夏フェスのブッキングについて書いてみたい。

そもそも、どこからが春フェスでどこからが夏フェスと呼ばれるのか、その線引きはすごく曖昧なところであるが、ひとまず、今回は6月以降に開催されるフェスは「夏フェス」として分類していきたい。

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で、「なんでこのフェスの名前はあるのにこのフェスの名前はないんだよ」とか「俺はそんなフェス知らねえんだけど」なんて意見もあると思うが、ひとまず俺の中で主要な夏フェスの名前をざっと挙げてみた。

ミリオンロックフェス
サタニックカーニバル
DEAD POP FESTiVAL
KESEN ROCK
ナンバーショット
京都大作戦
JOIN AlIVE
フジロック
氣志團万博
中津川フェス
ナマハゲロックフェス
ROCK IN JAPAN FESTIVA
RISING SUN ROCK FESTIVAL
SUMMER SONIC
MONSTER baSH
WILD BUNCH
Sky Jamboree
SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER
RULHBALL
オトダマ
イナズマロックフェス

etc…

このように夏フェスはいっぱいあるわけだが、どのフェスに誰が出るのかを考える上で、主催は誰か?というところに着目するのは重要である。

なぜなら、基本的にフェスのブッキングは主催者がするから。

で、その「主催」については、大体3パターンくらいに分類することができる。

1.アーティスト主催フェス

1組のアーティストが主催となって行われるフェスであり、ブッキングやイベントの大まかな概要もそのアーティストが主体となって行われる。(まあ、フェスによってはアーティスト主催フェスと名乗っておきながら、イベンターや事務所に丸投げしている場合もあるのだが)

前述のフェスでいえば、下記が挙げられる。

デッドポップ→SiM主催
京都大作戦→10-FEET主催
中津川フェス→シアターブルック
氣志團万博→氣志團主催
イナズマロックフェス→TMの西川主催

このタイプのフェスは、毎年恒例で開催されるものもある一方、そのアーティストのアニバーサリーイヤーのみに開催されることも多い。

アーティスト主催フェスの場合、基本誰をブッキングするかに関しては、主催アーティストの判断となる。

アーティストが直接そのアーティストに電話するのか、事務所経由で相手方の事務所に連絡を入れるのかはケースバイケースだと思うが、いずれにせよ主催アーティストの名前を使って出演をお願いするわけであり、その出演アーティストの人脈や人望がモロに反映されるのが特徴である。

ブッキング以外の部分でも主催アーティストが口を挟むことは多く、運営と相談しながら進行していくので、アーティストのカラーを反映しやすいのも特徴である。

また、他のフェスよりアーティストのワガママが通りやすい故、その場限りの特殊な自体が起きやすい。

アーティスト同士のコラボもその一つだろうし、気合いの入ったMCをしたりするのもその一つだと思う。

そのフェス独特の「物語」のようなものが生まれやすいのも特徴だ。

例えば、京都大作戦が「特別」と言われがちなのは、そういう様々な要素が組み合わさっているからだし、出演者や参加者が受け取ってきたバトンをしっかり次に繋げた結果であるように思う。

あとは、10-FEETがしっかり地元に挨拶周りをしており、ロックフェスなんてほとんど知らない宇治市民の方々でと京都大作戦のことは知っていて応援してくれたりするなど、地元民から愛されているのも「特別」である理由のひとつだと思われる。

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2.イベンター・プロモーター主催

ライブを運営するのはイベンターである。

先ほどのアーティスト主催フェスだって、結局のところ、運営の大部分はイベンターが仕切って行うわけだ。

そんなイベンター自身(プロモーター)が主催者となって、でっかいフェスを行うのがこのパターンとなる。

日本の4大フェスといわれている、サマソニ、フジロック、RSR、ロッキンのうち、ロッキン以外は全てこのカテゴリーにはいる。

そして、イベンター主催のフェスが種類としては一番多いのである。

前述のフェスでいえば、

ミリオンロックフェス
ナンバーショット
Mount Alive
フジロック
RISING SUN ROCK FESTIVAL
SUMMER SONIC
MONSTER baSH
WILD BUNCH
RUSHBALL
オトダマ

などが挙げられる。

ただし、前述の中でも色々とパターンがあって例えばフジロックはSMASHというイベンターが主催なわけだが、このフェスのブッキングはスマッシュのボスである日高さんがメインが行う。

ここでモノを言うのが日高さんの人脈であり、昨年のレッチリはじめ大物海外アーティストのブッキングが実現するのは、日高さんとアーティスト間にしっかりしたパイプがあるからだ。

SMASH自体は東京の会社なので、関東公演中心に手がけるわけだが、SMASHは関連会社として、SMASH EAST(北海道)、SMASH WEST(大阪)があり、そこもあわせると幅広い地域のライブ・コンサートを手がけていることになる。

そのため、日本においてもたくさんのアーティストとパイプがあり、故により幅広いブッキングが可能となっているのだ。

そうなのだ。

イベンター(プロモーター)主催のフェスの場合、基本そのイベンターがワンマンライブを手がけているアーティストを呼ぶことになる。

理由は二つあって、ひとつは、ワンマンを手がけているということは声をかけやすく、関係もしっかり築きあげれているからである。

挨拶もしたことのないイベンターから「フェスやりたいんで出演してください」なんて普通言えないし、そもそも窓口と顔見知りじゃなければ連絡の取りようだってない。

もうひとつは、他のイベンターとの関係性の問題である。

各イベンターは少しでも売れているアーティストは自分のところで運営したいと考えいるわけであり、他のイベンターと既にパイプができているアーティストを声をかけるのは慎重にならなければならない。

だって、そこで新たなパイプ作られて別のイベンターに乗り換えられたらエライ話である。

アーティスト側としても、仮に声をかけられてもアーティストとイベンターの信頼関係に響く可能性もあるので、二つ返事で「いいよ」とは言えない。

ちなみに東京公演とかで、あるバンドが武道館ライブをやりたいとなった場合、武道館のスケジュールを押さえているイベンターと、普段ワンマンを手がけているイベンターが違う場合、普通は色々と交渉をして、普段ワンマンを手がけているバンドに、押さえていた武道館を譲るのが通例だったりする。

なのに、それをせずにこの日程で武道館やりたかったら、うちの運営でライブをやれと交渉し、武道館だけ違うイベンターとやったら、そのイベンターもバンドも評判が悪くなる恐れがある。

話がそれた。

ちなみにイベンター主催のブッキングにおいて、田舎になればなるほど、イベンター・プロモーターの数は少なくなり、ひとつのイベンターが手がけるアーティストの数は多くなるので、田舎のフェスほど豪華で豊富なブッキングが可能になる。

また、WILD BUNCHを主催しているのは夢番地というイベンターは、関西・中国・四国と手がけているエリアが多いので、結果として幅広いアーティストほブッキングが可能だったりする。

逆に、関西はイベンターが多く、RUSHBALLやオトダマのように各イベンターがフェスを主催しているので、他のフェスのような幅広いブッキングができない現状もある。(毎年、数組は自身でワンマンを手がけてないアーティストを招聘しているが、それは数が決まっているし、事前の入念な根回しが必要だったりする)

こういう大人の事情がわりと絡んでいたりするのである。

3.テレビや出版社、あるいはラジオ局などのメディアが主催

ROCK IN JAPAN FESTIVA
Sky Jamboree
SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER

ロッキンはご存知の通り、ロッキング・オンという出版社が企画しているフェスだし、ラブシャはCS放送のスペシャが主催しているフェスである。

メディアという特性上、幅広いアーティストと関わることが多いので、前述のタイプとは違ったブッキングができるのが特徴である。

ブッキングという観点で言えば、最強であるわけだ。

だから、ロッキンはどのフェスよりも潤沢なラインナップでお届けできているのである。(歴史もあるし)

ちなみにサタニックカーニバルも属性で言えばここに近いと思う。

ただし、サタニックはメディアでなく、レコード会社が主催にはなるのだけれども。

4.それ以外に属する有志たちの主催

ケセンロックフェス
ナマハゲロックフェス

今までフェスもコンサートも手がけてこなかったまったくの門徒外の人間が、地元に根付くフェスを作りたいという使命感のもと、声をあげて作っているタイプ。

こういうタイプのフェスは、有志たちの活動に感銘をうけて出演するパターンが多く、出演アーティストの顔をみると、男気溢れる面々であることも多い。

故にアーティスト主催フェスのような「統一感が生まれることも多かったりする。

なーんてことを考えながらみてみると、わりとどのフェスに誰が出演するのか、というのはある程度予測することができるようになる。

けれど、いちいちそんなことは考えずに公式から発表された情報に一喜一憂する方が賢明っちゃ賢明だとは思うし、俺の書いてることはいい加減な部分も多いので、あんまりここに書いてることは真に受けずにいた方がいいとは思ったりもする次第。

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