なんかインディーズバンドのライブを見ていると、他と違うことをやろうとしているのはわかるんだけど、この外し方はちょっと違うと思うんだけど……と思う事案が多い。

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わざと音楽的な気持ち良さからズレているバンドが多いというか、サビに至るまでの盛り上げ方それでいいの????って思ってしまうバンドが多いというか。

もちろん、ベタから脱却することは大切だ。

差別化を図ることも、とても大切だ。

でも、それ以上に、ベタの外し方がダサいバンドが多い気がするのだ。

それならいっそベタでもいいから、サビは高速でハイハットの裏打ちでもしてる方がいいんじゃね?と思うこともある。

そんな中、ダサさのベタを抑え、バンドの良さのベタを抑え、ベタをきちんと抑えたからこそ確固たるアイデンティティを手にしている、カッコいいバンドがいることを僕は知っている。

ハンブレッダーズだ。

シンプルにメロディー良くないですか?

シンプルに歌詞が胸に響いてきませんか?

そんなに「変わったことをしているバンド」とは思わないし、要素のひとつひとつは「ありきたり」にすら感じるはずなのに、不思議と圧倒的な個性を感じる、そんな不思議なバンドなのである。

何がそんなに良いのだろう?

特段、奇をてらったサウンドを鳴らさない。

だから、メロディーの良さとボーカルの言葉が際立つバンドであり、そこがハンブレの良さだと思っている。

でも、単に「それだけ」ではない何かを感じるのだ。

それはこのバンド特有の臭さに通ずる話だと思う。

いやーね、正直、ハンブレの歌詞には青さを感じすぎちゃうから、アラサーになった自分には少し恥ずかしさすら覚えることもあるのだ。

いや、最初の頃はこんな風にすら思っていたを

もういいよ。そういう教室の隅っこで静かに妄想逞しくしてメラメラする感じのやつは、って。

こういうタイプの、ベタなんてもういらない。そんなことを思っていた。

でも。

いつの日か忘れてしまったが、彼らのライブを観ることがたまたまあって、その時に感じたのだ。

ああ、この人たちはポジションを取りたくて、こういう青い歌を歌っているわけじゃないなって。

なんというか、本気だなって思ったのだ。

彼らのパフォーマンスはとにかく熱くて、ライブで聴く彼らの歌詞に、途方もない説得力を感じたのだ。

マジで、情けない青春の歌を全力で歌っている。

そう感じたのだ。

青春パンクロックにガツーンとされて、それが売れるとわかったからこそ、安易な理由で「青春」を歌おうとして死んだバンドをたくさんみてきた僕が、アラサーになった今になって、これほどまでに屈託なく青春を歌うバンドの姿みて、心を打たれるなんて思ってもみなかった。

うん。音源で聴いても思う。

ハンブレ、良いわって。

今って、たくさんバンドがいて、情報が錯綜しているから、とにかく差別化しようという意識が強すぎて、インディーズなんかだと悪い意味でハミ出そうとして、中途半端になってしまうバンドが多い。

でも、差別化って結果論でしかない。

やりたいこと、表現したいことを突き詰めた結果で差別化は生まれる。

ベタですら本気でやり抜いたら、それは差別化になる。

ハンブレを見ていると、そんなことを思う。

だから、僕は、彼をカッコいいと感じた。

忘れていた青春を思い出させてくれる、懐かしさを感じさせてくれる、そんな素敵なバンドなのだ。

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