ロッキン・ライフ vol.5のライブレポ

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ロッキン・ライフ vol.5が大阪心斎橋のライブハウスであるMusic Club JANUSで開催された。

当イベントがMusic Club JANUSで開催されたのは、vol.1以来、およそ1年半ぶりとなる。

今回出演したバンドは、レイラ、YAJICO GIRL、anewhite、そこに鳴る(Ivy to Fraudulent Gameも出演予定だったが、メンバーのコロナ感染の陽性反応が出たことを受けてキャンセルとなった)。

四バンド出演したわけだが、バンドという共通点はあるものの、どのバンドもまったくジャンルが異なっているのが特徴で。

ブッキングした人間が言うのもなんだが、一つのバンドしか知らないひとが他のバンドのライブを観たら、テイストが違いすぎてびっくりするんじゃないかと思ったものである。

少なくとも、過去4回開催されたロッキン・ライフというライブイベント史上、最高に幅の広いラインナップになったことは確かだと言えよう。

ただ、出演していたバンドは、対バン相手のカラーがどうとか関係なく、己の「かっこいい」をバチボコにかましているように思えた。

順を追って話してみたい。

photo by aoi (@thnks_th

レイラ


この日のトップバッターは、レイラ。

レイラって、良い意味で音源とライブで印象が変わるバンドだし、この「ライブならではのかっこよさ」は、YouTubeでは絶対に伝わらない類いのものだなーと感じる。

というのも、レイラってバチっとキメるときの音の厚みが半端ないバンドなのだ。

で、その音の厚さを体感できるのは、ライブしかないと思うからだ。

特に「Emma」のようにギターが暴れているパンチ力のあるナンバーだと、レイラが持つオルタナ感をこれでもかと実感することになる。

有明の憂いと激しさをもつボーカルと、内の衝動を全部ギターに乗せている感のある三浦の演奏が混じり合う。

ライブでは「Emma」の後に「アパートの中で」を披露しており、冒頭のイントロでライブハウスの空間が完全にレイラの音です染まっていく心地にゾクゾクしたのだった。

ラストは「透明少女」が終わる頃には、トップバッターなのに、すでにライブがフィナーレに向かんじゃないかってくらいにステージがエモーショナルな空気に充満していた。

ラストのサビをプレイする際に、サポートドラムがかけていたメガネを外して、頭をぶんぶん擦り回していたことが、その熱量を示していた。

YAJICO GIRL


次に登場したのは、YAJICO GIRL。

元々はギターロック色の強いバンドだったが、キャリアを積む中でガラリとモードを変えたバンドである。

モードを変更した際の象徴的なナンバーである「Better」から始まったこの日のライブ。

レイラが熱狂的にステージを盛り上げたのに対し、YAJICO GIRLはスタイリッシュと朗らかさを兼ね備えたステージに変化させていく。

音色ひとつひとつにこだわったバンドということで、ギターの存在感が強めな歌もあれば、いわゆるロックの枠組みを解体した、ポップミュージック色の強い歌も披露していく。

心地よい音の響きの中、確実にYAJICO GIRLのグルーヴがライブハウス内を共鳴していく。

最終的には大きな波紋を生むかのようにオーディエンスが自由自在にYAJICO GIRLの音楽に酔いしれていたのが印象的だった。

ラストは「Life Goes On」で多幸感に締め括る流れも秀逸で、YAJICO GIRLらしい世界観を構築していくのだった。

anewhite


3番手の登場したのは、anewhite。

イベントに出演してもらうのは、二度目で前回出演したのは、およそ一年前のことだった。

おそらくこの一年で色んなステージを経験したんだろうなーということを感じるくらいに、この日のステージが堂々としていて、言葉のひとつひとつが力強かったのが印象的だった。

ほんと、バンドとして垢抜け方がエグかったし、その分、バンドとしてのかっこよさが増し増しになっていたのだった。

お客さんの引き込み方にも安定感があって、佐藤が観客に言葉を投げかけると、それに呼応してオーディエンスの熱気が増していく感じ。

<煽り>の部分の魅せ方も良いんだけど、パフォーマンスそのものの惹き込み方も秀逸だった。

特に「ソワレの街で」のイントロはその真骨頂で、ライブだからこそのアレンジを加えたバンドアンサンブルも鮮やかに冴え渡っていたのだった。

そして、やはりハイライトになるのは「カヤ」の存在感。

anewhiteの代表曲ということもあって、その求心力は流石の一言で、イントロが鳴り響くだけで、さらに空気感あガラッと変わるのだった。

たぶん次にこのバンドのライブを観る頃には、このバンドはさらに高いフェーズに登っていくんだろうなあと感じる、そんなアクトだったのだ。

そこに鳴る

この日のトリを飾ったのは、そこに鳴る。

リハーサル中もステージの様子をチラチラ観ていたのだが、要塞のように積み上がる機材を見ていると、「うわあ…これはこの日のラスボスだわあ…」なんてことを思いながら、出番となる定刻を楽しみにすることになる。

で、ライブが始まると、良い意味でそれまでのステージの空気感を一瞬で破壊することになる。

とにかく、演奏がキレキレなのだ。

歌いながら弾いてるとは思えない多彩なギターフレーズ。

想像以上の手数で進行していく爆撃のようなドラムと、流れるようにブリブリな音を発していくベースライン。

鮮やかな男女ツインボーカルと、予想のつかない楽曲展開と猛烈な轟音で、完全にこのイベントは、そこに鳴るの世界に染まることになる。

また、バンドアンサンブルが予想のつかないものの連続であるということもあって、楽曲の披露が終わるたびに観客から「え…拍手って今、していいんだよな…?」な空気になるのも見ものだった。

おっかなびっくりながらも、観客が拍手をするタイミングは合っているのだが、「VortEx」のように、終わったと見せかけてもう一発かましてくる歌もあるので、観客が常に「今でいいんだよな・・・」的な伺うモードになっていたのが、印象的だった。

・・・・にしても、とにかく演奏のかっこよさと音の分厚さが半端ないのである。

本編ラストとなる「業に燃ゆ」まで、そこに鳴るのペースが変わることなく、このバンドにしかできないテクニカルかつ芸術的なアンサンブルをぶちまけていくのだった。

アンコールも難易度増し増しの「Lament moment」を披露していて、その容赦のなさに最後までゾクゾクしっぱなしだったのだ。

結果、当イベント史上、もっともコア感の強いラストで締め括ることになり、個人的にもすごく思い入れ深いイベントになったのだった。

まとめに替えて

これからもイベンターでは組まないようなイベントができたらいいなーと思うし、他のライブイベントとは異なる<体験>ができるイベントが続けたらいいなーなんてことを思った、そんな夏のある日。

関連記事:レイラとYAJICO GIRLとanewhiteとそこに鳴るの話

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