プログラムcontinuedから見えるもの

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優しくなくても 正しくなくても 今日ぐらいは祝ってくれないかな

7/3発売の「Bee side Sea side」に収録されている「プログラムcontinued(15th style)」の一節だ。

この曲、新曲ではない。

10周年の時にリリースされたノーシングルベスト「DUGOUT ACCIDENT」に収録された10周年の曲という位置付けの新曲であり、今回は15周年仕様に歌詞を書き換えたという運びとなっている。

そう、本日2019年7月24日はUNISON SQUARE GARDENの結成15周年というおめでたい日なのだ。

この曲の生みの親である田淵さんが、「こんなにいい曲なんだから聴いてもらわないともったいない」と、普段なら聞くことの無いであろう言葉を漏らした同曲。

この曲の歌詞を元にUNISON SQUARE GARDENの15年について語ろうと思う。

※以下“ ”は全てプログラムcontinued(15th style)から引用。さらに注釈がある部分は同曲が過去作品とリンクしている部分である。

5000日ちょっと経っても変わらないもの

歌詞を見ていると、書き換えた部分とそのままの部分と分かれている。

まずは書き換えていない部分について触れていこう。

書き換えていない部分については10周年の頃からずっと変わらない気持ちと捉えて良いだろう。

バンドを結成した日、3人でスタジオに入って音を鳴らした瞬間。

その瞬間こそが彼らにとって“虹みたいな”時間だったのではないだろうか。

彼らはライブにて、澄ました顔しながら急に昔のいわゆるレア曲をぶっ込んでくる。

それも、違和感なく最近の曲も多く入ったセットリストに馴染んでるから面白い。

そう、“あの日に見た虹みたいな音楽(フルカラープログラム)”は、15年経った今も“褪せずに”変わらず演奏されつづけている。

「長い時間が経っても、まるで虹を見たような結成したての頃の僕らとは変わることはない」

そんな想いを込めたように感じる。変わらないからこそ、自分たちがやりたい音楽ができていて、それはロックバンドが“生きてく理由(シュガーソングとビターステップ)”になる。

「飽きたら辞める」という何度も聞いた田淵さんの発言もここに繋がるのかなとふと思った。

現状維持

ユニゾンがよく使う言葉だ。

何年経っても、その間にヒットソングが生まれても、変わらず“目立たない路地裏”で物好きのために音楽を鳴らす。

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4000日から5000日、変化したロックバンド

さて、ここからは歌詞の変化=10周年以降で変わった部分について触れていく。

1stシングル「センチメンタルピリオド」では、「高性能のヘッドフォンなんで世界の音も聞こえません」と閉ざしていた彼らは、10周年時のプログラムcontinuedで「(世界の音も)聞こえてるけど時々は聞いてないフリ」をし、15周年では、“(世界の音も)聞こえてるけど それよりも大事なものはもっとある”と着地する。

それぞれに出てくる「世界の音」

それを周りの人たちがユニゾンに求めるもの、そしてその時代の世の中の動きと例えるなら、結成時は誰に何と言われようが、どんな音楽が流行ろうが、自分たちの考えを曲げない若さが伺える。

現在はどうかと考えたとき、自分たちの音楽や考え方とそれを取り巻く周りの環境を上手く融合させているという表現が良いだろうと思った。

私個人の話になるが、ユニゾンについて知人から「かっこいいんだけど、気難しい人というイメージ」と言われたことがある。

“一聴じゃ難解なんてこと(mix juiceのいうとおり)盛大に鳴らしてきたんだ”から無理もない。

ユニゾンといえば、かなり速いBPM、漢字だらけの難しい歌詞、ライブやフェスでは煽られない上に、MCは無いに近い。

そんな彼らの難しいと言われる音楽スタイルも、ライブスタイルも、過去の映像やライブ音源での判断になるが、昔から温めてきて、ここ最近で固まったように感じる。

ライブスタイルについては、会場の声を聞こうとするMCが主流となりつつある今の“世界の音”とは反対方向に歩いてる。

けれど、自分たちの考えだけで来た15年ではない。

いろんな意見、周りからの提案も受け入れる。

そこがセンチメンタルピリオド時代との大きな違いだろう。

そして選ぶ選択肢はいつも、「楽しそう」という理由によるもの。

普段、大きい会場でのライブを好んでやらない彼らが舞洲でのワンマンライブを決めたのも、その例として挙げられる。

まとめると…

“世界の音”に乗っかり過ぎるのも違う。

“大事なものはもっとある”し、“油断したら迷っちゃいそうだよ”とあるように、ユニゾンらしさがなくなってしまうことがないよう、上手くバランスを取っている。

バランスをとる中で、“正しくなくても(Catch up, latency)”自分たちの考えを貫くべく、“世界の音”と同じ方向を歩かないことだってある。

ということだ。

最後に

プログラムcontinuedは、近年のユニゾンのスタイルを考えながら聴くと面白い。

そこからも伺えるが、15周年の彼らはいつもと調子が違う。

“優しくなくても 正しくなくても 今日ぐらいは祝ってくれないかな”という歌詞の通り、普段誰にも媚びない彼らが、多くの人にお祝いされに行くモード全開なのだ。

「僕らにとって楽しいことはみんなにとっても楽しいんじゃないかと考えている」という各所での斎藤さんの言葉からも、多くの人に寄り添おうとしているのが伺える。

しかし、もう既に明言されているが、来年以降は通常運転に戻る。曲作って、出して、曲出来たから君の街に行ってライブをする。その繰り返しの日々が始まる。

この差別化を図ることでアニバーサリーという節目の特別感を増しているのだろう。

ただ共通しているのは、誰よりもメンバー自身がロックバンドを楽しんでいるということであり、この姿を見ているのがこの上ない幸せだったりする。

関連記事:B面の概念をぶち壊したUNISON SQUARE GARDENの話

筆者紹介

ゆかたんぽ(@usg_0v0)

UNISON SQUARE GARDENとしょくぱんくんに目がない20代社会人

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