年度末になると、絶対に沸き起こる議題。

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それは、誰が今年一番売れたか問題だ。

個人的な今年最大のニュースは、エルレが長い沈黙を経てついにライブを行ったことであり、もっと個人的な最大のニュースは転職したことである。マジでどうでもいい話だが。

さて。

今年一番ブレイクしたのは誰だ?という話をすると、まず、ここでいう「ブレイク」とは何を指すのか?という話をしていくことになる。

ビジネスの現場であれば、基本、ここは数字の話となる。

CDの売上枚数は?Youtubeの音源再生数は?ストリーミングの再生数は?それでどれほどの利益を出したのか?ライブの動員数は?フェスでの集客力は?グッズは???などなどなど。

その他、様々な数字を使うことで、客観的根拠のある「ブレイクという事実」を浮き彫りにしていくことになる。

もはや、ほとんど価値はなくなったオリコンチャートみたいなセールスランキングも、ここではひとつの指標になるかもしれない。

あるいは、Twitterで呟かれた単語を精査していき、どのバンド名が一番呟かれたのかとか、どういうタイミングに話題にされたのかなどを精査していけば、見えてくるものもあるだろう。

いずれにせよ、客観的な数字を並べて、それを比較・検証することで、ブレイク像は見えてくるわけだ。

けれど。

そういう数字を分析していく作業は、それこそオリコンなんかの企業がやるべきだし、日経エンタテイメントなんかでも、そういう数字まわりのまとめはしてくれることだろう。

であれば。

どうせならこの記事では、数字という客観的なファクトを検証するよりも、もう少し感覚に持ち寄った話をした方がいい気がする。

というか、色んな数字を探して根拠を示す作業が面倒くさいし、そういう「疲れる話」は仕事だけで充分なので、この記事ではもう少し感覚的な話をしていきたいなーと思うのだ。

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そもそも、どの層に対してブレイクと語るのか?

どこかのバズリズムでは、CHAIが今年一番バズるなんて話をしていたように記憶しているが、今年一年が終わりに差し掛かって感じるのは、別にCHAI、バズってなくね?という実感である。

Mステに出た時、タメ口が云々かんぬんで話題になっていたが、ここでわかったのは音楽やパフォーマンスと関係ない部分で愚痴愚痴言う奴に限って、その後の音源は、滅多に聴くことがないという事実である。

要は、やかましい人ほど、そのバンドのファンから遠い存在であることが多いということ。

ところで、こういう若手バンドのブレイク話をすると、どうしてもWANIMAとかヤバTとかの功績と比較してしまいがちで、今年は特にどのバンドもバズらなかったね!なんて話に終着してしまう。

でも、泣く子も黙るあの米津玄師ですら、「世間」に認知されるまでにはそれなりの年数がかかっているわけで、本来、老若男女問わずに認知される状況を生み出すのは、1年とか2年で達成されるものではないのだ。

話を広げて、数年後にはよりたくさんの人に認知されそうなバンドになっていそう、という状態まで含めて「ブレイク」と呼ぶのであれば、今年だってそれなりのバンドがブレイクしたように感じる。

実際、界隈ではもともとブレイクしたと呼ばれていたバンドが、より大きなスケールになっている流れは、今年もたくさんあったように思うのだ。

sumikaであれマイヘアであれ、そういう規模のバンドが、シーンでの存在感をどんどん強めているわけで。

で、その後ろで控えているネクストブレイクバンドも、どんどん存在感を大きくしているように感じるのだ。

いや、だってね、マジで今年のレディクレのアンテナステージをみてほしいのだ。

ネクストブレイクのステージのやつら、もうブレイクしてるやん感すごくあるでしょ?

つまり、どんどんどんどんどんどん、次に「ブレイクしそうなバンド」が増えているし、ブレイクしそうなバンドが多すぎて、ネクストブレイクと言われる頃には「もうブレイクしてるやん」状況が生まれちゃってるわけである。

ネクストブレイク!って言われてる段階で、
Youtubeで100万再生とかザラにいるわけでしょ?

いや、もうそれブレイクしてるやん?Youtuberがそんなん聞いたら卒倒するでしょ、こんなん?って話である。

まあ、ブレイクという話をする場合、わかりやすく大型タイアップをもらってどかーん!ってなっているバンドの方が「ブレイク」感は出てくるのだろうけども。

そういう意味でいえば、今年月9ドラマの主題歌に抜擢されたOfficial髭男dismなんかは、今年一番のブレイクバンドの一つと言っていいのかもしれない。

ただ、大型タイアップをもらったこと、特定の曲の認知が高いこと=ブレイクとするのかどうかは吟味するべきポイントで、実際、髭男の名前自体が浸透したのかについては、他の要素をみて考える必要があるのかなーと思ったりする。

ポップスと近づくロック

そんななかで、ひとつ思うことがある。

ポップスというカテゴリーは、すっかりバンド側のものになってしまったなーという印象である。

先ほど名前を挙げた髭男やsumikaって、ロックバンドというよりもポップスじゃん!ってノリで聴いてる人が多いように思うのだ。

もちろん、ただのポップスでないのは重々承知であるが、カテゴライズしてみていくと、ポップスと距離の近いバンドであるように思うのだ。

ポップス=アイドル、といっても差し支えがないくらい、ポップス畑と呼ばれるアーティストの存在が不在になっている。

ゆずとかコブクロとかいきものがかりみたいな、あるいはPerfumeみたいな、老若男女に愛されるアーティスト、ユニットがすごく減っているように感じるわけだ。

というか、老若男女に愛されるバンドが増えてきた、という方が正しい認識なのかもしれない。

結果、バンド音楽がよりポップスと近い距離になってきたというか。

まあ、やりたいことを極めているような男性ソロアーティストに限って、老若男女に支持されているアーティストが増えている気もするが。

どっかの米津とか、どっかの星野源とか。

で、そんなセールスで圧倒的な存在を放っているアーティストに限って、最新シングルはバンドサウンドからも、ポップスからも距離を置いているものをリリースしがちだったりするのだが。

結論として

色々と話が逸れてしまった。

では、今年、誰が一番ブレイクしたのか?の話である。

もちろん、バンド好きの界隈でのブレイクと、そうじゃない界隈でのブレイクは違うので一概には言えないが、もし昨年と今年との比較における、知名度の増加具合で「ブレイクしたアーティスト」を決めるのだとすれば、個人的に一番に挙げたいのは彼女である。

あいみょん、である。

おそらく、普段能動的に音楽を聴かない人にもその名前を広めたという意味で、一番に挙げるとしたら、あいみょんだと思うのだ。

もし、今でも90年代のようなノリでCDが売れていたとしたら、あいみょんの次のアルバムは、絶対にミリオンセールスを叩き出したと思うのだ。

感覚的に、そういう実感がある。

それくらい、リリースするシングルのひとつひとつが、リスナーに届いているように感じるのだ。

なにより、特定の曲だけが支持されるのではなく、リリースした音源が満遍なく支持されていること、前年にリリースされた曲を未だに沢山の人が聞いていること(これはストリーミングのランキングをみれば、明らか)は大きいように感じる。

もちろん、広がり方の数だけの話をすれば、米津玄師の「lemon」とDA PUMPの「U.S.A.」と二強のようには感じる。

ただ、米津玄師は去年でも相当に知名度があったわけで、昨年との増加率でいえば、あいみょんの方が強いのかなーと思うわけだ。

なにより、あいみょんは年末に紅白があるわけで、そこからの広がりも含めて考えたら、エグいことになるんだろうなーと。

下手すれば、宇多田ヒカルとか椎名林檎とか西野カナとか、そのレベルになるのかなーと思ったりする。

というか、ケータイ世代の歌姫と言われ続けた西野カナの「歌姫」のバトンが、ようやく次世代に託される瞬間が生まれそうというか。

不在だった「スマホ世代の歌姫」は、あいみょんが手にするのだ!そんなことを勝手に思っている。

いきものがかり以降、フォーキーな匂いのする女性ボーカルがあまりいなかったので、そういう意味でも、あいみょんの存在は大きいのかなーと感じる。

え?メジャーじゃなくてインディーズの話をしろって?

であれば、ネクライートキーはきます。

12月のアルバムでどかーんと。

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