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今回この記事の主役となるバンドはWANIMAである。

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ハイスタやkenバンドなのでお馴染みの横山健が代表を務めるレーベル、PIZZA OF DEATH RECORDSが初めてマネージメントまで務めたバンドとしても話題になっているのが、このWANIMAというバンド。

PIZZA OF DEATH RECORDSがマネージメントしてるからなのかはわからないけど、とにかくありとあらゆるフェスに出演しまくりで、しかも色んなバンドの対バンにも登場するしで、どれだけ仕事してるねん、今年、もっともライブ数をこなしたバンドなんじゃないかな、というくらい、とにかく活動的だったことでも印象深いバンドである。

スリーピースバンドで、曲がキャッチー。

ビジュアルはまあ田舎のヤンキー感丸出しな感じだし、「ワンチャン」というフレーズを多用することからもわなるとおり、ノリが妙に軽くて、それゆえに生理的に無理な方もいるかもしれないけれど(この辺については後の方で詳しく語るつもり)、これで売れない方がおかしいだろうってくらいにとにかく気持ち良い音楽を奏でているのが特徴である。

スリーピースバンドでキャッチーといえば、それこそハイスタだったり、インディーズで歴史的セールスを叩き出したモンパチなんかが頭に浮かぶ。

曲の根っこはもちろんのこと、曲の大部分でハモるという部分でも前述のバンドと同じ要素を兼ね備えている彼ら。

実際、メンバーもこのふたつのバンドに大きく影響を受けたということは公言しているわけで、現代モンパチという言い方をしてもそんなに的外れではないように思うわけだ。

メンバーはほぼほぼ1988年生まれで、邦ロックでいえば、フォーリミのGENや川谷絵音、あるいはワンオクのTakaなんかとも同期で、この辺りはハイスタ世代というよりはエルレ世代になりがちなわけだけど、どれくらいのその辺の音楽に影響を受けているのかはよくわからない。

ただ、世間の音楽雑誌や評論家は、彼らがハイスタ以降に流れていたロックシーンを完全に変えると公言されている。

まあ、変えたというよりは完全に受け継いだという言い方が正しいのだろうけれども、とにかくロックシーンでもっとも人気者のバンドになりつつあるのは間違いない。

大型フェスの物販の列を見れば、それが物語っている。

ところで、彼らの歌の良さとは何なのだろうか?

この記事では、歌詞的観点とメロディー的な観点から分析してみたい。

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まずは歌詞からいってみよう。

WANIMAの歌詞は簡単に分類すると、ふたつのパターンがある。

「ワンチャン」的な軽いノリで歌う歌詞と、ちょっと良いことを言おうとしている感じの青臭い歌詞である。

彼らのキラーチューンである「BIG UP」は「ワンチャン」路線の代表といっていいだろう。

他にも「いいから」とか「1CHANCE」とか、そのパターンの曲は幾つもある。

彼らの合言葉は「迷いなら捨てて後腐れはなしで」なわけで、見事にそれを言い放った素晴らしい歌詞の歌が揃っている。

このサイトで、それぞれの歌を事細かに紹介できたらいいのだが、それはまあ厳しいので、ぜひ歌詞サイトに飛んでもらえればと思う。

で、もう一つの歌詞パターンである、ちょっと良いことを言おうとしている感じの青臭い歌詞の代表は、これまた彼らの表題曲の「1106」や、FM802のレビーローテションにもなっていたナンバーである「THANKS」などになる。

このふたつに通底するのは、人間の本能に訴えかける情動なりワビサビなりを歌っていることである。

二つの一見するとまったく違うパターンに見える楽曲。

両者はまったく違うことを歌っているように見えるが、実はそこまで離れたことを歌っているわけではない。

要は「ワンチャン系」も「青臭い系」も人間の出会いと別れや、その関係性について歌っているわけである。

そして、その関係性は良いことであれ悪いことであれ、極力「軽く」歌うようにしているように感じる。

Twitterで相互フォローするくらいの緩やかな結び付きとでもいうような「軽さ」である。

で、おそらく今、多くのロックキッズたちが求めていたのはこの「軽さ」なのだろうと思う。

ワンチャンという言葉に集約される軽さ。

これこそがWANIMAのヒットの要因なのだ。

今はライブが終わるとTwitterなどでマナーうんぬんダイバーがうんぬん、サークルがうんぬんといちいちうるさいことが多い。

また、バンドもライブで説教に似た熱いMCをするバンドが増えてきている。

特に東北ライブハウスに関わるメロコア系のバンドはそういう流れになってきていることが多い。

ただ単にストレス解消でライブを楽しみに来ただけやのにそういうのはいらんねん、と辟易していた若者が見つけたのがWANIMAだった。

若者が今のロックにもていたのはこういう「軽さ」だったのだろう。

その昔、こういう軽さを引き受けていたのは例えば、オレンジレンジだったり、ケツメイシだったりしたのではなかろうか。

彼らも「ワンチャン系」と「青臭い系」を使い分けながら人気を博してきた。

近年、そういう軽さを引き受けるバンドが減ってきた中に登場してきたのがWANIMAだったわけだ。

つまり、ハイスタの代わりとしてのWANIMAというよりは、オレンジレンジの代わりとしてのWANIMAという見方もできるわけだ。

昔なら他のバンドに流れていたはずのファンを色々と引き受けるからこそ、結果としてWANIMAは多くのファンを獲得したのではないかという予測である。

さて、次は曲について考えてみよう。

これもジャパレゲ的テイストと、メロコア的テイストの美味しいところをかっさらいつつ、コテコテの日本語歌詞にメロディーをのせたからとっつきやすくなったのだろうという分析ができる。

わかりやすいメロディーだから音楽初心者にも聴きやすいし、メロコアヘビーリスナーも満足できる安定感がたるし、レゲエ好きや、いわゆるミドルヤンキーみたいな層にも響く音楽となっている。

要は門徒が広いのだ、彼らの音楽は。

今、他のバンドやアーティストでは代わりがいない部分を堂々と引き受けているからこそWANIMAはヒットしてるわけだ。

確かにWANIMAは人気者になった。

しかし、それとロックシーンが大きく変わるという話はまた別問題である。

そもそもシーンなんていう地続きになっているわけであり、突然変異で何かが変わるわけはないのだ。

しかし、今のロックシーンに彼らの名前が刻みこまれることは間違いない。

このバンド、今後も要注目なのである。

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