前説

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バンドというのは、ある種の生き物である。

そのため、ときにバンドの形が変わってしまうバンドがいる。

その形の変化が良いか悪いかはケースごとによる。

内実のことは、外側にいる人間にはわからないし、そこの是非を語ることは難しい。

ただ、メンバーが変わることで、生み出す作品に何かしらの変化が起こることは確かで。

そして、メンバーが抜けたことで新たなメンバーを加入するバンドもいれば、(現状は)サポートでバンドを活動させていくバンドもいる。

この記事では、メンバーが脱退を経験しながらも、新しい形に進化し続けるバンドを紹介したい。

本編

パスピエ

ドラムのやおたくやが脱退したパスピエ。

個人的な印象として、パスピエは脱退をきっかけにしてバンドサウンドの方向性を変えたバンドだと思っていて。

特に打楽器の音のアプローチ方が変わった気がして、打ち込みに近いサウンドを多く展開した印象を受けるのだ。

布陣が変わるということもある種のプラスに変え、アプローチの質を変化させていくというところがパスピエらしいよなーと思う。

昔も良かったけれど、より音に対して自由になっている今のパスピエも良いと思う。

ナードマグネット

ベース/コーラスの前川知子が脱退したナードマグネット。

おそらくナードマグネットは新規にメンバーを入れることになるので、音の変化、という意味でこれからの話になるとは思うが、きっとバンドに違うエッセンスが生み出されるのかなーなんて思う。

特に前川知子はコーラスとしての存在感も強かったため、どういうメンバーが入るかによって既存の楽曲の色も大きく変わるのだと思う。

きっとどんな形に着地するのであれ、刺激的な結果になるとは思うし、きっと自分が想像できないような形に落ち着くのかなーなんて勝手に思っている。

それにしても、脱退の発表が突然だったので、驚いたよなーと改めて振り返ってしまう今。

Base Ball Bear

もともとフォーピースバンドとして活動していたBase Ball Bearは、あるタイミングでスリーピースバンドとなる。

四人だけで音を構築する、というイメージのBase Ball Bearだったから、脱退を経てどんな音を生み出すことになるのかいろんな意味で気になるところがあったが、こうやって最新作を聴くと、このバンドの演奏力の高さを改めて脱帽してしまう。

三人の美しいアンサンブル。

過不足のない音がそこで展開されている。

今年リリースされた「SYUUU」もBase Ball Bearらしい疾走感のあるナンバーである。

ますますバンドサウンドに磨きをかけて、このバンドにしかないグルーヴを生み出していく。

アルカラ

アルカラもあるタイミングでメンバー編成が変わったバンドである。

ただ、アルカラは逆に良い意味で変化を感じさせないバンドである。

このバンドにしかないギターリフ。

トリッキーなリズムアプローチ。

涼しい顔で難解なアプローチを行ってみせる凄みがそこにある。

「瞬間 瞬間 瞬間」もまた、アルカラのアンサンブルが炸裂した一曲である。

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DENIMS

ベースの松原大地が脱退したDENIMS。

脱退を発表したのは昨年2020年のことなので、まだ新しいモードについて語るのは少し早いかもしれない。

「LAST DANCE」は、松原ののこした音が形となっている。

松原をはじめとするこのバンドのサウンドの心地よさが全面に詰まった一曲である。

Czecho No Republic

八木類(G, Syn, Cho)が脱退したCzecho No Republic。

昨年2020年には四人体制となってから初となるアルバムもリリースした。

もともといろんなサウンドアプローチを行うバンドだったから、脱退を機に大きくサウンドが変わった、という印象はなく、このバンドが持つゆったりとした輝きみたいなものが変わらずに放たれているような印象を受ける。

自分がこのバンドの音楽と出会ってからけっこう長い月日が経つけれど、今でも変わらずに「ハッピー」って言葉が似合いそうな音楽を奏でているのが良いなーと思う。

こういうご時世だからこそ、するっと聴ける優しい歌である。

くるり

脱退経験数なら群を抜いているくるりというバンド。

作品ごとに構成メンバーが変わり、作品のカラーも変わる唯一無二のバンドである。

岸田の志向みたいなものも作品ごとに変わっている印象を受けるので、より不思議な響きを持つのである。

それでも、やっぱりファンファンの脱退のニュースは驚いた。

あと、くるりが「I Love You」というタイトルで歌を作るのも驚いた。

でも、違和感はない。

くるりらしい愛の形がそこにある。

ポルノグラフィティ

メンバーが脱退してからの方がキャリアが長いポルノグラフィティ。

新規加入のメンバーを加えることなく、このまま形で進んだことも印象的だなーと今になって思う。

このバンドほど変化を遂げたバンドもいないのではないだろうか。

特にソングライティングの部分。

ここの進化は、他のバンドとは違っている印象を受ける。

この二人でバンドを進めてきたからこその進化であるし、この二人だからこその刺激のしあいの結果なのかなーと思ったりするのである。

まとめ

というわけで、メンバーの脱退を経験したバンドたち、なのでした。

脱退そのものの是非は置いといて、サウンドの変遷をみるうえでは大きなターニングポイントになることが多いなーと改めて思うわけである。

間違いないバンドばかりを紹介したと思うので、もしあまり聴いていないバンドがいたらこの記事をきっかけに聴いてもらえたら嬉しい限り。

では今回はこの辺で。

ではではでは。

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