ロッキン・ライフ vol.8のライブレポ

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近年、ご縁があって「ロッキン・ライフ」という名前で、定期的にライブイベントを開催するようになった。その「ロッキン・ライフ」も、2023年12月で、ついに8回目。

8回目は、osage、Blue Mash、セカンドバッカー、ちゃくら、berry meetの5バンドに出演してもらった。

ブッキングに関しては、いくつか個人的な意図もあるんだけど、前提として自分が今ライブを観たいバンドにお声がけさせてもらったし、他のイベントからの引き合いもたくさんあるバンドがこの日、この場所の出演を選んでもらったことがとても嬉しかった。

osageのライブのMCでも触れていたけど、フェスみたいな大きなイベントでは並ぶことはあるとしても、ライブハウスの対バンイベントという形で、この5バンド全員が揃うことはきっと今後ないと思うし、だからこそ、自分的にもこの日のイベントの尊さが大きかった。

自分的には、好きなバンドがもっと好きになる + 好きなバンドの範囲がより広がる1日になったらいいな、次の参加するイベントにバトンが繋がるようなイベントになったらいいなという思いで、準備(というほどのことでもないが)させてもらっていたので、こういうラインナップ、こういう形でイベントが開催できて良かったなーとしみじみしている。

ところで、一応、自分はロッキン・ライフという名前でライブイベントを行う一方で、ロッキン・ライフの中の人という名前でライターのフリをしながら、同名の音楽ブログの運営も行っている。

そのため、イベントが終わると、ライブレポと呈した文章をブログに残すようにしている。

で、ロッキン・ライフ vol.8でもその記事を書こうとして定期的にパソコンに向かっているんだけど、ちょっと筆を進めては、ぴたりと手が止まってしまうのだ。

というのも、ロッキン・ライフ vol.8はライブイベントとしてすごく良かったし、出演してもらったどのバンドのライブもすこぶる良かった。

だからこそ、そのライブの良さが全然上手く伝えられんぞ〜となって、手が止まってしまうのだった。

おそらくライブの臨場感を伝えるのであれば、きっと動画の方が伝わりやすくて、並べるなら、

動画>写真>文章

上記になると思う。

文章には文章の良さがあって、考えたことや意見を伝えるではめっちゃ良い媒体だと思うんだけど、ライブの良さ、特に臨場感を伝えるうえでは文章はあまりにもムズイ。特にロッキン・ライフ vol.8に出てもらったバンドの良さは「生でライブを観てこそ」の部分が多くて、油断すると、どうか一度ライブを観に行ってほしい、という言葉に終始してしまう。

なので、いわゆるライブレポという形式は放棄して、ただただ各バンドのライブを観て、自分が感じたことを言葉にして列挙していこうと思う。

photo by aoi (@thnks_th

berry meet

この日、1番手で出演してもらったのは、berry meet。

この日のberry meetのライブがすごく良かったし、1番手がberry meetで良かったなーと感じたライブだった。

複数のバンドが出演するイベントだと色んなお客さんがいて、どのバンドもほとんど初めてのお客さんもいれば、特定のバンドだけが目当てで来たお客さんもいる。

そうなると、序盤のライブの空気って、どうしても少し重くなりがちだと思うのだ。

でも、berry meetのライブって、そういう空気をあっという間に霧散するエネルギーがあった。

もともと自分はberry meetのメロディーの綺麗さや、コーラス含めたボーカルの美しさに惹かれて気になったバンドで、この日のライブでも「図星」や「あのさ」などの代表曲で、華麗なハーモニーを響かせていた。

ただ、音源では「美しい」が先頭に来ていた楽曲の数々が、そこにライブだからこそのパワフルさや躍動感がのっかって、より楽曲としてのパワーが増し増しになっていて、びっくりしたのだった。

特に、3曲目あたりで、新曲として披露した曲のインパクトが強かった。

berry meetは歌メロ的な装いが強くて耳馴染みの良い楽曲を歌うことが多いと思っていたので、新曲もそういう雰囲気なのかなあと思ったんだけど、演奏がバチバチだった。

ベースがスラップするし、ドラムもゴリゴリにビートを刻むし、ギターもエッジに響かせて疾走感をもってゴリゴリに魅せており、berry meetはこんな歌もかっこよく弾けちゃうのか!と見惚れてしまったのだった。

この日のライブでは、パフォーマンスの途中にギターの弦が切れてしまい、ちゃくらのギターを借りて続行するという流れもあったんだけど、そういうイレギュラーもさらっと処理しながら、後半に向けてグイグイにボルテージを上げていく魅せ方も良かったなーと感じたのだった。

ちゃくら

二番手に出演したのは、ちゃくら。

12月は大阪で3本ライブをやっていて、次の日には東京で3本ライブがあるという、過密スケジュールだった、ちゃくら。

そういうこともあってか、ライブのパフォーマンスがバキバキに仕上がっていた印象で、めっちゃかっこよかった。

演奏にパワフル感があって、全員が全身つかってパフォーマンスしたり、ステージを左右いっぱいに使ってダイナミックに魅せているのが印象的だった。

あと、MCと曲の結びつきも見事で、余計な間が存在せず、30分の凝縮具合がぐっとなっているのも、めっちゃ良いなあと感じたのだった。

バンドのプロフィールには「猪突猛進ガールズバンド」という記載があって、確かに猪突猛進という言葉が似合うパワフルさがライブにあって、それも見どころになんだけど、「押し」だけが強いわけじゃなく、切なさとか胸にぐっとくる瞬間もライブの中に忍ばせていて、ライブの中の緩急も鮮やかだったと感じた。

さらに言えば、berry meetのライブで昂っていたオーディエンスが、ちゃくらのライブによって、そこからさらに立体的に盛り上がった印象もあった。

煽るタイミングと温度感も絶妙なため、拳を突き上げてうぉーと盛り上がるところもあれば、ジャンプして全身で楽曲のビートにのる場面でも一体感を生み出すしで、会場全体のエネルギーの炸裂具合が素晴らしかったのだった。

「海月」でがっつり心を掴む感じも良かったし、語りの流れから披露する「もういいよ、おやすみ」の流れも良かったんだけど、個人的に1番記憶に残っているのはラストに披露した「19才」。

「19才」では盛り上がっていたライブの中でも、さらにその上をいく盛り上がりを魅せていて、30分のライブの道中でも、どんどん「その前を超えていく」を肌でひしひし体感できる時間なのであった。

セカンドバッカー

セカンドバッカーは大阪で初めてのライブとのことだった。

なので、出演してくれるという話をしてもらったとき、めっちゃ嬉しかったし、どんな感じでライブをやるのかなーというワクワクも強かった。

出演前は「緊張している」という話もチラッと聞いていたのだが、いざライブに出ると、「いや実は何回か遠征しているんじゃないか?」と思えるくらいに堂々としたパフォーマンスをしていていたし、お客さんの心をがっちり掴んでいる印象だった。

大阪にきたときのエピソードをMCに入れつつ、セカンドバッカーらしい空気感でぐいぐいライブを行なっていたのだった。

確かに曲とMCの間とかに、ある種の初々しさみたいなものがあって、そういう部分には「大阪での初めてのライブ感」は感じなくもなかったんだけど、曲のモードに入ると、がっつり自分たちの世界観をつくって、会場全体を巻き込む感じに見惚れてしまうのだった。

あと、個人的にセカンドバッカーのボーカルの声の感じが好きだったりする。

声の感じに、他のバンドにはない雰囲気を持っていると思うし、それが「君とのこと」とか「どうせ枯れるなら」みたいな歌詞と良い具合にマッチしているように思うからだ。

おそらく2024年は、大阪をはじめ遠征でライブを行うという機会も増えるのかなーと思っているんだけど、回数を重ねるごとにどんどん巻き込む範囲が広がっていく予感を覚えるパフォーマンスであった。

ここからさらにどう化けていくのかも含めて、<ここから>がとにかく楽しみなバンドであった。

Blue Mash

Blue Mashは過去にもイベントに出演してもらって、今回で2回目の出演。

かっこいいライブをすることはわかっていたし、良い意味でこれまでの旋風を会場に巻き起こすと思っていた。

んだけど、自分が想像していた以上の、パンチ力を魅せたライブだった。

そのパンチ力がどういうものだったのか?については、Blue MashのTwitter(@Blue_Mash_band)で動画が上がっていて、あの時のかっこいい空気感を知ってもらうには、そっちを観てもらった方がいいと思うので、ぜひそちらも目を通してほしいと思っている。

その上で、自分が感じたのは、ロックバンドのかっこよさのひとつの回答みたいなものが、この日のBlue Mashのライブにあったなあというもの。

どんな対バンイベントでも、後半になるとその日の会場の空気って、わりと決まってくる。

今回の客層はしっとりと観る人が多いんだろうなーというときは、そういう空気になっていくし、全身でライブを楽しむぜ!というマインドの人が多い場合は、そういうエネルギーが返りやすい空気になる。

この日の空気がどうだったのかは明言はしないけれど、Blue Mashのパフォーマンスは明確に、その日の会場にあった「今日という1日は、こんな感じでライブを楽しむ」の空気をがらりと変えていたことは確かだった。

紛れもなく、その日のオーディエンスの空気を、自分たちの色に染め上げ直す迫力があった。

他のバンドが目当てのファンにも届けるくらいの強烈さを持ち合わせて、全身全霊でライブパフォーマンスをしていた姿がただただかっこよかったし、だからこそ、Blue Mashがこの日の並びにいてくれてよかったなと、改めて感じたのだった。

あと、Blue Mashって自分的には色んなシーンを横断できる可能性をもっているバンドだと思っていて、「界隈」を超越したエネルギーとかパワーとか魅力を持ったバンドである。

だからこそ、あるフェーズになったら、Blue Mashはもっと強烈にバンドシーンにインパクトを与える存在になると思っているし、この日のライブを観て、自分は改めてそう思ったということをここに記載しておこうと思う。

osage

この日、トリとして出演してもらったのは、osage。

この日の並びで言えば、osageが1番先輩のバンドになり、これまでの実績を考えると、間違いないライブをしてくれるんだろうなーと思ったけど、ライブを観て改めて思った。

やっぱり、素晴らしいなあ、と。

いや、ほんと、この日の締めがosageで良かったと感じるライブだった。

というのも、osageの包容力が心地良すぎたのだった。

MCでは、この日来ていたお客さんはもちろんのこと、この日の出演バンドやライブのスタッフにも目配せして、想いを紡ぐ言葉選びが素敵だったし、それまでに出た4バンドの個性を綺麗な形でまとめながら、かっこよさ + 品がある形でイベントを締めくくる感じにぐっときたのだった。

ライブパフォーマンスそのものも圧巻だった。

初っ端の「letter」で、Blue Mashからパンキッシュに染め上げた空気をがらりと変えて、osageらしい空気感で会場空気を染め上げていき、osageらしい温度感で会場のボルテージをさらに上げていったのが印象的だった。

技巧的でアグレシッブなバンドアンサンブル、時にしっとり時に情熱的に歌い上げるボーカルの表現力、そして人懐っこいメロディーと優しい言葉が耳に包まれる多幸感的な心地。

そして、ここぞのタイミングでバンドの代表曲である「ウーロンハイと春に」を披露して、30分の中での盛り上がりをさらに劇的なものにした後、最後は「夜明けの唄」でソリッドかつ爆発力をもって本編を締めくくる流れも良かった。

そしてアンコールでは、「セトモノ」。

こう書いているだけでも、あまりにも綺麗な流れで、MC的にもライブパフォーマンス的にも、これしかない美しさで、ライブを締めくくったのが印象的だった。

2023年。

良い一年だった人もいるだろうし、辛い一年だった人もいると思う。

osageのこの日のパフォーマンスは、仮にどちら側の人間だったとしてもその一年を肯定して塗り替えてような、そしてそれが次の年に良い形で繋がるような心強さをもった、そんなパフォーマンスであるように感じたし、だからこそ、この日のトリがosageで良かったなーと改めて感じる、そんなパフォーマンスと感じたのだった。

まとめに代えて

記事の執筆が遅れに遅れて、年末に開催したライブイベントのレポ(のようなもの)を今さらになってアップしている自分。

ただ、一度ライブを観て感じたことを整理しながら言葉にして、なるべくその日のライブに行っていない人が「それなら、一度行ってみたい」と思ってもらえるような言葉をここに残そうと思って書いてみたんだけど、改めて言葉にして思ったのは、とはいえライブの良さについてライブを観てこそ実感できる、ということではあった。

出演してもらったバンドの中には、TwitterなどのSNSでライブ動画をアップしているバンドもいるので、より臨場感のある様子をみてみたい場合は、そちらも覗いてもらえたら嬉しいなーと思うし、興味があれば、ぜひ一度ライブに足を運んでもらえたらなーと思う限り。

あと。

年始ということで、多くの音楽メディアで「2024年は誰がバズるか?」といったランキングやリコメンドがされることが増えてきている。

<バズる>の定義については人によって変わるので一概な回答は難しいけれど、自分的には<昨年よりも楽曲をたくさん聴かれる>とか<昨年よりもライブの動員数が上がる>とか<昨年とは違うフェーズにバンドが進む>とか、そういう状態であれば、スケールの違いはあれど、バズるの範疇に入るのかなーと思っている。

そう考えたとき、今回出演してもらったバンドは間違いなくどのバンドも今年”バズる”と思う。

その”バズる”がバンドの目標としているラインに届くのか、あるいはそもそもどういうラインを目標にしているのかはわからないので、そのプランニングは各々であるのかなーとは思うけれど、間違いなくどのバンドも”バズる”し、”飛躍する”ことは間違いないし、今回30分ライブ遠観させてもらったことで、それは確信に変わった、ということはここに明言して、この記事を締め括ろうと思う。

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