2022年3月、バンド・アーティストの個人的なベストアルバム5選
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当ブログでは毎月、お気に入りのアルバムを5枚紹介している。
3月も末になってきたので、このタイミングで今月のベストアルバムを紹介してみたいと思う。
良いアルバムがたくさんあったので選出に迷ったが、これらの作品を選んでみました。
では、どうぞ。
本編
藤井風 『LOVE ALL SERVE ALL』
今月のアルバムを語るうえで絶対に外せない一作。
藤井風の2ndアルバムとなる『LOVE ALL SERVE ALL』だ。
界隈で大きな話題を集めていた藤井風は、昨年ついに紅白に出演することで、世代や界隈を問わない認知を獲得するアーティストとなった。
藤井風がすごいのは、圧倒的なスター性を持ちつつも、その辺の<お兄ちゃん>のようなひょうきんさも兼ね備えているところ。
音楽性も成熟していてそれだけで魅力できるのに、常にユーモアも兼ね備えていて、革新性に満ち溢れいているところ。
今作も、そんな藤井風らしさが炸裂したアルバムとなっている。
何よりもポイントなのは、飛ばす曲がないところ。
「きらり」「まつり」で始まったアルバムは、そこから一切の手を緩めることなく、藤井風らしいリズムとブルースを高らかに響かせるのである。
Yaffleのプロデュース力も見事で、アルバム全体のまとまりも見事となっている。
2022年の作品を見通すうえでも、重要な一枚になったように思う。
関連記事:藤井風の「まつり」、やば。
中村佳穂 『NIA』
約3年半ぶりにリリースされた中村佳穂のニューアルバム『NIA』。
前作『AINOU』が大きな話題を集めたため、今作の期待値が上がっていた中村佳穂であったが、見事にその期待に応える作品となった。
ヒップホップやエレクトロニック、ジャズなど多様な音楽が下地になったリズム・サウンドの上を、軽やかに歩いてみせる中村佳穂のボーカル。
コロナ禍の影響を受けながらも自身の想像力で景色を切り開いてみせる今作には、ただただ魅了されるしかない。
アルバム終盤に登場する「NIA」が持つ瑞々しさがどこまでも美しく、力強い。
何度聴いてもぐっとくるアルバムのひとつである。
関連記事:圧倒的情報量で展開されるmillennium paradeの「U」について
Awich 『Queendom』
Queendomというタイトルがこんなにも似合うアルバム、そうはないと思う。
切れ味鋭いフロウを繰り出すAwichのラップと佇まいを前にすると、そう思わずにはいられない説得力が宿る。
Awichにしか紡ぐことができないパンチラインに魅了され続ける。
広義な意味でのヒップホップを背負いつつも、自分の感情を赤裸々に言葉にするからこその凄みがある。
「44 Bars」でこのアルバムがクライマックスを迎えるとき、その感情の渦はある種のピークを迎えることになる。
とにかくかっこよくてスリリングで、息を呑むような興奮をこのアルバムから感じることになる。
関連記事:2020年個人的ベストアルバム20
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ハルカミライ 『ニューマニア』
根っこにあるのは、パンクロック的な魂だと思う。
でも、今までのパンク・ロックにはない輝きがあって。
音楽的にポップな色合いが強いというところもあるけれど、それ以上に感じるのは、ハルカミライの音楽にはない絶えず真っ直ぐな輝きを放っているからだ。
そんな風に思うのである。
「つばさ」のようにメロディーの存在が印象的なナンバーもあれば、「フルアイビール」のような豪快の歌もある。
「青春謳歌」のようなハートフルなナンバーもあれば、「ベターハーフ」のような繊細さ際立つ楽曲もある。
根っこは同じなんだけど、様々な表現力があって、だからこそロックな部分が冴え渡っていく響くことを実感する。
アルバムというサイズ感でハルカミライの音楽に触れるからこその感動が、ここにあるのである。
関連記事:ややこしいバンド、ハルカミライについて
秋山黄色 『ONE MORE SHABON』
3rdフルアルバムとなる『ONE MORE SHABON』。
この作品を聴いて思ったのは、秋山黄色は良い意味でぶれないなーということだった。
サード・アルバムってアーティストにとっては変化球を放ちやすいアルバムである。
特にファーストとセカンドで存分に作家性を発揮したアーティストであれば。
そんな中で、秋山黄色はどこまでも<らしさ>を貫いてみせる。
冒頭に「見て呉れ」、次に「ナイトダンサー」を飾ったことで、そのことを強く感じたのだ。
もちろん、「白夜」のようなテイストの楽曲を歌うこともあるし、「アク」のような変拍子のナンバーを歌いこなすこともある。
必ずしも<一辺倒>ではない。
幅広い表現を作品の中で提示しつつ、その上で、秋山黄色らしさと秋山黄色だからこそを魅せてくれるのである。
というわけで、3月のお気に入りのアルバムとして最後に飾らせてもらったのは、秋山黄色のこの作品なのでした。
関連記事:秋山黄色の「見て呉れ」から感じる、アーティストとしての軸と進化
まとめ
藤井風 『LOVE ALL SERVE ALL』
中村佳穂 『NIA』
Awich 『Queendom』
ハルカミライ 『ニューマニア』
秋山黄色 『ONE MORE SHABON』
もしかしたら聴いていなかったというアルバムが登場したかもしれない。
であれば、よかったら聴いてみてほしいなーなんてことを思う。
この記事が出会いのきっかけになったら嬉しい限りだ。
では今回はこの辺で。
ではではでは。
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