前説

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sumikaの「願い」の感想を書きたいなーと思う。

本編

sumikaについて思うこと

sumikaは好きだ。

なぜ好きなのか?

まず、片岡 健太のボーカルが好きである。

人懐っこくて力強い歌声がツボである。

そして、メロディーがめっちゃ良い。

何度も聴きたくなるメロの力が強い歌が多い。

なにより、メロディーを上手に活かすバンドの音の組み立て方も素敵だよなあ、と思うのだ。

総じて、sumikaはすごく大好きなバンドなのである。

でも、完璧かといえば、そんなことはない。

もちろん、個人的に苦手な部分があるのだ。

これだ。これこれ。

この恋愛観。

冴えない男が主人公の、女々しいラブソング。

そういうモードに入ったときのsumikaがちょっと苦手なのだ。

というよりも、女々しい歌のわりには、片岡が朗らかに歌いすぎで、歌詞のテンションと片岡の声にギャップがありすぎでしょ!!と思ってしまうのだ。

包み込む感じの歌とか、力をくれるような歌を歌うときにsumika、ぐっとくる。

何の心配もなくすーっと心に入ってくる。

あるいは、Radio Bestsellersの「栞」みたいに、フレーズの持つトーンと片岡の歌声のトーンがばっちりハマったときは、すげえ強烈に印象に残るのだ。

だから、個人的に、こういうタイプのsumikaは超好きなのである。

でも。

こういうテンションの歌は、引っかるところがなくもない。

片岡の声って良い意味で男らしいというか、声の主張が強いから「女々しい男の主人公」とそぐわない感じがしちゃうのだ。

まあ、そもそもそういう女々しい恋愛観があんまり好きじゃないのもあるし。

まあ、一言で言うと、sumikaのそういう部分があんまり好みじゃなかったわけだ。

でも、リリースされた「願い」も、そういう世界観の歌な気がした。

パッと聴いた感じ、この歌も例に漏れず、女々しい男(女?)を主人公にしたラブソング感があるではないか。

「おっさんずラブ-in the sky-」の主題歌ということもあり、ドラマの世界観に合わせた作品なんだろうけども。

何にしても、思ったのだ。

絶対に、今回のsumikaの歌の歌詞はハマらんぞ、と。

こんな女々しい歌で胸キュンなんかするわけないぞ、と。

「願い」を聴いてみた

歌詞を引用するまでもないことだけど、sumikaらしい恋愛ソングとなっている。

まあ、一人称が「私」、二人称が「あなた」にしているところにこだわりを感じるし、どういう描き方をしたらドラマ主題歌としてふさわしいのか、人気ドラマの続編という重圧のある主題歌だからこそ、練りに練った歌詞にしたんだろうなーと感じる仕上がりになっている。

とはいえ、僕は、肝心のドラマは前作含めて観ていないので、ドラマと照らし合わせながらの味わい方ができないんだけどね。

ただ、sumikaの歌を聴いただけでも、恋愛における「切なさ」や、ある種の三角関係がドラムのキーを握ることはなんとなく想像されるし、おそらく、そこの感情にコミットした歌詞作りがなされているんだろうなーと思うのだ。

こういう切ない歌詞の歌に雪を降らせるシチュエーションもあざとさを感じる。

「あ、sumikaめ。いつもの女々しい恋愛ソングを歌ってきやがったな」

そんなことを聴きながら、思ったのである。

なんとなく、恋愛弱者のフリをして、恋心を歌ってみせるsumikaの歌があんまり好きじゃなかった。

そして、「願い」も同じタイプの歌だと思った。

「願い」をぱっと聴いたときも、自分にとって、この歌はツボに入らないはず。

そう思ったのだ。

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事態は変わる

とはいえ、メロディーはすごく好きな歌だ。

だから、何度もリピートはしてしまう。

sumikaの歌のメロディーの美しさは語るまでもないだろうし、バラードになればより片岡のボーカルの表情が見えるからこそ、歌の世界にぐっと入り込んでしまう。

そうなのだ。

昔に比べて、片岡のボーカルとしてストーリーテーラー性が上がったように感じるのだ。

片岡の歌詞って、セリフのような言葉遣いになっていることが多くて、歌うこと=そのままセリフになっていることが多い。

そして、最近の片岡は、このセリフとしての歌詞の感情の込め方が鋭くなったというか、表現力が増しているように思うのだ。

だから、曲を繰り返し聴いていると、だんだん歌の主人公=俺、みたいなテンションになってくるのである。

最初は、「はっ?女々しい歌を歌いやがって。どうせ“聴き手”に媚びた歌詞にしただけだろ?」とナナメにかまえていた気持ちが、いつの間にか、春になって雪が溶けていくように、少しずつなくなっていき、歌詞の世界観と心が同化していくのだ。

何回聴いたときか忘れてしまったが、いつの間にか、自分の心は完全に歌の世界観に同化していた。

だから、だんだん、なんでこの主人公はこんなにも<あなた>のことを想っているのに、結ばれることがないんだよ!!!!なんで幸せになることができないんだよ!!!おかしいよ絶対!!!というような、謎なテンションになってきたのである。

そして、俺はおまえ(歌の主人公)のことを応援しているぞ!きっと幸せになれる!今はおまえ(歌の主人公)の目線に<あなた>はいないかもしれない。

「ただいま」も「おかえり」も言い合えない仲かもしれない。

「おはよう」「おやすみ」も言い合えない仲かもしれない。

でも、絶対、どこかのタイミングで、きっと言い合える仲になるから。

結ばれるようになるはずだから。

俺は応援しているからな!諦めるなよ!と、松岡修造ばりのうざいテンションで主人公にコミットして歌を聴くようになっていたのである。

で。

そう思いながら歌を聴いていたんだけど、2番が終わったあとのCメロで、急に歌の表情が変わってしまうのである。

歌詞の雲行きが怪しくなるのだ。

(おい・・・いつまで雪、降ってんだよ・・・)

(この主人公に、暖かい木漏れ日を当ててやってくれよ・・・・)

歌を聴きながら、そんな気分になっていると、いつの間にか最後のサビに突入してしまう。

そして、歌の主人公は言ってしまうのだ。

「最高に幸せ」って。

きっとまだ、解っていた、ずっと“まだ”なんだよ

(おいおい、主人公何言っているんだよ、大丈夫だって)

(お前は幸せになれるんだって)

(そんなことで諦めるんじゃねえよ、まだってなんだよ。幸せになることを簡単にあきらめていいのかよ、って)

そしたら、歌詞は、最後の最後でトドメをさしてくる。

一生分のギフトはそっと私の胸の中・・・

時々起きては眠ってね。「さようなら」・・・

は?

さようなら・・・?

うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歌の主人公の失恋に心が号泣するアラサー男子の心の叫びである。

まとめ

この歌のタイトルは「願い」である。

主人公の「願い」はきっと大好きな“あなた”の幸せだったんだろうな、と思うのだ。

だから、主人公は、最終的にあなたと離れる選択をした。

その主人公に想いをはせると、悲しくてやりきれなくなってしまう。

そして、そんな悲しい気持ちにさせる歌を歌ったsumikaが許せないと思ってしまう。

おかげで、俺の精神的ヒットポイントは、限りなくゼロだ。

このままでは死んでしまう。マジで。

・・・・そう思いかけていたとき、シャッフルでこの歌が流れてきた。

 

 

 

 

 

 

簡単には死なせてくれない。

sumikaはどこまでもニクイバンドだよなーと思う。

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