BUMP OF CHICKENが単にヤバイバンド

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今のフェスシーンの話

今のフェスシーンは昔に比べて、わかりやすいトレンドは存在していない。

ただ、もしあえてトレンドを一つ定義するとしたら「エモーショナルなるパフォーマンス」。

これに尽きると思う。

楽曲そのものを聴かせるというよりも、その楽曲を披露する熱量を身体中で表現していることを評価しがち、とでも言えばいいだろうか。

下手でも、熱量があれば構わないという風潮が根強いし、実際、それで支持されているバンドも多い。

もちろん、ロックバンドというのは元々そういう性質が強かった。

けれど、昔はあくまでも単に「熱量があること」を評価するというよりも、その時のトレンドに対するアンチテーゼとしてのパフォーマンスとしてあったように気もするのだ。

パンクロックがパンクロックたり得たのは、それまでロックの歴史にパンクロックのような技法やパフォーマンスが無くて、新しいものだったからだ。

パンクロックというフォーマットがあって、そこにチューニングに合わせ、様式美としてそのパフォーマンスを始めたわけではないのだ。

THE BLUE HEARTSであれ、Hi-STANDARDであれ、それは同じことだし、ハードコアであれメロディックパンクであれ、オルタナティブロックと形容されたバンドサウンドだって、それは同じことなわけだ。

熱量そのものというよりも、時代のトレンドの音に対して、どうアンチを突きつけるか?みたいなことがロックをロックたらしめていたような気がするのだ。

基本、どのジャンルのロックバンドでも、サウンドの祖のようなバンドは、きちんと時代背景を敏感に感じながら音を鳴らす。

だから、トレンドに対してアンチテーゼで音を鳴らすことかできる。

そして、そういうバンドは、時代のトレンドが変わるとともに音を変化させていきがちである。

BUMP OF CHICKENも、そういうバンドだよなーと思うのだ。

新譜を聴いていて、ふとそう思ったのだ。

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BUMP OF CHICKENの話

実際、BUMPの時代を読み取る嗅覚は本当に素晴らしい(これはサウンドでも歌詞でも言えることだ)

ここで言いたいのは、今となっては優しさのような象徴になってしまい、昔と比べるとすっかり牙が抜かれたと思われがちなBUMPのサウンドは、実は今もなお尖っているということなのだ。

どういうことか?

冒頭で述べたように、今のバンドのトレンドは、エモーショナルであることが最適解となりつつある。

長い期間を経て、SUPER BEAVERが快進撃を重ねたり、My Hair is Badのようなバンドが圧倒的存在感を示しているのは、エモーショナルであることが今のトレンドであるから、ということが強いと思うのだ。

フレデリックやLAMP IN TERRENのように、サウンド的にはゴリゴリではないバンドでも、MCでは己のパッションを誇示しがちである。

声を張り、観客の熱気を喚起するMCをしがちなのである。

ヤバイTシャツ屋さんやキュウソネコカミのようなバンドもパッション系に傾倒しているのは、今のロックフェスのトレンドがそういう方向にあるからだろう。(仮にパッション系のウケが死ぬほど悪かったら、きっと彼らはわざわざそういうパフォーマンスはしないと思うのだ)

これ以外にも、ロッキンのグラスステージに出演するバンドを見れば、パッション系のバンド率がすごく高いことがわかると思う。

そういう一連のバンドと見比べたとき、BUMP OF CHICKENの特異性が際立ってくるのだ。

BUMPのライブは、パッション系とは対極のライブである。

MCの温度感もそうだし、ライブのテンポ感もそうだし(矢継ぎ早に演奏しない)、無駄に人を煽らないところも含めて、今のトレンドからはびっくりするほどアンチ的な態度である。

むしろ、日に日に優しさ濃度を上げている。

他のバンドとは対極のようなスタンスである(もちろん、BUMPと同じようなスタンスのバンドもいるにはいるが、マイノリティーであることは確かだろう)

これはパフォーマンスの話だけでなく、音の話にも置き換えられる。

フェスのトレンドをざっくり振り返ると、四つ打ちのブームがあり、サカナクションを代表とするダンスロックのブームがあり、Suchmosをはじめとするオシャレロックの台頭があり、今は音楽的なトレンドは見えづらい状況になっているが、エモーショナルであることが正義でありつつある時代であることは確かだ。(サタニックの躍進や、メガフェスにおいてメロコア系のバンドばかりを固めた日割りが存在することは、その証左である)

だが、BUMP OF CHICKENは、常にその「音」から一定の距離を置く。

BUMP的世界観に影響を受けたアーティストとも一線を置いたサウンドを奏でる。

BUMP OF CHICKENが圧倒的オルタナティブロックバンドと言われる所以は、ここにあるのだ。

BUMPは歌詞やボーカルについて評価されることが多くても、あまりサウンドのことを褒めることは少なかった。

でも、はっきり言うと、BUMPはサウンドも凄いのだ。

まあ、シンプルな楽器の演奏のうまさだけの話をならDragon Ashや、あるいはRADWIMPSなんかの方が上なのかもしれない。

が、BUMPのサウンドが凄いのは、常に時代の空気の一歩先を行く読み取るところ。

思えば、EDM路線に切り替えたり、ボカロと融和させてみたりと、常に「日本のロック」の時代を読み取りながら、サウンドの進化を続けてきた。

そして、BUMPのサウンドは時代のトレンドの一歩先を行く形で進化していく。

まとめ

これはデビュー当時からなんら変わっていないBUMPの凄さである。

時代の空気を丁寧に読み続けたBUMP OF CHICKENというオルタナティブバンドだからこその芸当なのだ。

2019年7月。

ついにリリースされたニューアルバムを聴いていて、改めてそう感じた次第。

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