前置き

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この記事では、NICO Touches the Wallsについて書いてみたい。

さて、このブログを定期的に読んでいる物好きな方なら知っているかもしれないけれど、僕はスピッツとUNISON SQUARE GARDENが好きである。

どちらもベースがよく動くことでお馴染みのバンドなんだけど、実は今日記事に取り上げようと思っているNICOは、そんな二組とも縁のあるバンドである。

まず、UNISON SQUARE GARDEN。

実は、UNISON SQUARE GARDENの初ライブとなったコンテストに一緒に出ていたのがNICO Touches the Wallsだった。

で、このコンテストは大賞に2組選ばれるのだが、見事そのコンテストに勝った2組がユニゾンとNICOなのだ。

そんなNICOのフロントマンである光村が、曲を作り始めたきっかけとなったのが小学校3年生の時に聴いた、スピッツの名曲「ロビンソン」だった。

「ロビンソン」があったから光村は曲を作るようになったし、「ロビンソン」と出会ってなかったら曲を作っていなかったのかもしれない。

そんな大好きな二組のバンドと強い所縁を持つNICO Touches the Walls。

だけど、僕はNICO Touches the Wallsに関しては、びっくりするほどハマらなかった。きちんと聴いてこなかった。

本編

なんでハマらなかったのか

一言で言ってしまえば、曲を聴いてもピンとこなかった。

これに尽きる。

NICOって比較的シンプルな正統派ギターロックで、どちらかといえばオールドロックな匂いが強くて、当時はその楽曲やサウンドに真新しさを覚えなかったから、そんなにハマらなかったのだと思う。

当時だと、僕は凛として時雨だったり、サカナクションなんかが好きだったんだけど、その理由をあえて言葉にするなら、自分の中でこのサウンドを聴いたらそのバンドだってわかるようなバンドだったから、というのがある。

もちろん、NICOだってそういうバンドだよっていう指摘はあると思うけど、少なくとも僕にとっては、当時のNICOの音はありきたりに思えたのだ。(ちなみに、ユニゾンは歌詞と曲に強い個性を感じていた)

また、NICOをライブで何回か観ることもあったんだけど、ライブもそこまで印象に残るものではなくて、そのままスルーしてしまっていた。

なぜ聴くようになったのか?

筆者はTwitterをやっているのだが、TwitterのフォロワーにNICO好きが多くて、ユニゾンが好きなら絶対にNICOもハマりますよ、と言われていたのだ。

某すぐにTwitterでセトリをあげることで有名な音楽ブロガーも、昔のライブはともかく、今のNICOのライブはすごいからぜひ観るべき、と言われていた。

ライブは縁もあるので、行くかどうかはまだわからないけれど、ここまで勧められたら「んじゃあ、アルバム、一から遡って聴くか〜」となったわけだ。

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改めてNICOを聴いてどう思ったか?

率直に言おう。

演奏、めちゃくちゃカッコイイじゃないか?

なんで俺は今までNICOを聴いてこなかったのか。

そんな気持ちにさせられるサウンドだった。

いやね、最近、メジャーになっても「カッコつけているバンド」って、きちんと努力しているバンドが多いのではないかなーって思うのだ。

例えばさ、インディーズ時代にイキっているだけなら、ただの大言壮語で笑ってもらえるけれど、メジャーになって、活躍する世界が広がれば、だんだん「イキっていられなくなる」んじゃないかなーと思うのだ。

それは実力的な部分からもくるものだろうし、客観的に自分を見ることが増えるからくるものだろうし、色んな人から色んな評価をもらうからくるものだろうという気がするのだ。

だから、どれだけ若い時はカッコつけていたバンドも、あるタイミングで大人しくなる気がする。

けれど、NICO(とドロスもそうかな)は、それでも良い意味でカッコつけているように感じるのだ。

で、きちんとカッコつけた自分であることが恥ずかしくならないように、切磋琢磨しまくっていて、カッコつけた自分に見合うようなサウンドを鳴らしているように感じるのだ。

要は、バンドとしての音がどんどん進化していく的な話である。

かといって、NICOの場合は飛び道具を使って、足し算をすることで、バンドサウンドをカッコよくするタイプのバンドではない。

ベースはバンドの基本となるような楽器だけであり、それこそオールドロックな匂いを残したままである。

当然ながら、足し算をしないバンドがいつまでもカッコつけられるサウンドを鳴らすとなれば、やるべきはことは一つしかない。

各パートの技術をどれだけ磨くか。

そこに尽きる。

NICOもまた、その磨き方がとんでもないバンドであり、過去から曲を遡って聴けば聴くほど、その進化が手に取るようにわかるのだ。

とはいえ、NICOの場合、初期の頃から完成度の高いバンドだった。

さっき名前を挙げたバンドで言えば、ユニゾンや時雨の場合、もちろん上手いのは上手いのだが、今聴くと随分隙のある演奏をしているように感じる。

けれど、NICOの場合は、デビュー当時の音源を聴いても隙がない。

これで完成しているように感じるのだ。

だから、もうここから進化なんてしないのではないか?ここからさらにバンドとしてカッコよくなることなんてないのではないか?そんな気持ちにさせられなくもないんだけど、新しい音源を聴くと、その認識が変わる。

超えてくるのだ。

もうこれ以上は進化しないだろうと思っていたバンドサウンドが明らかに進化している。

しかも、あまり大きくアレンジを変えているわけではないのに、その進化がはっきりとわかるのだ。

例えば、ギターをブリッジミュートするという作業一つだけとっても、今と昔で全然違うのだ。この違いはなかなか言語化することが難しいので上手く言えないけれど、ギターの楽器の魅力がより伝わる演奏をしてくるのだ。

楽器って、こんな可能性もあるんだよ、っていうことを教えてくれるような演奏をするのだ。

そして、思う。

いつまでもカッコつけられるバンドでいられるのは、こういう進化ができているからなんだろうなーって。

NICOはそういうカッコつけと似合う進化をしてきた、そんなバンドなんだなーって。

音源を聴いただけで、そう思うのだ。

きっとライブはもっと凄いんだろうなって思うのだ。

まとめ

メジャーデビューになると、バンドって音がカラフルになりがちである。

その「カラフルさ」こそが、メジャーデビューの証であったりもする。

けれど、NICOはそうではなかった

音だけで言えば、どんどん渋みを増してきたバンドのように思うのだ。

印象的なギターフレーズ、シンプルで重厚なリズムビート、骨太なバンドサウンド。

そういうロックバンドとしての「基本」でカッコいいを見せつけてしまうNICOのサウンドって本当に凄いと思うし、もし「ロックンロールとは何か?」という問いがあるとすれば、NICOのようなサウンドのことを指すのかもしれないなーなんて思う。

演奏のレベルはどんどん変化しているのに、今までにリリースされたフルアルバム6枚のカラー自体は、そこまで変わっていないように感じる。

変化はしないけれど、進化はしていく。

変化はしないのに、進化はしていく。

だからこそNICOってすごいし、かっこいいバンドなんだなーって思うのだ。

ライブでぜひ見てほしいと言ってくれた人の気持ちが今ならわかる。

推してくれる人が多い理由も今ならわかる。

いや、こんなんカッコいいやんしか言えないよ。

でも。

きっと音源を聴くだけでは、NICOの魅力の半分も理解できていないのかなーなんて思う。

近いうちに、ライブ、観に行きます。

そしたら、またその時にNICOについての文章をかきたい。

近いうちに。

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