ヤバイTシャツ屋さんとOKOJOが大阪・三国ヶ丘FUZZで対バンライブをした話

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ヤバイTシャツ屋さんとOKOJOが2023年10月2日に大阪・三国ヶ丘FUZZで対バンライブをした。

このライブは、2023年から2024年にかけて“BEST of the Tank-top” 47都道府県TOUR 2023-2024″と題してツアーを行う、ヤバTのツアー一本目のライブでもある。

自分はこの日のライブを観に行ったのだった。

自分はライブを観た感想を長文で書くのは苦手である。

なので、よほどのことがない限り、感想は書かないようにしている。

今回のライブもブログで感想を書くつもりはなかった・・・。

んだけど、ライブを観ていると、刺激 of 刺激なライブで、終わってからの余韻も爆裂で、これは何らかの形でこのライブでもらった刺激を言語化せねばならん・・・という気持ちになったので、今、こうやってブログに駄文をしたためている自分がいる。

なぜ、刺激 of 刺激だったのか?

自分的にはヤバTとOKOJOが対バンをする、というのがそもそも熱かった。

なんというか、「それでもずっとバンドをやってきた」バンドだからこその対バン感があったというか、売れる前から関係性のあるバンド同士だからこその対バン感が良かったというか。

言ってしまえば、売れているもの同士で、「いつもの」対バンではない感じがしたのが、個人的に熱かったのである。

まあ、どういう経緯でこの対バンが決まったのかは知らないし、別にこの二組の関係性なんてそんなに対して知らないんだけどね。

でも、OKOJO側にしろ、ヤバT側にしろ、MCでなんとなく(前進バンドのことも含め)それぞれのバンドのことを触れたり、関係性がやんわりと見える中で、ライブではしっかりバチバチにやってみせるその感じに、ぐっときたのは間違いなかった。

そういう「というか」を全部まとめた結果、ヤバTとOKOJOの対バンだからぐっときたんだろうな・・・という話に行き着くわけである。

自分のやり方で”バチバチ”を魅せたOKOJO

それぞれのライブでぐっときた部分をざっくり言葉にしてみたいと思う。まずは、OKOJO。

当然ながら、オーディエンスのファン層で言えば、ヤバTのファンが多いとは思う。また、ヤバTのファンからみるヤバTの魅力って「パンク的な勢いのあるリズムメイク」だったり、「ダイブせずにはいられない攻撃的なバンドアンサンブル」だったり、要は激しいサウンドであること、この部分が大きいと思うのだ。

対してOKOJOは少なくとも、ダイブやモッシュがどんどん発生するようなタイプのビートを紡ぐバンドではない。

要は、ヤバTとOKOJOでは、わりと生み出す楽曲のタイプが異なる印象があった。

異色というほどではないが、楽曲が持つ個性は異なるように見えた。

でも、OKOJOはそういうものを承知の上で、自分の流派でライブをバチバチに盛り上げていた印象で、それがとてもかっこよく見えたのだった。

「もううんざりだ!」で始まり、「鍋奉行」に繋いで行き、OKOJOらしいリズムメイクでオーディエンスを沸かしていた冒頭。

いつライブを観ても思うが、OKOJOって三人の掛け合いで生み出すリズムメイクが絶妙である。

そして、いつの間にか三人が生み出すアンサンブルから、その音楽が生み出す”楽しい”が弾けていき、そこに心を掴まれてしまうのである。

ヤバTの場合、背中からどんと押すかの如く、良い意味でパワープレイ的に”俺たちの音楽、楽しいぞ”の渦に巻き込んでいく印象がある。

対して、OKOJOの音楽は手を引っ張ってゆっくり招き入れるような温度感で”俺たちの音楽、楽しいぞ”の渦に巻き込むような心地を覚えるのだ。

・・・というのもあるし、OKOJOってアップテンポの楽曲では三人の小気味良いリズムメイクで楽しく音楽にのせていたと思ったら、ふいのタイミングで、ミディアムソングを披露する。

このここぞのタイミングが絶妙だし、バラードの「良いメロと言葉で突き刺す」感じにも、ぐっときてしまうのである。

それこそ、ヤバTの場合、バラード調の曲でもひっそり歌詞にコミカルさとか面白さを忍ばせていることも多く、単に感動させる、とは違う角度で攻めることも多い。

そのユーモアとか引き出しの多さがヤバTの面白さであるが、楽曲の世界に入らせる、という意味ではまた異なる印象。

でも、OKOJOの場合、バラード調の楽曲ではぐっと楽曲の世界に浸らせてくれるというか、入り込んで楽曲を聴いてしまうので、その感じが良いのである。

それぞれの良さが光って見えたからこそ、片方だからこその魅力がより輝いて見えたわけである。

かつ、対バン相手が誰であろうと、対バン相手がどういう楽曲で魅せるタイプだろうと、この日のOKOJOも実にOKOJOらしい形で”バチバチ”を魅せていた気が勝手にして、それが個人的にすごく良かったのである。

7曲くらいのセットリストの中でも、楽しいも詰め込むし、泣きの要素も詰め込むOKOJO。

なんなら、ヤマトの滑り知らずのゆったり漫談タイムでオーディエンスを沸かすので、面白いもライブの中に克明に刻んでいく。

ただ、楽曲で泣きの要素をみせたとしても、MCではあえて”エモい”は作らなかったのも印象的だった。

きっとバンドの関係性から考えると、いくらでもエモいエピソードを話すことができたはずだと思う。

でも、それはここではしない、話の続きは自分たちのライブにヤバTを呼んだときに行う、というMCをしていたのが印象的だった。

そういう部分でも、いつものやり方で”バチバチ”を魅せている感じがして、個人的に勝手ながらぐっときたのだった。

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良い意味でとても臭かったヤバTのライブ

自分は、同世代の人間の中では、比較的ライブに行っているタイプの人間だと思う。

しかも、ホールもライブハウスもポップスもバンドも隔てなくライブに行っているタイプの人間だと思う。

要は、ライブに対する免疫みたいなものは、わりとある方だと思う。

でも、この日のライブはそういう膜を突き破って、自分の琴線に迫るものがあったのだった。

というのも、この日嗅いだライブハウスのニオイがとても懐かしかったのだ。

いつしか、どこかに置いてきたような、そんな感じのニオイだった。

おばあちゃんの家のふすまのニオイとか通ずる、そういう類のニオイが、ヤバTのライブで充満していたのだった。

小箱でもモッシュやダイブがどんどん発生することで、熱気がどんどん生まれて、色んなニオイが立ち込めまくなる、そんなライブハウス特有のニオイだ。

自分は、最近、そういうライブハウスのニオイを浴びてなかったなーと思うし、そのニオイを浴びながら、ヤバTが繰り出すエネルギッシュなライブを観ると、シンプルにアガッたのだった。

ロックバンドってすげえ!って感じたあの時の原点のような衝動が、この日のヤバTのライブでは随所に感じられたのだった。

三人が演奏をはじめると、自ずとオーディエンスが蠢くし、抑えきれない衝動が気持ち良いの形で発露する感じ。

パンクとかメロコアをルーツに持ち、コロナ禍でもライブバンドとしてのスタンスを変えずにゴリゴリにライブを行ったからこそたどり着いた境地。

かつ、自分が執筆した記事調べでは、今年の大型夏フェスの出演ランキングで堂々の2位であるバンドであり、ライブのバチバチ具合は極みを迎えていた。

https://realsound.jp/2023/08/post-1416903.html

本当すごかったのだ。

これを言葉にするのは、難しい。

たしかにセットリストにレア曲がたくさんあったとか、そういう部分の凄さもあった。

でも、もはやそういうことは超越した凄さもあった。

何を披露したとしても、でかい音をぶちかませば、それだけで「うおー」がどんどん生まれる気迫があって、もちろん「何を歌うか」は楽しみにされているんだけど、でも、そういう部分を超越して、何がきても全員が全力で楽しむ空気がその場で醸成されている心地を覚えたのだった。

そういう意味で、大阪・三国ヶ丘FUZZは最強のライブハウスになっていたとも言えるし、あの場だからこそ作れる空気感があったようにも思うのだった。

ヤバTがどこまでもライブバンドであり、そういう実績を積み上げてきたからこその空気であったようにも思うし、曲のひとつひとつはコミカルだし、曲間のMCではふざけるパートもあるんだけど、どんなに”笑い”に走っても、曲を披露することで生まれるエネルギーは、どこまでも横道それずに突き抜けていたのだった。

久しぶりに、バンドのこういう感じにくらっている自分がいたのだった。

あと、ごく稀にもりもとのドラムが走ることがあっても、すぐに「それを見せ場」に変えていたのも印象的だった。

というのも、仮にリズムが走ったとしても、すぐにそこに焦点があって、三人があっと今に息を合わせてしまい、それをエッセンスにしてビートなりグルーブを生み出してしまうのだ。

そういうサマをみると、こういうところにヤバTのライブバンドとしての凄さがあるんだなーと感じるのだった。

・・・・ということもあるけど、結論としてはライブハウスが臭いことって、テンションが上がるというか、嬉しい気分になるんだなーと、コロナ禍を経て改めて発見したという話。

まとめに替えて

結論、この対バン、とんでもなかったし、特定の範囲で言えば、今年観たライブで1番だったかもしれない、と思う自分。

そして、今はOKOJOのライブに、ヤバTをゲストで呼ぶときのライブをぜひ観てみたいなと思うし、そのときのバチバチはきっとこの日のバチバチとはまた違う形で発露するんだろうなーと、そんなことを思うのである。

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