ASIAN KUNG-FU GENERATION「Re:Re:」の歌詞の意味は?解釈と考察

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2004年10月にリリースされた「ソルファ」に収録されていたASIAN KUNG-FU GENERATIONのナンバー「Re:Re:」。

アニメ「僕だけがいない街」の主題歌として起用され、新録されて2016年の3月にニューシングルとしてリリースされたナンバー。

今回はこの楽曲の歌詞について考察してみたい。

アジカンといえば、ソルファくらいまでは音を重視して歌詞を書いていた印象があるが、「ブラックアウト」辺りから歌詞にメッセージ性を宿すようになった印象。

まあ、能書きはその辺にして、歌詞をみていこう。

作詞:後藤正文

1番のAメロから最初のサビについて

「君を待った〜今日を嘆き合った」の部分。

音がベースにあるから、動詞は揃えてテンポよく聴こえるようにしているのが見受けられる。

ただ、ポイントなのは僕は待った、ではなく君を待ったを書き出しにしている点である。

逆の方が意味がすっと入る気がするのに。

なぜだろうか。

歌詞の続きをみてみると、ダラダラと日々を過ごしている閉塞的な日常を端的な言葉で綴っているフレーズが散見される。

ただし、明日のことを途切れない、と言っているということは、何の根拠もなく明日はくるものだと信じているというわけであり、その軽率がいかにもこの主人公が「若者」であり、死とは対極の「退屈な日々」「変わらない日常」を生きていることがよくわかる。

「記憶だって〜心の隅っこで泣いた」の部分。

おもい、という言葉を平仮名にしている辺りは秀逸で、ここはおもっただけなのであって、思ってはいないことがわかる。

心の隅っこで泣いているということは顔には出さずにバレないようにこっそり泣いている様子がイメージされる。

それこそ君になんかは知られないように。

「そしてどうかなくさないでよって〜そう言い逃したあの日」の部分。

高架下というイメージは僕が上ではなく、何かの下にいることを連想させるイメージである。

大した努力もせずにダラダラといきてしまった青春時代を、いまになって後悔しているわけだが、その後悔している今の僕すら、いつか忘れてしまうのではないかと恐れており、それだけはなくさないでよ、と僕は強く思っているわけだ。

今はまだ高架下で済んでいるが、これも忘れてしまう頃にはもっともっと下に行ってしまうよと言わんばかりに。

ところで待っていた君っていつくるのだろうか?

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2番から最後のサビについて

「繋ぎ合った時もあった〜今 失くしたんだ」の部分。

失恋したということなのかもしれないし、信頼していた親友に裏切られたということなのかもしれない。

少なくとも青春時代の絶対的信頼関係とは歳月が過ぎ去ると悲しくも解けてしまうものなのかもしれない。

「形だって 時が経って〜今日を恨んだ」の部分。

恋人だった二人は今では顔を合わさない間柄になってしまうし、親友だって友達とは呼べないような関係になってしまう場合がある。

時が経つということは変わってしまうということであり、そんなふうになってしまったのは今日を恨むしかないのであろう。

過去ではなく、今日を恨むあたり、なんとも切ない話である。

「そしてどうかなくさないでよ〜そう言い逃したあの日」の部分。

だからせめて、過去から学んだ今の記憶くらいはなくさないでよね、と未来の自分に向けて歌っているのだ。

Re:Re:とは返信の返信ということであり、過去の自分に対して今の自分の返信を、未来の自分に返信してさらに送り返しているわけだ。

それは未来の自分は今の自分と同じような「失敗」はするなよ、という「もう一度」の気持ちを託した再生の言葉なのである。

ところで、待っているはずの君はどこにいったのだろう?

その答えは最後のフレーズで明かされる。

最後のフレーズ

「君を待った〜君じゃないとさ」の部分。

お判りだろうか?

この君とは未来の僕のとこなのである。

過去の失敗を忘れないように「傷」にして残しておくのだ。

だから、君を待った、が最初のフレーズになるのだ。

この歌の本当の主人公は未来の自分、まさしく君のことなのだから。

そして、この君とは歌詞の世界に留まらず、聴いているあなたにも伝えるわけだ。

もし何か後悔していることがあるなら、それを忘れないようにして上手に未来の自分に渡すんだよ、と。

今後こそ、夢も人間関係も良いものを創り上げるために、と。

それにしても、2004年の後藤が書いた歌詞を2016年の後藤が見たとき、後藤は何を思ったのだろうか。

このRe(返信)は届いたのだろうか。

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