ツンデレ感のあるUNISON SQUARE GARDENの話

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UNISON SQUARE GARDENの「Numbness like a ginger」を聴いていると、”ツンデレ”というワードが頭によぎった。

なので、今からなんでそう思ったのかということを書きたい。

・・・んだけど、よく考えたらツンデレって死語になっているのではないか、色々と大丈夫か俺、と思ってしまった。

この辺りの言語感覚がマジで鈍っているので、ふとしたタイミングで心配になる。

が、まあ死語だろうが、若い人には意味が通じない言葉だろうが、自分は「Numbness like a ginger」を聴いたときに感じたのが”ユニゾン、ツンデレだな〜”だったのだ。

思ったのだから仕方がない。

ということで、ここからそのことを言葉にしていきたい。

UNISON SQUARE GARDENというバンドの印象

今ってあらゆるエンタメや芸事において、コンプラの精神が求められる。

また、全SNS自体ということもあって、ちょっと尖ったことをリアルで発信しようものなら、簡単に尾ひれが付いてSNSで拡散されて炎上の火種になるケースが多い。

昔はバンドってわり多くのバンドが”不良”的だったり、不良じゃないにせよ、尖った何かを表出しているケースがあった。

でも、今はどこを切り取っても、”良い子”であることを志向し、余計なところで「音楽を届けるための障壁」にならないように、丁寧な振る舞いを心がけるバンドが多い。

もちろん、昔の方がひどかっただけという指摘もあるし、今のコンプラ時代の方が”本来的にはあるべき姿”だったと言えるのかもしれない。

が、どうにも炎上のあり方が過剰になってしまうキライはある。

そして良いにせよ悪いにせよ、多くのバンドが丸くなりつつあるのは確かだと思う(一部例外はいるが)。

で、丸くなる過程の中で、バンドが生み出す音楽も、とにかく共感することを優先したものだったり、寄り添うことを重視した音楽が増えている印象だ。

自分もそういう音楽は好きだし、そういう音楽に救われることもあるので、それはそれでいいんだけど、そういう方向性の音楽が必要以上に目に付きやすくなった感じはする。

・・・という世の中において、UNISON SQUARE GARDENの音楽って、ちょっと違った響き方がする。

あえて言えば、他のバンドの歌にはないSっ気があるというか、聴いている人のことにそこまで関心がない感じがするというか。

他のバンドの歌はフレーズごとに聞き手に手を差し伸べてくるけれど、UNISON SQUARE GARDENの歌はフレーズの大半で別に聞き手に手は差し伸べず、俺は俺でやりたいことやるから、お前はお前で好きなことをしとけ感があるというか。

寄り添うこともしないし、必要以上に関心を持つこともしない。

そういう温度感の歌が多い気がするのだ。

それこそ、「カオスが極まる」だって、別に歌詞で共感させる気なんてないというか、ユニゾンがただひたすらにユニゾンの道を突き進む心地を覚えるわけだ。

楽曲を手がける田淵智也の哲学はびしびしに感じる楽曲であるけれど、楽曲のメッセージ性がどうのこうの〜みたいな響き方はしない感じがする。

あえて言えば、UNISON SQUARE GARDENってドライなのかもしれない。

そして、変にエモーショナルになるんじゃなくて、どこまでもドライなままでかっこよさを突きつける。

そこが、UNISON SQUARE GARDENの大きな魅力のひとつとも思うわけだ。

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「Numbness like a ginger」の話

・・・というところまでが、ひとつの前置きで。

この記事で言いたいのは、そういうところではないのだ。

実は先ほどまでユニゾンってドライなバンドだよねーと書いたけれど、、「Numbness like a ginger」は、そんないつものUNISON SQUARE GARDENとちょっと違うように感じるのだ。

Sな感じもしないし、無関心な感じもしないし、ドライな感じもしない。

あえて言えば、どこまでも”優しさ”を覚える歌になっているのである。

そう。

普段のUNISON SQUARE GARDENの楽曲とは違う、何とも言えない温かさをまとった優しさを、「Numbness like a ginger」という楽曲には感じるのだ。

歌詞がどうのこうのというところを置いたところで、斎藤宏介の甘くてハイトーンなボーカルが優しいのである。

いつもならゴリゴリに突き抜けていく田淵智也と鈴木貴雄の演奏も、今回は寄り添い濃度が強めなのである。

ジャジーなバンドサウンドと、ピアノが登場するアレンジがびっくりするほど綺麗にハマっていて、どこまでも聴き心地に優しさを覚えるのである。

このギャップ。

ここに自分は、どこまでもツンデレ感を覚えてしまったのである。

ツンデレ感はあるけれど、通常営業感もある

でも、ひとつだけ補足しておきたいことがあって。

確かに今作は優しさを強く感じるし、寄り添い濃度も高めだと思うけど、これはあくまでもUNISON SQUARE GARDENの中の振れ幅での話であって。

仮に、これで他のいつも寄り添いがちなバンドの楽曲と比べたら、全然寄り添ってないというか、通常営業のUNISON SQUARE GARDENであるようにも思うのだ。

どういうことかというと、UNISON SQUARE GARDENってどういうテイストの楽曲であろうが、パッションみたいな、パフォーマンス以外のところで揺さぶろうとはしていないように思っていて。

あくまでも、演奏であるとかボーカルであるとか、そういうパフォーマンスに付随する変化の中で優しさを表現しているのであって、今回の歌もバンドとしてのスタンスはそんなに変わっていない気がするのだ。

良い歌があって、その良い歌に対する、然るべき、かっこいい演奏するだけ。

その結果、今回の歌のパフォーマンス自体がたまたま優しさとか寄り添いの方向にドライブした・・・それくらいの温度感に感じるのだ。

ということを考えたとき、どういうテイストの歌であろうが、UNISON SQUARE GARDENって、通常営業だよなーと思う自分がいたのである。

結局、ツンデレ感もあるし、通常営業感もある、「Numbness like a ginger」という楽曲、強すぎるよなーというのが、この記事のひとつの結論。

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