戦率がとっても高い。
こういう歴戦の猛者のようなおっさんなんかだと、スーツでライブハウスに通い慣れているため、事前準備も見事なまでに完璧であることが多い。
まずはトイレかどっかに潜り込んで、どこにそんなものを仕舞い込んでいたんだと思うような「着替え」を取り出してきて、息を吐く間もないくらいスマートに衣裳チェンジを済ませ、コインロッカーに不要物を全てぶち込んだら準備万端。
そのまま、ライブという名の戦場に向うのである。
意識の高いおっさんになってくると、会社に「衣裳」を持ち込むようなことはしないで、出社前にライブ会場近くロッカーに「着替え」を預けておき、仕事終わりにそこで衣裳を引き取ったうえで、先ほどのような事前準備を行うこともある。
洋メタルの場合、次にいつ来日するか分からず、観れるうちに観ておかないと今回が最後になってしまうケースも多々あるため、参加者の気合いの入れ方が半端ないわけである。
こういう意識の高さは見習うべきものがあるし、トイレで着替え⇒ロッカーに不要物をぶち込み、というのが会社帰りのライブ参戦の最善なる方策である気はする。(モッシュピットだと凶器になりがちな時計やベルト等もちゃんと預けておけばライブマナー的にも紳士であるし)
が。
全ての替えの服装を持って行くのは難しいという人もいるかと思うし、会場に着くのがギリギリだからそういう手間をかけることができない、という人も多いかと思う。
それでも、なんとか「着替え」という方法でこの難を乗り越えたい人は、ひとつだけこちらから提案がある。
どうせ着替えるなら、なるべく下から順に装備を整える、というのがオススメである。
つまり、靴→ズボン→シャツという優先順位で着替えるべきだよ、ということ。
理由はある。
例えば、女性の場合はスーツ姿だと、ヒールの靴を履いていることもあるかと思う。
モッシュピットにおけるヒールはマジで倒れる恐れがあるから危ないし、凶器にもなり得るので、できるだけ避けておく方がいい。(自分の服装によって人を大きく傷つける恐れがあるときは、モッシュピットに入らない方が吉ではあるよなーとも思う)
ちなみに、僕は昔、BRAHMANのライブにスーツで行ったことがあるんだけど、不思議なことになぜかライブが終わると、靴がこんなことになっていた。
この日のライブはlocofrankとの対バンで、僕はlocofrankのライブの途中くらいで会場入りをしたんだけど、全身スーツだったため、極力モッシュピットに近づかないようにしていた。
「ここなら安全かな」という場所で腕組みしながら、達観した眼差しでライブを観ていたのだった。
のはずなんだけど、この日はBRAHMANとlocofrankの対バンのくせに、なぜかハイスタの「STAY GOLD」をカバーするなど激アツなセトリだったし、locofrankはバイトをしながら頑張ってバンド活動をしているんだよ、俺はそんなlocofankをバイトでもなく、交通事故なんかでもなく、ステージの上で死なせてやりてえっていう、トシロウの感動的なMCを聴いたりしていたら、なぜか僕の革靴が先に死んでしまっていたのだ。
そうなのだ。
今日はスーツだから大人見にしておこうと思っても、気がついたらモッシュピットに入ってしまっているのがロックバンドのライブの怖いところなのである。
なお、この日は、ズボンとシャツは多少臭くなるくらいの被害で済んだので(上着やカバンはロッカーに預けていました)装備は下にあるものほど消耗しやすいのだと実感した次第。
だから、着替えるなら下からの方がいいのである。
話は変わるが、スーツのままフェスに行ったことも何回かあるんだけど、「流石にスーツだし、この日は汚れたくないから後ろの方で大人見しておこう」と思ったその日の最初のライブがスカパラだったことがあった。
この時もしてやられた。
谷中さんが「両手をあげろ〜〜〜!!」って言ったのである。
そのとき、ああ、やりやがったな、と思った。
言われたから仕方なしに両手を上げていたら「そのまま左右に下ろして、両隣の人と肩を組めー!!」と谷中さんが指示。
みんな言われるがままに肩を組んでいると、そのまま「All Good Ska is One」を披露するスカパラ。(スカパラをあまり知らない人に説明すると、スカパラのライブでこの曲を披露すると、問答無用で強制的に肩組を強要するのである。ぼっちにはほんの少し厳しい時間であるが、不思議とスカパラのそれは多幸感に包まれがちなのである)
スーツの俺と汗だくディッキ族がエンカウントした瞬間。リアル・ブルーエンカウントな瞬間だった。いや、楽しかったからいいんだけどね。
要は、大人見だからと油断はできないよ、という話。
とはいえ、そんなこと言われても、俺はお着替えなしでライブハウスに繰り出すぜ!着替えの準備なんてできないし!って方も多いとは思うので、スーツのままライブに行くとき、僕たちはどういうことを注意するべきなのかをケースごとに考えてみたい。
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デカ箱の場合
デカ箱は色んな意味で安心である。
ロッカーの数もトイレの数も多めな可能性が高いから着替えもしやすいし、スーツ姿のままでも、変な位置どりをしない限りは「巻き込まれる」心配はないわけで。
スーツで行くことの最大のリスクは服が汚れてしまったり破損したときのダメージがでかいということに尽きると思うんだけど、流石にデカ箱の後ろの方で大人見をしていれば、ダメージを受けることはごく稀である。
どれだけの大人気のバンドでも、ちゃんと大人見しておけば、余計なことに巻き込まれる恐れはないわけだ。
デカ箱の場合は「位置取りを工夫する」「できれば荷物はちゃんと預ける」
このふたつさえ守れば、ノーリスクで快適なスーツ参戦が堪能できる可能性が高い。
キャパ数百の箱の場合
この辺りはバンドによって大きく様相が変わる。
本当ならデカ箱でやるべきバンドがこのサイズのキャパでライブをやると、オーディエンスがえらいことになる懸念があるし、お前らがその箱でライブをやるなんて大きくなったもんだなあ!って感じるバンドの場合は、わりとスカスカなので何とかなる。
ただし、ロッカー数やトイレの数に難があるライブハウスも多いので、荷物の預け先だけは気をつけておいた方がいいかもしれない。
前に行くなら荷物は預ける、荷物を預けられないなら、良心的な場所でライブを見る。この姿勢でだいたいいける。
それでも、衝動でぐわあーっとなったとき、仕方がない。やっちまうしかない。
万が一誰かに迷惑をかけた場合は「ごめんなさい」って言えば何とかなる。たぶん。
小箱の場合
出演バンドによるけど、メロコアバンドほライブを見るならドンマイとしか言えない。
まとめ
基本的には、服装は好きにしたらいいけど、荷物はきっちり預けようって話に尽きるんじゃないかと思う。
多少スーツが汚れてもクリーニング出せばなんだかんだで息を吹き返すし、スーツがダメになったらその時は買い直せばよい。
ギターの弦とスーツは使い捨てなんだよ、たぶん。
けっこうライブの時の服装ってみんな気にしがちだけど、明らかに誰かを傷つける恐れのある格好じゃなければ、細かいことは気にしなくてもいいと思うのだ。
だって、ライブハウスって、自由な場所であるべきだと思うから。
だから、スーツのままで本人がそれでいいならどんどん飛び込んだらいいのだ。僕はそう思う。
そんなオチと、そんな結論。
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