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aikoが5月18日にリリースしたニューアルバム「May Dream」。

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そのアルバムに収録されている「信号」という曲を取り上げようと思う。

この歌はCMの書き下ろしとして発表された歌であるが、この歌にはどんな意味が込められているのか。

歌詞をみてみよう。

作詞:AIKO
作曲:AIKO

※当記事について著作権違反という申し出があったため、歌詞の引用部分に関して一旦全て削除にしますが、お手数ですが、歌詞に関して別サイトでご参照になりつつ、当記事をお読みください。お手数おかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

もう40歳とは思えない、良い意味で瑞々しいこの歌詞。

さて、この歌は景色がよく見える歌であり、歌詞を読むだけでも二人が今どこにいて、何をしていて、何を考えているのか、みたいなことが鮮明に浮かんでくる。

一人称は当然ながら「あたし」。

これは初期のころから変わらない、aikoの歌詞の鉄則の掟である。

この一人称を使うからこそ、女性イメージが簡単に想起できて、そのイメージに自分に重ね合わせて聴くこともできるし、架空の恋人の妄想を膨らませて胸キュンな思いになることもできるわけである。

さて、一番の冒頭では雪が降っているが、2番では陽射しで髪の毛が灼けるような夏になっている。

ということは、あたしと君はそれなりの歳月を一緒にいるわけであるが、それでも「本当の君がわからない」とあたしがぼやいてしまうあたり、妙な切なさを感じてしまう。

「信号」というタイトルにある通り、ふたつの赤とは信号の赤のことであり、赤で立ち止まったから手を繋いだわけであるが、なぜ手を繋ぐことをサビの最後にわざわざ伝えるのだろうか。

冒頭の歌詞では「ポケットに君の手を入れた」とあるわけだから、ポケットの中で手を握っていることが予測されるわけだが、それは恋人であればありがちな光景である。

取り立てて説明するようなことではないのに、あえてサビにそれを言葉にするのには当然理由があるわけだ。

一体、どんな理由があるというのか。

例えばであるが、ここで「手を繋いだ」のは物理的に「手を繋いでいる」ことを伝えたいわけではなく、手を繋ぐような間柄なのに、心はなかなかうまく繋げることができず、こんなに物理的に近い距離にいても「本当に君がわからない」ことを印象付けたいフレーズなのではないかと思うわけだ。

手を繋いでも、心はしっかりと繋がっていなくて、愛もわからないし本当の君もわからないという切なさがあるわけである。

どれだけ物理的に距離は詰めても、詰められない距離があるというわけだ。

また、手を繋ぐタイミングが赤信号であることもポイントである。

赤とは、警告の色も表す色である。

どこか不吉を予感させるドキリとした色なわけだ。

逢いたいじゃ足りないほど君が好きなはずなのに、君と何の問題もなくラブラブな日々を過ごしているはずなのに、この段階でいつか君との恋の終わりをどこか予感させている。

この赤はそれを象徴しているような気がするのだ。

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もっと言えば、恋は赤信号で止まっているからあたしも君も同じ場所にいて手を繋いでいるが、いずれどちらかの信号が先に「青」になってしまう。

そのとき、あたしと君の距離は空いてしまい、心だけではなく、手も離れてしまい、やがて別れるということになるのだろう。

「あたしがいつも付けてるキーホルダーは君じゃない」とは、君はあたしの所有物にはできないことを匂わせるフレーズでもあり、あたしがどれだけ傍にいてほしいと願ったとしても、君はそれとは違うことを考えていることに気付いてしまっているわけだ。

だから、いつか、この恋が終わってしまうことも、あたしにはわかってしまうのだ。

あたしはずっと赤信号であることを望むのに、君の信号だけ先に青になってしまうことがわかってしまうのだ。

だけど、この歌は別れを歌う歌ではなく、留まっていることを歌う歌である。

だから、この歌の信号が赤から青になることはない。

歌詞の最後に信号の色を変えてもよかったのに、あえてそうはしなかったのは「留まり」を描きたかったからだろう。

あえて成長しないで、デビューからずっよ同じようなテーマを歌詞にし続けたaikoだからこそ、「留まり」をテーマで描く説得力は妙に大きい気がする。

aikoの歌詞のテーマが急に進んで変わることはもうないのだ。

恋愛を離れて、社会の仕組みを歌うとかはまずないだろうし、そんな歌詞を書けば基本は大人の事情によりボツにされてしまうのだ。

もう、aikoの歌詞においては、青になって進んむことはもうできないのだ。

aikoの歌手としての道のりもある意味、信号は赤のままなのかもしれない……。

なんて書いてみたけど、「音」に関して、aikoはよくも悪くもは常に進化している。

今回のアルバムの大部分のアレンジをOSTER projectではなく、川島可能が手がけたことはすごく大きい。

好みがあるから誰がaikoの曲のアレンジャーとして良いのか、というのはここでは言いきれないが、収録された曲にはっきりとした違いを感じることができることは確かで、それはアレンジャーの違いが相当に大きいわけだ。

昔のアルバムと比較しても、今回のアルバムの音の作り方ははっきりと違うといえる。

なぜなら、今までとは違うアレンジャーと手を組んだからだ。

誰と手を繋ぐのかによって、その先の未来が大きく変わるという意味では、この歌の歌詞ともほんの少しだけリンクしているような気がしなくない。

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