前説

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基本的にバンドって3〜5人くらいのイメージが強いのではないかと思うし、これを読んでいるあなたも好きなバンドが3〜5人編成の可能性が高いと思う。

少なくとも、音源をバンド内だけで再現しようと思ったら(基本的には)最低人数として3人が必要であることが多く(ギター、ベース、ドラムが最低限の楽器編成と考えることが多いからだ)その結果、スリーピースバンドは見かけることがあっても、二人組のバンドを見ることは少ない。

なので、この記事ではそんな二人組のバンドをいくつか取り上げ、ご紹介していきたいと思う。

また、今回はライブではサポートを入れて活動するバンドもしないバンドもごちゃまぜにしてご紹介しているが、その辺りはご了承頂けたら幸いである。

本編

ドミコ

https://youtu.be/IEfCtGHgaLk

ギターボーカルのさかしたと、ドラムの長谷川からなるツーピースバンド。

前置きでも述べたが、ツーピースバンドの足りない楽器はサポートを入れて補うことが多いが、ドミコは(僕が知っている限りでは)二人でライブを演奏する。

一般的なフォーマットで言えば、ベースが不在なのだが、不思議なことにライブで見ると二人組とは思えない迫力が生まれている。

ルーパーを使って、ギターの音をループさせることで、ギターの音を重ねていき、それを匠みに使いこなすことで音に厚みを生み出していくのだが、その重ね方、グルーヴの生み方が絶妙なのである。

全体的な質感はガレージっぽいそれなのだが、独特のローファイ感がサイケデリックな感じも生み出しており、バンドだからこそのタイトさと、邪悪さを孕んだ音を生み出していくのである。

少なくとも、ツーピースだからバンドの迫力ないんでしょ?と舐めている人たちの度肝を抜くバンドサウンドであることは間違いない。

よくバンドを紹介するとき、「ライブを見てほしい」という決まり文句があるけれど、ドミコほどそういう言葉が適任なバンドもいないのではないかと思う。

バンドってこんなこともできるんだぜ?という既存を価値観を破壊して、新たな想像力を換気させる音楽的豊かさがドミコにはある。

yonige

https://youtu.be/RrAr388jvC0

元々はスリーピースバンドだったが、2015年にドラムが脱退し、二人組になって今に至る。

ドラムはサポートで入れているので、ライブのサウンド的にはシンプルなスリーピースバンドのそれになることが多いんだけど、おそらくyonigeがyonigeらしく活動できているのは、yonigeがツーピースバンドだからだと思うのだ。

ボーカルの牛丸はなかなかにクセの強い女性で、それは「アボカド」を始めとする歌だけでも明らかだろうし、良い意味で赤裸々だから遅刻なんかも常習犯だそうで、二人のインタビューを読むたびに、相方がごっきんだからこそ、成立するバンドなんだろうなーと感じる。

yonigeの良さは不必要に男に媚びない姿勢であり、同世代の同性を魅了するカリスマ性にあると思うのだが、そのカリスマ性が維持できるのは、奔放な牛丸がいるからであり、その奔放な牛丸を基本的に肯定し続けるごっきんがいるからだし、つまるところ、このバンドがツーピースバンドだからこそだなーと思う。

メジャーになっても中途半端に露頭に迷うことなく、己のカラーを出しながら活動できている所以はそこだと思う。

yonigeの場合、音そのものというよりも、バンドカラーにツーピースの精神や佇まいが反映されているって感じである。

たぶん、yonigeは追加メンバーを入れることなく、このままずっと行くんだろうなーという気がする。

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ART-SCHOOL

あまりにもたくさんのメンバーチェンジを経たので、オリジナル・メンバーって何人だっけ?と思ってしまうが、一応現状は、木下と戸高の二人組バンドということになる。

まあ、このバンドの場合、ツーピースバンドの魅力、というよりも、バンドってなんだろうと考えるきっかけになるかもしれない。

ミスチルやスピッツみたいにずっと同じメンバーでやっていくのも一つの芸ならば、その作品をリリースしたらそのバンドをやめてしまうかもしれないくらいのヒリヒリした関係性で音楽を作る良さというのも当然あるわけで。

むしろ、それくらい殺伐とした関係だからこそ、質が高く、妥協のない音楽を作ることができる、ということもあるのかもしれない。

少なくとも、ART-SCHOOLのバンドサウンドは妥協がないし、木下がどこまでも妥協のないフロントマンだったからこそ、今はツーピースバンドになっており、ツーピースになってもなお活動をしているという実態があると言える。

ART-SCHOOLの場合、結果的なツーピースでしかないし、オリジナル・メンバーが二人なだけで、実質的な活動は何一つツーピース的ではないんだけど、ただ、ART-SCHOOLはツーピース(あるいはメンバー全員が離散してしまってもいいくらいの)覚悟で音を鳴らしていたわけだし、だからこそ、未だに名を語り継がれるバンドになっていることは確かだろう。

そんなことを、僕は思う。

ポルノグラフィティ

基本的に二人組になると「バンド」とは呼ばず、「ユニット」と呼ばれることが多くなってしまう。

また、呼ばれる側も「バンド」という単位をこだわることは少ないのだが、ポルノグラフィティだけは「ユニット」ではなく「バンド」であることにこだわっている二人組だと思う。

ポルノは前述で紹介した人たちに比べたら、ポップ的というか大衆的な匂いも強く、聴き手の認識としても「バンド」とは捉えていない人もいるかもしれない。

まあ、その判断するのは人それぞれだからおいておくとして、二人組になり、自分たちだけでアレンジも手掛けるようになってからのポルノの進化は凄まじいというところだけは述べておきたいと思う。

二人が「バンド」という意識を持っているからこそ、ここに来て目覚ましい進化を遂げている、という意味において、ポルノは日本が誇るツーピースバンドの一組なんじゃないかと僕は思っている。

新曲「VS」も、A面である「VS」はキーボードが表に出ているポップスの匂い強めな美メロソングって感じなのに、「プリズム」はイントロからキレキレのエレキギターが鳴り響いて、ロックバンド感の強いかっこいいナンバーになっている。

なお、その後に続く「一雫」はアコギと打ち込みが冴え渡るナンバーという感じで、バンドの幅広さを堪能できる一枚になっている。

しかも、「VS」「一雫」は晴一作、「プリズム」は昭仁作で、両者がそれぞれの今持っている勝負曲を出してきた感があって、この辺もいいなーと思う。

何が言いたいかというと、ポルノ新曲いいよって話である。

まとめ

海外に視野を広げると、White StripesやRoyal Bloodなんかもいたりしているので、ツーピースバンドならではのサウンドを堪能したい、ということであれば、現状は海外をほっていく方が早いのかもしれない。

まあ、それはさておき、同じ二人で活動しているバンドでもサウンドに対するアプローチは千差万別で個性が出ていて面白い。

何より、バンドの場合、メンバーが多いと裏側は置いといて、傍目からみたら、フロントマン以外のキャラクターが見えづらくなることが多い。

けれど、ツーピースだと否応なくメンバー全員が脚光を浴びるし、ライブだとなおのことそういう性質が強くなると思う。

だからこそ、よりバンドの濃度が強くなっていくのだろうし、実際、今回紹介したバンドはそういう個性のカタマリのバンドばかりだった。

だからこそ、二人組は面白いのである。

というわけで、聴いたことがないバンドがいましたら一度聴いてみてくださいな。

では今回はこの辺で。ではではでは。

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