前説
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たまには、いかにも音楽ブログの音楽コラムっぽい記事を書いてみようと思う。
第して、2020年、なぜこの音楽がバズったのか?の論考。
本編
ヒット曲の広がり方について
瑛人の香水の話
2020年の音楽シーンを振り返ってみると、今年は瑛人の「香水」やNiziUの「Make you happy」が話題となったことが注目される。
この2曲に関しては本当に世間的にも浸透したと思うし、国民的なヒットを果たしたといっても過言ではないだろう。
こうやってみると、テレビの取り上げの数が増えると、=として国民的なレベルに浸透するといえるのだろうなーと思うんだけど、そうなっていった背景をよりつぶさに見ていくと、<真似しやすさ>が重要になっているんだろうなーと改めて思っていて。
多くの方がご存知のとおり、「香水」に関しては、色んな芸人がネタにしていくことで存在感を増した一曲である。
もちろん、芸人が「香水」を取り上げる前からある程度話題になっていたからこそ、な部分はあるわけだけど、ここまで存在感を示したのは真似される回数が爆発的に増えたからこそだと思う。
また、たくさん真似されるうえで「香水」は真似しやすい歌だったことは間違いないと思うのだ。
例えば、歌う上でもうちょい難易度が高い歌だったらここまでたくさんの人が真似をしなかったと思う。
歌ううえでの難易度や、楽曲としてのシンプルさなどがちょうど真似しやすいレベルだった。
それ故に「香水」という楽曲の知名度を上げたのだと思う。
まあ、あとはアーティスト自身に強烈なレベルの熱狂的なファンが少なくてイジりやすかったというのもあるのだろうけども。
NiziUの「Make you happy」の話
また、NiziUの「Make you happy」に関しても、Nizi Projectが話題になったことや、そこから一部メディアが猛プッシュしたからこその知名度ではあると思うんだけど、「Make you happy」が大きな話題になったうえでは<真似しやすい>の部分が大きなファクターをしめているように思う。
ひよこダンス、というワードを聞いた人も多いと思うが、これはNiziUの「Make you happy」のダンスの振り付けの一部を示したワードである。
これを真似する動画がネットでもテレビでもたくさん取り上げられた。
この<真似をする>をきっかけにして、曲としての求心力を大きく伸ばしたように思うわけだ。
ひよこダンスの難易度も絶妙で、ダンスをやっている人ならちょうど真似をできるレベル、ダンスをやっていない人やリズム感がない人はムズい、というレベル感だからこそより<真似されること>に拍車がかかったのだと思う。
だって、これが三浦大知レベルのダンスだったら難しすぎて誰も真似しないわけだし、誰でも真似できる振り付けだったらSNSで投稿する旨みがなくなってしまうわけで、この塩梅が絶妙だったからこその部分はあるよなーと思うわけである。
真似をするのムーブメントを作るうえでのTik Tok
音楽が趣味の人間だったら音楽メディアが新しい音楽に出会うためのきっかけになることも多いだろうけれど、世間的にいえば、そういうことは稀だと思う。
母数だけでいえば、出会うきっかけとしては大きいのはテレビ(CMやドラマ問わず)だと思うけれど、昨今は特定の層・世代に対してTik Tokの影響が相当に大きい。
実際、突然的にYouTubeでガーンと再生数が伸びたり、サブスクのチャートにランクインするとき、高い確率でTik Tokで話題になっていることが多い。
好きな音楽がTik Tokで話題になって売れることに嫌悪感を持っている音楽好きもいるとは思うが、良い悪いは別にしても新しい音楽と出会う場所としてTik Tokが相当なる影響力を持っていることは事実である。
思えば、「香水」や「Make you happy」がヒットした背景にはTik Tokは関係している。
Tik Tokって音楽の消費のあり方が独特だと思うけども、その中でも<真似しやすい>はわりと重要なのかなーと思っていて。
Tik Tokの本質って楽して承認欲求を満たしたいという人間の煩悩が背景にある気がするので、真似しやすくてたくさんの人と共有しやすいものほど爆発的なエネルギーを持つようになるのかなーなんて思うのである。
きっと、「Make you happy」のひよこダンスの投稿だって増えていたはずだし、Tik Tokの登場数が増えるうえでも真似しやすい重要になる(まあ、動画に対してつけるBGMとしてふさわしさが重要な部分もあるんだけど、その辺りは今回は割愛させていただく)
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真似しやすいと対極のKing Gnu
そう考えたとき、圧倒的な真似のしにくさで存在を強めているKing Gnuって凄いバンドだなーと勝手に思っている自分。
歌唱力に自身があるタイプの人の歌ってみた系の動画だと、わりとOfficial髭男dismの「Pretender」が登場しやすい。
これって「Pretender」が一段高いレベルにある真似しやすい(もちろん、真似しにくい歌であることは承知なんだけど)歌だからだと思っていて。
歌が上手い人が、自分って歌が上手いんですよ、ということを示すうえで、Official髭男dismの「Pretender」は真似しやすい歌なんじゃないかという見立てである。
つまり、「Pretender」もまたある種の<真似しやすい>歌だからこそ、より高いレベルで世に浸透したんじゃないかと思うわけだ。
そう考えた時、King Gnuはマジで真似しやすい人が少ない。
いや、まったくいないことはないんだけど、<真似できている>と自信をもって言えるレベルにまで昇華できた人があまりにも少なくて、扱いづらい曲なのかなーと勝手に思っている。
なので、起用されることが極端に少ないのかなーと勝手に思っている。
King Gnuのモノマネに関していうと、自分は「世界の果てまでイッテQ!」で放送されたガンバレルーヤのモノマネしか記憶に残っていない。
King Gnuは今年リリースした「三文小説」もまったく人に真似されるつもりがないような激むずな歌だし、トレンドに左右されずに自分たちの美学を貫くところに改めて凄さを覚える。
ヒット曲はその年に生まれるものではない
今後もヒット曲が生まれる背景として、真似しやすさは重要な要素になるんだろうなーと改めて思った一年だった。
とはいえ、King Gnuの例もあるし、必ずしもそれだけがヒット曲の要因ではない、というのがこの記事の結論となる。
まあ、ヒット曲の要因はたくさんあって、ひとつで語ることはできないんだけどね。
では、今回はこの辺で。
ではではでは。
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