いや、マジでTwitterなんかで「オーラル 妊娠」って検索すると、わりとそういう人が出てくるんですよ。

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僕はその辺冷めてはいるので、「いや、しないでしょ。妊娠なんて」って思うし、過剰表現もほどほどにしろよ、なんて思うんだけど、どんなことだって「それ」と決めつけて人の意見を聞かない態度は良くないと思う。

それこそ、オーラルの世界観みたいに独りよがりになってしまってはイケナイと思った僕は「オーラルがMステに出るとお茶の間が妊娠してしまうのか?」というアンケートをとってみた。

で、これ。

マジか。わりと多いじゃねえか。そんなにいるのか、妊娠するやつ。おまえらの体内構造どうなってるんだ。俺の知ってる保健体育は嘘っぱちだったのか。そうなのか。

まあ、百歩譲って「妊娠する」という選択はまだわかる。けど「わからない」ってなんだよ。いや、それは、わかるだろう。おまえの感性どうなっているんだよ。

確かにオーラルの歌い方とかテンションって⤴⤴⤴みたいなところがあるし、気持ちも心もビンビンなところがあるし、V系的要素を兼ね備えているし、妊娠するくらいのエロさを感じる、というのはよくわかる。

でもこれは流石に盛りすぎでしょ。

オーラルの世界観ばりに過剰表現ですよ。そんなことを思った僕はちょっとイライラしながらオーラルの動画をみてみた。

ごめん。前言撤回。
妊娠するわ、こんなん。

なぜ妊娠する人が出てくるのか?

簡単に言えば、オーラルがカッコいいし、エロいから、という言葉に尽きるとは思う。

ただ、ここでいう「かっこよさ」とは何なのか?「エロさ」とは何なのかはもう少し掘り下げてみる価値があると思う。

もちろん、見た目がカッコイイというのはベースとしてあるだろう。

純粋に顔がイケメンだし、なんかダークな感じだし、佇まいも雰囲気あるし、笑い方も指先もわりと綺麗だし。

けれど、オーラルって、単にビジュアル的偏差値が高いからカッコいいしエロい、という話だけではないように思う。

例えば、ボーカル。

ヤマタクのボーカルって邦ロックバンドというよりもV系っぽいってよく言われる。ラルクやん、MUCCやん、という指摘をされているところをよく見る。

なぜそういう指摘をされるのかと言えば、低音の出し方とかビブラートの細かさに理由があるわけだ。

ヤマタクのボーカルってすごく表情があるし、表現力もあるわけだ。たぶんすごくボイトレしたり練習したりしているんじゃないかと思う。

無感情なボーカルの方が好き、という人も中にはいるので、そういう人からしたらヤマタクのボーカルは「嫌い」だし「あざとすぎる」と感じてしまうんだろうけど、好き嫌いは抜きにして同世代のバンドでここまでボーカルの声だけで世界観を作れる人ってそうはいないんじゃないかと思う。

そもそもヤマタクって、やろうと思ったらV系っぽい感じじゃない歌い方だってできるわけで、ボーカル的チャンネルの多さも目を見張るものがある。

そうなのだ。

ヤマタクの表現力の豊かさが「かっこよさ」や「エロさ」のイメージを色濃くするわけだ。

やろうと思ってできることではない。

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エロいのはボーカルだけじゃない

オーラルってキャッチーと不穏さ、ポップと不気味さ、サウンドの骨太と繊細さ、みたいに本来なら対立するはずの二つの要素をひとつの楽曲に内包させた傑作を生み出すことが多い。

なぜそんな凄いことができるのかと言えば、エモーショナルなギターとエロティックなベースがあるからだ。あと、一人だけちょっと年配のドラムのまさやんの存在感が果たしてる役割も大きい。

要は、ボーカルが作ろうとしている世界観をちゃんと楽器隊も理解しているから、同じような指向性を持って音を鳴らすことができるし、オーラルの作り出す世界観が色濃くなるわけだ。

やろうと思ってできることではない。

一方、冷めてるファンもいる説

オーラルのファンの態度って、二極化しているなーという印象を受ける

で、今のオーラルは「妊娠しちゃう!」と喜ぶファンに照準を当てたパフォーマンをしがちな感はあるよなーとは思う。

それ故、オーラルの楽曲は好きなのに、あざといパフォーマンスがちょっと苦手……という人はそれなりにいる。

ただ、これはオーラルのパフォーマンスそのものが「痛くなった」というよりも、各メンバーの表現力が上達しすぎた結果、世界観の濃度が濃くなりすぎたんだと思う。ほら、カルピスだって濃いときつい人いるでしょ?そういうことですよ、たぶん。

オーラルの世界観なるものがより色濃いものになっていけばいくほど、そういう世界観にノれない人が出てきたわけだ。

「妊娠しちゃう」と簡単には言えない、一歩ひいたところからオーラルを見る人が出てきたわけだ。

そういう人からすれば、今のオーラルの世界観って、どこか独りよがりのものに見えてしまうのかもしれない。

でも、オーラルに限らずバンドって全部そうなんだと思う。

シラフになって遠くからみたら、なんだこりゃあってなるものだ。

完全なシラフでSiMのライブなんてみたら、空いた口が塞がらないと思うし、完全なシラフでマイヘアのエモーショナルなパフォーマンスをみても「寒っ……」って思ってしまうものである。

ロックって魔法がかかってるからカッコよく見えるものであり、その魔法とどのくらいの距離感でいるのか?っていうのはわりと重要で。

だってさ、最近のオーラルにはついていけないと思ってる人だって、ライブハウスなんかで彼らのパフォーマンスを観たりすると「やっぱりカッコいいわ!」とか思っちゃうわけでしょ?

一歩ひいた目から見ると今のオーラルが作り出す世界観は独りよがりなものに見えてしまうけれど、ライブという現場に行って、同じ輪の中に入ってオーラルの世界観に浸ってみたら、全然そんなことない!やっぱりカッコいい!ってなるんだと思うんですよ。

それにしても、オーラルが凄いのって、箱から出たら一旦魔法が解けて、わりと素に戻るファンが多いはずなのに、オーラルの魅力がありあまりすぎて、テレビの画面越しでも魔法かけまくるところだと思う。

Mステに出たらお茶の間が妊娠する、って要はそういうことでしょ?

テレビという距離感でも、オーラルの世界観に没頭させられちゃうよ、っていう話でしょ?

説明するまでもないことだけど、ここで言う「妊娠する」っていうのは本当に妊娠するわけじゃなくて、語彙力が足りてない系女子が言いがちな「無理、死んだ」とかと同じで、単なる肯定的な褒め言葉にすぎないわけだ。

ただ「すごい」とか「かっこいい」だけでは表現できない感情の発露を言葉にしようとしたときに「妊娠した」って言葉が出てきた、そういう話である。

とにもかくにも、たくさんの若者を夢中にさせるオーラルってやっぱり凄いよなーっていうそういう話。

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