SixTONESの「シアター」の話

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「シアター」の話をする前に、少し前置きをしたい。

というのも、SixTONESのシングルって購入するたびに思うけれど、カップリング曲の破壊力が凄いよなあと思うのだ。

シングルの表題曲とまったく異なるカラーの楽曲を収録しているから、よりその破壊力が鮮やかになっていく。

なんというか、物理技で攻めてきたら物理技を受けられるような<構え>をしていたら、ふいに特殊技で攻められて、ノーガードになった箇所から崩されてしまう心地・・・とでも言えばいいだろうか(わかりにくい例えになってしまい、申し訳ない)

まあ、カラー違いのカップリング曲を聴いたときの刺さり方が鋭い、という話なのである。

だってさ、表題曲がゴリゴリでアグレッシブなナンバーだったのに、カップリング曲では「ド」がつくほどのスタイリッシュなナンバーだったりするのだ。

なんなら、英語歌詞が印象的なクリティカルなナンバーを丁寧に歌ってみせることもある。

今作の「わたし」のカップリング曲でいえば、自分は「シアター」が印象的だった。

というのも、「わたし」とまったくテイストの異なる楽曲だったからだ。

もし、これがバンドだとしたら、完全に界隈違いのそれの質感。

ちなみに、自分は「シアター」に初期のKing Gnu的な都会的ミクスチャー感を覚えた

洒脱な雰囲気がありつつも、よくよく聴くと攻撃的なサウンドの感じとか。

ふいに挿入される壮大かつエネルギッシュなコーラスの感じとか。

美しさとはゴリゴリのバランス感とか。

歌とラップの塩梅とか・・・項目挙げたらいくつも述べることができる。

まあ、初期のKing Gnu感があるかどうかは置いといて、だ。

「わたし」とは、まったく違うかっこよさが展開されていることは確かで。

その感じに、ついついぐっときてしまうのである。

「わたし」と「シアター」では楽曲の持つ<惹き込むポイント>がまったく違うからこそ、その違いがより深く染みていくのだ。

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SixTONESの「セピア」の話

「シアター」はミクスチャー感のある楽曲である、と自分は述べたが、他のカップリング曲に目を向けると、さらに異なる世界観が広がっていることに気づく。

「セピア」は、切ない歌詞が印象的な失恋ソングである。

ただ、曲の質感は、「わたし」とも「シアター」ともまったく違う。

「シアター」は、どちらかというと暗めの色が絵になりそうな歌だが、「セピア」は白い色が絵になりそうな歌なのだ。

というのも、鮮やかなストリングスが炸裂していて、上質なるポップソングとしての君臨している印象を受けるのだ。

メロディーの際立ち方が少し懐かしきポップソング的な風味があるのも良くて。

とにかく歌メロとしてしっかり確立しているからこそ、6人の歌声の魅力が存分に引き出されている、そんな一曲。

SixTONESの「オンガク」の話

「オンガク」も、カテゴリーとしては、明確なるポップソングである。

ただ、「オンガク」は音楽のことがテーマになっているということもあって、「セピア」と比べると、メロディーの展開がより鮮やかな印象を受けるナンバー。

ハモリで魅了するパートもあれば、力強いコーラスが差し込まれるパートもある。

そして、最終的にはメンバーのユニゾンが楽曲の世界に大きな光をもたらしていく構成に、SixTONEが持つ音楽的な美しさを痛感させてくれるのである。

まとめ

もしかしたら、どれが表題曲になってもいいんじゃないか、という充実感がカップリング曲に宿っている。

言いたいことをぎゅっとまとめると、そんな言葉になる。

実際、完成度の高いミニアルバムを聴いた後と同じ心地よさを覚えている自分。

にしても、SixTONESって歌いこなす楽曲の幅が広いし、色んなものに触れることができた充実感が強いアーティストだよなあと思う。

なぜ、そう感じるのかなーと思っていたんだけど、これは、色んなジャンルを歌を歌いこなしているから、ということもあるだろうけれど、それだけじゃないのかなーと思っていて。

持ち味の異なる6人で構成されているからこそ。

ここがつくづくキモだなあと思う。

例えば、全員が歌が上手いグループだとして、その上手さの方向性や声質が同じだったとしたら、こういう充実感は覚えないんじゃないかと思うのだ。

ハスキーなボーカルもいれば、クリーンな歌声の人もいる。

歌の上手さだって、全員が同じ点数かといえば、そういうグループではないと思う。

でも、<それ>が不動の魅力になっている。

テイストの異なる楽曲ごとに<光る側面>が異なるからこそ、様々なジャンルの光り方が容赦ないのだ。

そんなことを思う。

そして、さらにもうひとつ踏み込んで言葉を紡ぐならば、そのうえで、特にジェシーのボーカルの説得力が際立っていることも大きな意味を持っていると思っていて。

色んなジャンルの歌を歌うことで、色んな方向にその魅力が広がっていくことになっても、最後は然るべきところに着地している印象を受けるのだ。

そのうえで、ここぞのところで、ジェシーがぐっと歌で引き締めている要素が、大きいのかなーと自分は思ってしまうのである。

それくらいに、ジェシーのパートの歌声が持つ説得力が際立っているように感じるから。

なーんて感じで話を広げてしまったが、なんにしても今作も楽しむポイントがたくさんあって、良き良きだなーと感じたのでした。

それが、この記事の、最終的な結論。

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