Official髭男dismの<one – man tour 2021-2022 – Editorial ->のライブレポ

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Official髭男dismの<one – man tour 2021-2022 – Editorial ->のアスティとくしま公演に参加した。

せっかくライブに参加したので、備忘録的なニュアンスで、そのライブについての感想のようなものを書いていきたい。

なお、公演で披露された楽曲についてもいくつか触れる。

なので、いわゆる<ネタバレ>を嫌うことは、ここでこの記事を読むのをストップしてもらえたら幸いである。

それでは、どうぞ。

本編

Official髭男dismのジャンルレス感が突き抜ける

自分が以前のOfficial髭男dismのライブを観たのは「ノーダウト」をリリースした頃くらいの話。

あの頃は、まだライブ・バンドとしては少しスキがあった。

曲は好きだけど、良くも悪くも、惹かれたレール通りに音を鳴らしているような印象を受けたのだった。

でも、ヒゲダンは<あの頃>とは色んな意味でまったく違うバンドへと進化していった。

少なくとも、知名度やセールス的な意味では、明白だった。

なぜなら、その翌年、Official髭男dismは「Pretender」をリリースしたからだ。

この楽曲をもってして、国民的なバンドになったことは、この記事を読んでいる方の多くが周知していることだと思う。

ちなみに、このライブではそんな「ノーダウト」も「Pretender」も披露されている。

ただ、いわゆるバンドが持つキラーチューンをライブ終盤に披露しますぜ、みたいな温度感でこの楽曲を披露していないのだ。

「ノーダウト」はリアレンジをされて披露されることになるし、「Pretender」は本編終了後のアンコールで披露されている。

変な言い方かもしれないが、ライブは「Pretender」、別にいらないんじゃないか・・・くらいの充実感があったのだった。

この心地こそに、今のOfficial髭男dismの凄まじさを垣間見ることになる。

ところで、このツアーのセトリは、今年リリースされたアルバム『Editorial』を中心に構成されている。

ただ、一般的なバンドだと仮にアルバムツアーだとしても、アルバムの曲を配置しつつも、重要な場面ではヒットソングを配置するのがオーソドックスであることが多い。

でも、ヒゲダンのライブはそういうお約束がないのだ。

いや、もちろん、「Editorial」のアルバム以外の楽曲も披露はしている。

んだけど、他のアルバムのキラーチューンを頼らずとも、そもそも「Editorial」にキラーチューンがてんこ盛りだから、別にそういうお約束は不要な感が強くて、全てがある種ハイライトになってしまうのである。(まあ、この辺りは歓声が禁止されているから、どの楽曲が<待望>なのか伝わりづらい側面もあるかもだが)

だからこそ、「ノーダウト」はそのまま披露するのではなく、リアレンジをすることが必然ですらあるかのように感じたのだった。

実際、「ノーダウト」のリアレンジは、アルバムの楽曲には足りていないジャンルを補完するかのような内容になっていた。

「ノーダウト」はブラック・ミュージック的なテイストが強く、ブルーノ・マーズ的なエッセンスを感じる楽曲だった。

そして、当時はそういうエッセンスこそがヒゲダンらしさとして語られることも多かった。

しかし、このライブでの「ノーダウト」は、そのヒゲダンらしさを一切提示しなかったのだ。

「ノーダウト」では、当時言われていたヒゲダンらしさは一ミリも出すことなく、様々なジャンルを織り込むアレンジとして披露されることになる。

スカ的なアレンジを入れてきたり、ボサノヴァ感を出してきたりして、ライブとしてアゲアゲソングとして展開されていく。

しかも、今回は徳島公演だったこともあって、藤原は波踊り的な振り付けでオーディエンスを盛り上げたりもしていく。

果ては、楽曲終盤ではメタル的な装いでハードロックなアレンジを披露。

いかつい形の鍵盤を背負いながらパフォーマンスする姿は、圧巻だった。

ここでポイントなのは、ヒゲダンの代名詞的な音楽ジャンルを改変させることで、逆に今のヒゲダンの音楽性をはっきりと提示してきたということ。

言ってしまえば、ヒゲダンの音楽センスはジャンルではもはや括り切ることができないことをはっきりと感じさせてくれたわけだ。

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ごちゃまぜジャンルなのに統一感のあるライブ感

Official髭男dismのライブを観て一番自分が感じたのは、このバンドはジャンルレスであるということ。

楢崎はベースを弾いているかと思ったら管楽器を演奏する一幕もあるし、小笹もギターを弾く傍らで打楽器を演奏するフェーズもある。

セトリ全体でみても、楽曲単体でみても、Official髭男dismは様々な音楽性を提示するパフォーマンスを続けていた。

ただ、ライブ全体がカオスになっているかと思えば、そんなことは一切ないのが面白いところで。

というのも、どの歌もライブの演出の中に綺麗にハマっていく美しさがあるのだ。

特に圧巻だと思ったのは、「Cry Baby」を披露する流れ。

アルバムを聴いてもらった人はわかると思うが、この楽曲だけがらっと雰囲気が変わる。

ライブでも、ここだけがらっと演出が変わるんだけど、その繋がりやハマり方が見事なのである。

前の楽曲がアゲアゲな展開だったため、そこから一気にシリアスになって、落差が半端ないにも関わらず、それが然るべき温度感で変化していくのだ。

楽曲としても異質な空気を放っているこの歌であるが、変に浮くことはなく、ライブの中に収まっていく。

しかも「Cry Baby」を披露している間は、綺麗に「Cry Baby」の世界観に变化していくのが見事で。

さらには、このあと、「Editorial」を披露していくことで、アルバムの核心に攻めるような演出へと切り替わっていくんだけど、その流れがどこまでもスムーズで、これがスムーズに感じてしまうのはヒゲダンの表現力が凄まじいからなんだろうなーと感じた次第だったのだ。

本編はバキバキに演奏するのに、アンコールでのMCは良い意味でスキだらけな感じも含めて、Official髭男dism感があってとても良かったのでした、という話。

まとめ

Official髭男dismは、今、もっとも日本で人気なバンドの一組だと思う。

そのもっとも人気、の名にここまで恥じないパフォーマンスをするバンドだとは・・・と卒倒してしまうレベルだった。

良いバンドって、会場全体の音を充満させていき、音が止まらない心地を覚える。

この日のOfficial髭男dismのライブは、まさしくそんなライブだった。

音が常に自分の方に向かっていく、そんなライブだったのだ。

楽曲としての完成度もさることながら、ライブ・バンドとしての完成度も圧倒的だった。

だからこそ、Official髭男dismはどんどんバンドとして明らかな進化を放っているのだろうなあと思う。

もっと言えば、これから先もよりバンドとして凄まじい存在感を放っていくことになるのだろう。

そんな想像が確信に変わっていく、そんなライブだったということは最後に記しておきたい。

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