前説

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UNISON SQUARE GARDENがたくさんの人たちに見つかってしまった感のある2019年。

なぜ彼らはここにきて、「さらに」人気者になってしまったのだろうか?

いや、元々人気だったんじゃんか?という主張はあるかと思う。

でも、2018年から2019年にかけて、さらにたくさんの人に「見つかってしまった」気がするのだ。

この記事では、そのことについて掘り下げながら、UNISON SQUARE GARDENが生み出したバンドシーンにおける功罪について考えていきたい。

本編

なぜユニゾンはより人気になったのか?

「シュガーソングとビターステップ」は2015年の年間iTunesチャートで5位に入っていたから、本来であればその時で十分「見つかっていた」と言える。(ちなみにその年の年間一位はSEKAI NO OWARIの「Dragon Night」、二位は三代目 J Soul Brothersの「R.Y.U.S.E.I.」であることを考えると、その凄まじさがよりわかると思う)

が、ここ最近の彼らの人気ぶりは、その時を遥かに超えている気がするのだ。

それはなぜだろうか?

要因は色々あると思う。

より曲が良くなったし、演奏が上手くなった

これは間違いない。

特に「Dr.Izzy」以降のユニゾンの演奏のシャープさ、楽曲の仕上がり具合は本当に隙がなくて、好きになる人が増えるのもわかるよなーと思う。

2018年にリリースされた「MODE MOOD MODE」は見事にその期待に応えた、これまた隙のない作品であるように思う。

ビジュアルが優れている

メンバーがシンプルにカッコいい。

で、ビジュアルの話をすれば、細身のボーカルであるサイトウコウスケに注目が集まりがちだが、足腰ムキムキの肉体派、ベースの田淵も実はイケメンだったりする。

ボーカルは細くてカッコいい、ベースはムキムキでかっこいいという隙のなさ。

ドラムの人も……色々素敵である。

そうなのだ。ユニゾンは、実はどんなニーズにもお応えできるような、最強バンドだったりするのだ。

何よりライブが良い

で、行き着く結論はここだと思う。

シンプルにライブが良い。

一般的なロックバンドって無駄に煽るし、自由に楽しんでくれよと言いながら、容赦なく楽しみ方を制限・強制しがちである。

手を上げろーとか、飛んでくれとか!手拍子しろとかオカンのように喧しい。

こっちが好きにしたくても容赦なく指図をしてくる。一体感を要求してくるし、そこにアンチしていると、非国民を見るかのような目で見てくることもある。

そうじゃなくても、バンド側は「うおーっ!」とか「あちょー!」とか奇声を発していて、煩い。ライブに集中できない。

音源は好きなのにライブはな〜〜〜ちょっと微妙だな〜〜〜そう思うバンドがそれなりにいるのだ。

SiMみたいに煽ってなんぼのバンドならともかく、楽曲をじっくり聴きたいバンドでも「うおー!」とか「かかってこい!」とか言うじゃないですか?ほんとライブへの集中が阻害されやすい。

けれど、ユニゾンのライブでは、そんなことがない。

確かに多少、田淵の動きが喧しいことはあるが、基本的にはユニゾンのライブは余計な指示が一切ないし、本当の意味で自由にライブを楽しませてくれる。

ロックバンドのライブをピュアに楽しむことができる、そんなライブをしてくれるのだ。

しかもそこで披露される演奏が文句なくかっこいい。

言うことないわけである。

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でも、それだけじゃない

と言うのが、ユニゾンが人気者になった大きな要素なのかなーと思うわけだが、でも、それだけではないように思う。

物好きが増えて、もはやユニゾンファンが「物好き」ではなくなってしまった理由は、もう少し別にあるように思うわけだ。

というより、理由や要素というより、そこにある背景への説明が少し足りないという感じかもしれない。

物好きが物好きじゃなくなった大きな背景。

それは、ファンの世代が上手に移行していることなんだろうなーと思うのだ。

彼らは、なんだかんだ結成15周年を迎えるバンドだ。

メジャーデビューから数えても、11年のキャリアを誇る中堅バンドである。

メジャーデビュー当初に18歳だった人は、もう29歳なわけだ。

逆に言えば、今18歳の子は、彼らがメジャーデビューした頃はまだ7歳だったわけだ。

彼らがデビューした頃に7歳くらいだった子も、今では彼らのライブの熱狂の渦に巻き込まれていると考えたら、すごいことだよなーと思う。

わりとそれなりにキャリアを誇るバンドは、あるタイミングで基本、人気が翳りがちだ。

そんなふうに人気に少しずつ陰りを見せてくるバンドは、基本、下の世代を熱狂させることができないことが大きな要因であるように思う。

けれど、ユニゾンは下の世代になればなるほど、魅力している人たちの数を増やしている。(しかも、並行して年配のファンも増やしている)

これはすごい。

しかも、タイアップのほとんどがアニソンだったこともあり、アニヲタからも認知度も高いという隙のなさ。

そうなのだ。

知らず知らずのうちに、ユニゾンは世代もクラスタも越えて音楽を届けたからこそ、ここまで大きくなったのである。

なぜ、こんなことを可能にしたのか?

それは前述の理由もさることながら、自分たちは好き勝手にやっているというが、本当の意味で好き勝手にやっておらず、「受け手がどうすればストレスなく好き勝手にロックバンドのライブを楽しんでもらえるか?」という課題と真摯に向き合ってきたことが大きいように感じる。

制作する作品は作品ごとの揺さぶりをかけつつも、自身が持つバンドとしての哲学は一切ブレず、自分たちの余計なエゴなんて出さずに、そのことと向き合ってきたバンドだからこそ、立てる境地なのだろうと思う。

きっとユニゾンの立ち位置は、マーケティングにやっていたら絶対にできない。

次、売れるためにはこういう要素が必要だなーとか、もっとお客さんを増やすにはこういう仕掛けが必要だなーとか考えていたら、おっさんになって感性がブレブレになる頃には、そういうダサい魂胆がダダ漏れになってしまい、自分たちよりも干支一回り以上離れた人たちの心を掴むことはできなかったはずだ。

マーケティング的な発想とは別のところで、ファンのことをきっちり考えるバンドだったから、シンプルにカッコいいと言えるロックバンドに成長したし、シンプルにかっこいいバンドだからこそ、下の世代を魅力するようになったという理屈。

そして、自身の哲学がきちんとライブにも反映しているから、なおのことかっこいいし信頼できるという理屈。

まあ、もちろん、メンバーの見た目が良いというのが前提としてあるのだろうけども。

ユニゾンの功罪

ただし、ユニゾンにはひとつ功罪がある。

それは中学生や高校生で、初めてバンドにハマったのがユニゾンだった場合、なかなかユニゾン以外のバンドに沼れなくさせているということである。

どういうことか?

まず、ユニゾンのようなカッコよさを持ち合わせているバンドが今のシーンには少ない。

煽りも余計なMCもなく、あそこまでライブがかっこいいのは、ユニゾンだからだ。

歌と演奏にシンプルに没入できて、手拍子や手を挙げるタイミングすら「好きな人が好きな時にしたらいい」というスタンスのロックバンドのライブが、自分の価値のデフォルトになってしまったら、なかなか他の若い人気のロックバンドのライブじゃガツーンと来ないはずだ。

つまり、ユニゾンファンになってしまったせいで、ロックバンドのライブに対する耐性ができてしまった若いリスナーが多いはずなのだ。

つまり、ユニゾンじゃないと満たされないリスナーが、それなりにたくさんいるはずなのだ。

つまり、他のロックバンドのライブだと、なかなか上がらないバンドファンが、それなりにたくさんいるはずなのだ。

こういう人たちをたくさん生み出してきたということ。

これは、ユニゾンの大きな功罪であるように思うのだ。

まとめ

ロックバンドとして基本的に死角がないバンド。

それがユニゾンだ。

だから、人気者になったわけだ。

しかし、もし難があるとすれば、ひとつだけある。

それは、メンバーの一部の髪の毛がすぐに乱れてしまうということ。

最近の某氏は、カリメロみたいな髪型になっているのが気になるし、基本的にみんな髪の毛伸びるの早すぎると思うのだ。

髪型だけはそれなりにちゃんとしてほしい。いや、別にちゃんとしなくてもいいんだけども。

そんなことを思いながら、この記事のまとめとさせて頂きます。

ではではでは。

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